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【出入国管理法(入管法)改正】 不動産の観点で考えると「増え続ける空き家」に歯止めをかける材料にはなる。

出入国管理法(入管法)改正案を不動産の観点でみる

先週の国会で激しいやり取りがあった出入国管理法(入管法)改正案。

結局のところ既定路線通りに新しい在留資格に関して定めた改正入管法が成立し、単純労働に従事する外国人労働者を受け入れる門戸を開くことになりました。

想定受け入れ人数は34.5万人だそうで、それがどのぐらいの影響を及ぼすかを不動産の観点から考えてみたいと思います。

出入国管理法(入管法)改正

在日外国人の増加が不動産市場に与える影響は少なくない

よく混合しがちですが、街を闊歩しさまざまなお店でお買い物をしてくれる外国人の方は「訪日外国人」です。

すなわち在留資格がいらず観光ビザを中心に、短期滞在を目的とする方々であり旅行者です。

その数は約3,000万人にまで増え、経済効果は4兆円と言われています。

しかし実態は中国、韓国、台湾からなどの近場の旅行者が中心で、1人あたりは10万円程度の支出にとどまっています

この旅行者と違い、日本で居住し、働きながら生活のための消費をする外国人労働者は、旅行者のような派手な出費はしないものの、確実に一定の金額を支出することが考えられます

仮に訪日外国人が1回の訪日で10万円を使うとし、在日外国人は月5万円しか使わなくても、5年間すなわち60か月在留すれば、300万円を使います

従って1人の旅行者が増えるよりも1人の在留者が増えることは30倍の経済的インパクトがあります

このように考えるといわゆるインバンドが増えて、ホテル市場を中心に投資が活性化しているように、一見数は少ないように見えますが、在日外国人の増加は当然不動産市場に与える影響は少なくないと考えられます。

外国人労働者のための集合住宅のニーズが高まる

今までは特に技能実習生などは会社の工場や、もはや日本人が入らなくなった寮などを活用しとりあえず改装して住まわせていました。

それが増えることにより、外国人労働者のための集合住宅のニーズが高まることが予想されます

もし受け入れている外国人を1つの棟で住ませるとなると、すべて同じ国で同じ習慣を持っている方が住むとは限らないので、集合住宅のルール作りや規約を諸外国の風習や慣習を踏まえて明確に作る必要がでてきそうです。

寮ではなく家族が住む戸建住宅などの需要も高まる

また集合住宅のニーズ以外にも、新在留資格により家族を帯同できる特定技能2号が増えてくれば、実質的な移住であるため、寮ではなく家族が住む戸建住宅などの需要も高まるのかもしれません。

非常に楽観的な見方かもしれませんが、基本的な日本の家はアジア圏のなかではメンテナンスや水回りの維持はいいと思われます。

空き家をそれほど大きな金額を投資することなく、外国人労働者に貸すことができれば、空き家対策や定住政策の一定の担い手になる可能性はあります

外国人の「土地所有」に対して制限がない国日本

日本は土地所有に制限のない国

日本は世界でも珍しく、外国人が土地の所有に対して制限がない国なので、日本の実質的な永住権を取得した外国人が日本の土地も欲しがる可能性は高く、そのようなニーズに対応した外国人専門の不動産仲介や登記の対応ができる業者が増えてくる可能性もあります。

不動産が動けば、それに付随するサービス、すなわち医療や教育サービスも無視できないマーケットが形成されていきます

それに対応していくのか、それとも今後も「外国人お断り」を続けていくのか、2択を迫られます。

なんとなく風潮的にインバンドと呼ばれる訪日外国人は、短期で帰るわりには相応のお金を落としていくので、どんな地方であってもウエルカムに対応している傾向があります。

在日外国人は、お隣に住むかもしれないので、ちょっと警戒し、自分の生活を脅かす存在になるのではないかとナーバスになります

しかし、我々が選んだ政権によって門戸は開かれてしまいました。

魅力のある制度でお互いハッピーに

個人的には門戸を開いたが、思ったよりも入ってきてくれない、つまり実は出稼ぎのために滞在するにはちょうどいいのですが、言葉や文化を覚えてずっと住みたいと思うほど魅力はなく、予想よりも全然増えないという懸念もあります

そのような懸念を払拭し、来られる外国人もそして迎え入れるわれわれにとっても、互いにハッピーになるような身が詰まった制度にこれからしていってもらいたいと思います。(執筆者:田井 能久)

この記事を書いた人

田井 能久 田井 能久(たい よしひさ)»筆者の記事一覧 (58) http://www.valuation.co.jp/

株式会社 タイ・バリュエーション・サービシーズ 代表取締役/専任不動産鑑定士
1981年、日本不動産研究所入所。1985年、不動産鑑定士に登録。2004年、ハドソンジャパン株式会社入社。2006年、株式会社タイ・バリュエーション・サービシーズを設立。不動産の鑑定評価業務を中心に、相続に関する相談、不動産に関する事案について訴訟や調停に関しての相談、セミナー講師や海外不動産に関する業務など多岐にわたる内容に対応しています。
公益社団法人日本不動産士協会連合会会員、在日米国商工会議所(ACCJ)会員
名古屋地方裁判所民事調停委員、愛知大学非常勤講師
<保有資格>:不動産鑑定士
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