最近、私の地元長野市で、有名なファイナンシャルプランナー(以降FPと表記)が金融商品取引法違反(無登録営業)で逮捕されました。
私はその方と面識がないのですが、テレビやラジオでよくCMが流れていたので、長野県のFPにとっては、かなりインパクトの強い報道でした。
私たちFPも、さらなる信頼獲得に努力しなければなりませんが、皆さんも「どんなFPが信用できるのか」疑問に思う事でしょう。
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目次
FPの成り立ちは金融商品販売目的
1930年代アメリカで、個人の間にも生活設計と資産運用の必要性が芽生え始めたことを背景に、保険会社の外交員がファイナンシャルプランナーと名乗り、保険を販売したのが起源だとされている。
60年代後半には、自分に都合の良い商品を押し付けたり、個人の資産運用を請け負うと称して誤解を招く行為を働くFPもいた。FPが社会的批判の対象になることが懸念され始めていたのである。
そこで、良心的な業務を行っているFPたちは危機感を抱き、FP業界の健全な発展を期して業界団体を組織化することとなった。
「『日本FP協会20年の歩み』日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」 部分抜粋にて引用
FPは、その誕生が金融商品の販売目的なため、金融商品と結びつきやすくなっています。
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会ではさまざまな規定を設け、コンプライアンスの強化に努めていますが、規定を破る人間はどこの業界・世界にもいます。
しかし結局は、その人が「人として信用できるかどうか」という人間性にいきつきます。
FPはよく医者にたとえられます
何もわからない世界に足を踏み入れる時は、自分の知っている専門家にたとえて考えてみましょう。
FPは専門医ではなく、総合診療科の医者にたとえられます。
相談者(患者)の話をよく聞き、質問し、あらゆる角度からその原因を突き止め、対策(治療)を講じます。
必要であれば専門の士業(専門医)や、金融商品販売員(薬剤師)におまかせします。
また、金融商品(薬)を勧める時には、メリットとデメリット(効果と副作用)の説明をします。
報道によると、今回の事件では、容疑者のFP事務所で月に1~2回開いていた無料セミナーで、セミナー参加者に海外投資ファンドへの投資の勧誘をしたそうです。
ただ、説明資料はすべて英文だったそうです。
もしお医者さん(FP)が、診療方針や処方した薬(金融商品)について英語で話したらどうでしょう。
日本で認可が下りているのかが気になりますし、何より日本語での説明を求めるはずです。
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FPにするべき3つの質問
FPがどんなことで収入を得ているのか、キャッシュポイント(収入源)を聞くのはもちろんですが、それ以外に聞くべき質問があります。
1. わからない所をきっちりと聞く
「分かりやすい例え話はないですか?」
書籍で調べごとをするとき、専門書を読んでも分からなかったことが、入門書を読んだら「そういうことを言っていたのか」と、分かることがあります。
同じことを説明するのに、あの本の例題はのに分かりづらいのに、この本の例題だと分かりやすいことがあります。
わからないことは、「あなたの説明が下手なんだ」という気持ちで、分かるように説明してもらいましょう。
2. 納得のいくまで説明をしてもらう
FPが、自分に都合のいい解決策をはじめから結論として考えていた場合、あなたの問題点の解決策になっていない場合があります。
目的と手段の関係がすっきりしない場合、納得のいくまで説明をしてもらいましょう。
3. ほかの解決策をいくつか出してもらう
FPが提案する解決策が、最も効率的であっても、その解決策が自分になじまない場合があります。
たとえば、資産運用で投資信託(強い薬)を勧められたが、自分にはリスクには(副作用が怖い)が大きすぎて、「その解決策を取りたくない」という事があります。
と聞いて、ほかの解決策をいくつか出してもらい、自分にあった解決策を選択しましょう。
節約や副業(リハビリや自助努力)で済む問題かもしれません。
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自分の理想を形にしましょう
金融商品はよく「自己責任といわれますが、そのアドバイザーの専門が何なのかをよく考えどの部分は完全におまかせし、どの部分は提案を参考程度に留め、どの部分は自分で考えるのかをよくお考え下さい。
そして、自己責任をとれるだけの説明を、納得いくまで受けてください。(執筆者:田島 稔之)