iDeCo(イデコ)という言葉を最近よく聞きますし、すでに始めている人も多いかと思います。
それと同時に「iDeCo(イデコ)のことは、なんとなくしか知らない」という人も、まだまだ多いのではないでしょうか。
本記事では、そんなiDeCo(イデコ)初心者の方に向けて「とりあえずこれだけ知っておいていただきたいこと」をまとめました。
目次
そもそもiDeCo(イデコ)ってなに?
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iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称、というと分かりにくいので、別の言い方をしますと「もう一つの年金」です。
なぜそれをイデコと呼ぶかと言いますと、個人型確定拠出年金を英語表記にすると、
となり、太文字の部分を合わせるとiDeCo(イデコ)という愛称になる、というワケです。
ちなみに、現在では20歳以上60歳未満のほぼすべての人が加入できますが、公的な年金とは違って「iDeCo(イデコ)に絶対に加入しないといけない」ということはありません。
自分の意思で加入するかどうかを決められるのですね。
iDeCo(イデコ)に加入するかどうかは、自分で決める
どうしてiDeCo(イデコ)が必要なの?
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公的な年金制度はすでにありますが、それに加えてなぜ「もう一つの年金」のiDeCo(イデコ)があるのでしょうか。
背景としては、少子高齢化と長寿化により、このままのペースでいくと、老後にお金の足らない人が出てくる可能性があるためです。
例えば、女性は四人に一人が百歳程度まで生きる可能性があります。
仮に65歳から公的年金を月換算で20万円受け取ったとして、毎月の支出が30万円ですと、毎月10万円足りません。
65歳以降働かない場合は、預貯金などから取り崩さなければ生活できません。
この場合、年間で120万円分貯蓄を取り崩す必要があります。
そしてこのまま百歳まで生きるとします。そうすると取り崩し額は以下のようになります。
この場合、単純に考えて、65歳時点で4200万円の貯蓄などが必要になるわけですね。
この公的年金と実際の生活費の不足分を補うために「もう一つの年金」であるiDeCo(イデコ)がある、というわけです。
iDeCo(イデコ)の本当の目的は、老後のための資産形成
iDeCo(イデコ)のどこがおすすめなの? 3つのメリット
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それではiDeCo(イデコ)の何が老後の資産形成におすすめなのかを見てみましょう。メリットとなるポイントは大きく3つです。
1.掛金が全額所得控除
2.運用益が非課税で再投資される
3.受け取る時にも各種控除がある
この3つです。ザックリ言うと、節税になります。
ただ、これだけ見ると「なんだか、地味であまり魅力を感じない」と思われるかもしれません。
ただ、人によっては、その節税効果は数百万円以上、あるいは一千万円以上になることもあります。
ここは、その人の収入・掛け金・運用成績・受け取り方によって大きく変わってきます。
また、原則として60歳以降にしか受け取れないので、シニアになるまで確実に資産形成ができやすいです。
掛け金を出すときも、基本的に積み立て形式ですので「気がついたら資産ができていた」という具合に、頑張らなくても資産形成がしやすい点もメリットです。
自然と資産形成ができやすい
おさらい iDeCo(イデコ)とは
ちょっとややこしい一面もありますので、もう一度おさらいしておきましょう。
iDeCo(イデコ)は高額の資産が必要な老後のための資産形成にあるもの
iDeCo(イデコ)を使うと、税制面でお得になり、かつ、資産形成に向いている仕組みになっている
iDeCo(イデコ)には「いまのあなた」を変える力はほとんどありません。基本的にコツコツと積み立てていくだけですので、それほど楽しくもありません。
ただ、iDeCo(イデコ)には「未来のあなた」を支える力はあるかもしれません。(執筆者:佐々木 裕平)