お金をつぎ込んでいるから、今やめたら、もったいない… それ、「コンコルド効果」です。

日常生活では「もったいない精神」は美徳とされることが多いです。

もったいない精神

ですが、お金を増やす際には、この「もったいない精神」が困った存在になることがあります。

今回は「コンコルド効果」をふまえつつ、知らないうちに損をする仕組みを見てみましょう。

分かっているけど、やめられない!? コンコルド効果

コンコルド

≪画像元:wikipedia

コンコルドとは、イギリスとフランスの会社などが共同で50年くらい前に開発したとても速い旅客機です。

かなり昔の旅客機ですが、現在の旅客機よりもずっと早く飛べるスゴイ飛行機です

しかし2003年以降、生産を終了して飛んでいません

理由は「採算が合わない」という単純なことです。

わかっていたのに、やめられなかった…

「採算が合わない」というのは割と早い段階から分かっていて、続けるほどに赤字が拡大するのに、延々と開発・量産をしていました。

合理的に考えるなら、

「この飛行機はすごいけど、採算が合わないよ。」

「じゃあ、途中だけど計画を中止にしよう。」

となると思われます。

しかし、コンコルドの場合、

「この飛行機はすごいけど、採算が合わないよ。」

でも、ここまで高額の開発費をつぎ込んだから、やめるにやめられない。

「赤字になるのは分かるけど、つぎ込んだお金や時間・努力がもったいないからやめられない」という状況です。

そのため、行動経済学などでは「途中で赤字が見込まれていたのに、投入した費用が巨額過ぎて、やめるにやめられない状態」をコンコルド効果(またはシンクコスト・埋没費用)と呼んでいます。

コンコルド効果一例 こんな時に起こっているかも…

コンコルド効果は一見すると、笑い話のようですが、身近で誰にも起こりうるお話です。

こんな例が挙げられます。

・昔、高額の貯蓄性のある保険を契約した。見直しの末、やめたい。しかし、いまやめると元本割れしてしまう。これまでに支払ったお金が「もったいない」からやめたいけどやめられない。

・高額のエステクラブに入会した。費用対効果が今一つなので、やめたい。しかし、いまやめると入会金が「もったいない」。だからやめられない。

・ある料理教室に通っている。あまり役に立たないのでやめたい。しかし、ここまで頑張ってきたのにやめるのはなんだか「もったいない」。

・投資で、ある個別の金融商品に高額の資金をつぎ込んだ。しかし、買った時の値段よりも大幅に下落している。このままでは今後も赤字は確実、もうイヤだ。しかし、ここで売ると大きな赤字だけが残るので「売りたいけど売れない」。

・ある企業で働いている。人間関係がイヤでやめたい。しかし…。

筆者も同じような経験がたくさんあります。

コンコルド効果

コンコルド効果から最小ダメージで抜け出すには?

上記コンコルド効果の一例で、絶対に赤字が決定している・今後も永遠に回復の見込みがないとした場合、どうしたら良いでしょうか?

正解は、

一刻も早くやめる

です。

一刻も早くやめる

投機的な手法では「損切り」と呼ばれる行為です。

コンコルドの時もそうでしたが、赤字が継続して発生するのに、延々と続けてもどんどん赤字幅が拡大してしまうだけです。

「もったいない精神」があるゆえに苦しいですが将来の大きな痛みから脱却するには、いま、痛みを覚悟しないといけないのかもしれません。

人はコンコルドの誤りの一例を見ると「非合理的なことををするものだ」と思います。

しかし、多くの場合、自分も同じように行動をしているかもしれません。

長期分散投資の場合

見極めるのは難しいですが、注意する点は「なんでもサッサとやめれば良い」ということです。

長期分散投資などでは、価格が下落した時は「安く買う」チャンスです。

「損切り」してはかえってチャンスを失います。

長期分散投資では、安く買うことでその後の値上がり益が期待できます。

長期分散投資の場合は、投資対象が「コンコルド」なのかどうかをじっくりと考えてから、行動をしてはいかがでしょうか。(執筆者:佐々木 裕平)

この記事を書いた人

佐々木 裕平 佐々木 裕平(ささきゆうへい)»筆者の記事一覧 (55) http://kinikuk.com/

金融教育研究所という事業所を運営しながら「普通の人のためのお金の増やし方」をお伝えしています。1級FP技能士としての正確な知識を背景に、楽しく分かりやすく、をモットーに活動しています。書籍「入門お金持ち生活のつくり方」(こう書房)ではAmazonkindleランキング全体1位を達成しています。
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