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「思っていたより保険金がもらえなくて…」 火災保険を誤解して過不足していませんか?

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「思っていたより保険金がもらえなくて…」 火災保険を誤解して過不足していませんか?

2018年の漢字は「災」

2018年の漢字

日本漢字能力検定協会によると、2018年の漢字は「災」だったそうです。

確かに私が住んでいる関西でも、地震が来たと思えば台風がやってきて、わが家もそれなりに被害に遭いました。

大規模災害の悲しいところは、それから何か月たってもお願いした修理に業者様がやってきてくれないところでしょうか。

でもご近所を眺めると屋根にまだビニールシートが被さっているなんてザラなので、文句は言っていられません。

ということで、そろそろ埃が積もりそうな保険金請求書。まだまだわが家から投函できそうもないのです…。

いやそれでも、時間がかかったとしてもきちんと修理をしてもらえるはずで、その実費も保険金としていただけるのですから、心と家計は安泰なわけですよ。

この修理代がどこからも補填されないのであれば、こんなに安らかではいられません。

火災保険は保険金額をそのままもらえるわけではない

というのは一連の災害の後日談を収集していると、「思っていたより保険金がもらえなくて…」という声をよく聞いたのです。

どうやら保険のルールを誤解されている人が多いようなのですね。

地震を除く自然災害の多くは火災保険で対応できます(水災に対応しない種類の火災保険もあります)が、この火災保険は住宅ローン契約と同時に加入することが多いというかローン会社に強制的に加入させられますよね。

そのためか、どうやらローン金額と同額しか加入していない、つまり住宅価格よりも少額しか保険金をかけていない人がけっこういる

前述の不満は、そんな人たちからいただいたものだったのです。

実は、火災保険の保険金は実際に被害に遭った時にそのまま全額を支払ってもらえるものではないのですよ!

損害保険金額=損害額×保険金額÷保険価額(再調達価額)

具体的に数字を挙げて解説します。

住宅が全損したとき再建するために2,000万円かかるとしましょう。

火災保険ではこの住宅の再調達価額を「保険価額」として扱います。

「保険価額」とはやや難しい言葉の響きですが、その物件のMAXの価値つまり保険金の上限を指す言葉です。

保険価額は2,000万円ですが、このご家庭は1,500万円しか火災保険をかけていなかったとします。

この状態でもし建物が全損するような災害が発生すると、どのように保険金額が計算されるのでしょうか。

損害保険金額は損害額×保険金額÷保険価額で計算されます。

2,000万円(損害額)×1,500万円(保険金額)÷2,000万円(保険価額)=1,500万円(損害保険金額)

はい。

目論見通り、保険金額ぴったりの損害保険金を受け取ることができますね。

それでは同じ状態から、建物が全損ではなく保険価額の半分の1,000万円の損害を受けた場合を考えてみます。

1,000万円(損害額)×1,500万円(保険金額)÷2,000万円(保険価額)=750万円(損害保険金額)

そうなんです。

受け取れる損害保険金は、当初設定した1,500万円ではもちろんなく、さりとて損害額の1,000万円でもなく、設定した保険金額の割合に比例した750万円になってしまうのです。

これを比例てん補と呼びます。

コレ知らないと「1,500万円かけているんだから損害の1,000万円満額もらえる」と思っちゃいますよね…。

貰える金額が思ったより少なかった

保険価額が不十分な場合もある!

先ほど、保険価額とは住宅再建に必要なお金だと書きました。

多くの保険契約では実際にその通りなのですが、中にはそうでない場合もあります。

それは

保険価額が「時価」になっている場合

です。

住宅の価値は経年劣化にしたがって年々低くなっていくものです。

ゆえに、保険価額が時価となっている場合は、たとえ保険金額の設定が高くなっていたとしてもそれは超過保険とみなされ、保険価額は下降を続ける時価とされてしまうのです。

もちろん時価では再建(住宅の新築)に必要な金額に届くはずもありません。

このようなケースは古い火災保険契約に多いようなので、該当する方は要チェックです。

また保険価額がきちんと再調達額(住宅の新築価格)になっている場合でも、注意が必要です。

いい加減な営業担当者にあたってしまった場合は、この住宅の再調達額を真に必要な金額よりも低く見積もっているケースがあるからです。

確かにそのほうが保険料は抑えられるし、住宅取得時には諸費用を抑えたいものなので、親切心と言って言えなくもない気もしないではない…いやいややはり不親切ですよね。

保険証券をご確認ください。

災害に遭って必要なのは、住宅再建だけではない

そして考えてみれば当たり前なのですが、実際に災害に遭うと支出が立て続けにやってきます。

だって被害を受けているのは建物だけじゃないし、発生したゴミの撤去費用やビニールシートのようなその場しのぎ的なこまごまとしたものにだってお金がかかります。

場合によっては働きに出られないことだってあるのです。

火災保険の補償対象に家財を加えることでその一部は軽減できますが、やはり想定外の事態には想定外の支出が起こるものです。

そういったお金を考えると、住宅再建はできるだけ貯金に触れすに保険金で済ませたいところですよね。

地震保険は火災保険の30~50%

地震保険は火災保険の30~50%

それに、近年中に発生すると言われている地震のことも考えておかなければなりません。

地震の被害については火災保険は対象外のため地震保険が必要なのですが、地震保険に加入するためには火災保険に加入しておかなければならず、しかも保険金額は火災保険の30~50%すなわち半額以下にしなければならないのです。

ということは、火災保険の時点で保険金を保険価額の半額で設定してしまったら、地震保険は保険価額の25%以下しか契約できないことになってしまうのです。

これらのことを考えると、やはり火災保険は保険価額の満額を契約しておくのが無難なのではないでしょうか。

住宅ローンの残額しか火災保険を契約していない人、いるのではないですか?

今一度、加入しておられる火災保険をご確認ください。(執筆者:徳田 仁美)

《徳田 仁美》
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徳田 仁美

徳田 仁美

関西地方都市在住の30歳代主婦。某私立大学文学部卒。「良いものを長く使う」「不健康が最大の損失」「家族円満は無料で最大の幸福」を心がけて、主婦業を営む。夫の収入で家計を管理する、現在は2児の母。子だくさんでも成立する家計を模索。家計とは別に、結婚前の貯金を株式投資やFXなどで運用する。投資歴は8年程度。最近は新しい時代を作ってくれそうな企業に注目している。 寄稿者にメッセージを送る

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