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2019年注目の新興国債券 株式投資に代わるその魅力と対象銘柄3選

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2019年注目の新興国債券 株式投資に代わるその魅力と対象銘柄3選

2019年は米中貿易戦争をきっかけとした景気減速感や円高圧力、4月の統一地方選挙に10月予定の消費税増税と、政治も経済もイベントが多く右肩上がりに株式相場が伸びない展開が予想されています。

そんな環境の中、株式投資に代わりお勧めできる投資クラスが新興国債券です。

リスクもリターンも大きい投資クラスですが、お勧めできる理由と対象銘柄を紹介していきます。

潮目が変わった2019年

2019年に注目される新興国債券

昨年末から年明けにかけて、株式相場の潮目が変わったと思える状況が起きています。


新興国債券への投資をご紹介する理由でもありますし、この状況が変われば投資を控える必要もあるポイントを2つ確認しましょう。

米国金利引き上げの停止のよる債券価格の上昇

米国は世界1の経済大国、その米国が昨年から続けてきた政策金利の利上げを停止する方針を1月に発表しました。

これは「景気回復=物価上昇」の流れが止まり、「景気横ばい=物価上昇横ばい」に変わったことを現わしています。

景気後退に入るほどの減速ではないとしても、横ばいになったことで「株式相場=下落」となります。

それに代わり国債に代表される債券は「金利下落=債券価格上昇」となるため、金利がどんどん上昇しない環境にある場合には確実な投資クラスとなります

ドル安傾向の為替相場継続

トランプ大統領の経済政策により経済が伸びた米国ですが、自身が仕掛けた貿易戦争が思った以上に世界経済を冷やし、それが米国にも跳ね返ってきました。

昨年2018年は為替も株式相場も米国一極に集まる環境でしたが、米国利上げ停止により潮目が変わりました。

イギリスのブレグジットを始めとした欧州の景気減速が理由で大きなドル安につながっていませんが、利上げ継続を見越した米ドル買いはもう続かず、米国株式も停滞気味なので2019年は米国から世界各地に投資資金が拡散することが想定されます

その戻り先は、これまで資金が引き上げられていた新興国となるでしょう。

新興国債券の魅力とリスク・リターン

新興国債券の魅力

上記の環境を捉え、株式投資から債券投資に切り替えることで安定的な配当利回りが期待できます。

しかし、そもそもリスクもリターンも大きくなりますので、環境の変化がないか次のポイントを確認しながら債券投資を継続するかどうかを判断していきましょう

債券投資の魅力とポイント

そもそも債券とは「発行体」が借金をする見返りとして「利払い」を保障する有価証券で、ユーロクリアと呼ばれる世界共通の形態で発行されています。

金融機関を通じて購入や換金ができ、債券単体や債券型投資信託の形で投資することが可能です。

投資のポイントは発行体の保障が元となっているため、その「発行体の信用度」によって変わる「利払い(金利)の高さ」のバランスです。

発行体が国の場合は国債、一般企業であれば社債と呼ばれますが、信用度が低ければ年利10%を超える利払いを約束しなければ購入する人もおらず、米国国債であれば10年でも3%未満しかつきません。

また金利がこれから高くなるなら、一番高くなったところで発行される債権が高い金利となりますが、横ばいから下落局面に入った環境では、今ある債権が高い利回りとなるため投資が集中(人気化)します。

新興国投資の魅力とポイント

為替変動もなく、日本国内の債券投資が魅力的であれば、こんなに悩むこともありませんね。しかしマイナス金利の環境で、国内債券では利回りが出ずお勧めできません。

そこで世界的に金利上昇が止まるまたは抑えられる環境であることを理由に、高利回りの新興国債券が下落リスクを限定しつつ高い利回りリターンが期待できると、注目が集まっています。

新興国とは「BRICS」と呼ばれるブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)、南アフリカ(S)が代表ですが、メキシコやアジア各国を組み入れた投資信託も販売されています。

その新興国が発行体となる債権に対する利払い(金利)が何%あれば、皆さんは投資しますか?

現在、ブラジル国債であれば約6%の利払いが確保されています。

また信用度の低いトルコなら、約13%の利払いとなっています。

対象銘柄3選

対象銘柄3選

ではリスクとリターンを比べながら、初めての新興国債券投資をご紹介します。

ここでは新興国が発行する債券単体ではなく、投資信託の形で購入でき、為替相場の変動にも対応できる「為替ヘッジ有」の商品も対象にご説明します。

ETFで投資する

投資信託の中でも東証に上場し、日中の売買や指値もできるETF(上場投信)は1つです。

1566:上場インデックスファンド新興国債券

組入れた新興国は20か国以上に分散し、奇数月毎に年6%ほどの配当金が出ています。

ETFなので、債券価格や為替相場の急変があっても、東証が開いている時間帯に自由に売買ができること、信託報酬等の維持費が低いことがお勧めのポイントです。

リスクとリターンのバランスが良いですね。

ただし現地通貨建ての投資となるため、複数通貨と円の為替変動が価格に影響します

為替ヘッジ有の投資信託

これから円高が想定される中、為替変動を回避する「為替ヘッジ有」の仕組みを取り入れた投資信託があります。

SMT米ドル建新興国債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)

こちらは10か国以上の新興国に分散し、かつ現地通貨建てにせず米ドル建ての国債に投資。

かつ為替ヘッジがついているので、債券利回りのみに着目できるのは、初心者には心強いポイントですね。

現在約5%の利回りですが配当金は出さず、再投資する経済効果もあります。

なおiFree新興国債券インデックスという信託報酬が最小の投信がありますが、為替ヘッジコースはないので、時価総額も大きいこの投資信託をお勧めします。

リスクを取り単一新興国に投資する

メインの投資ではなく、リスクを取ってもリターンを狙いたいなら、トルコ国債への投資があります。

政治、経済ともに安定とは言えない状況であるトルコですが、昨年から景気の底打ちが見えてきました。円に対する為替相場も底打ちが見えてきたので、新興国債券投資の魅力である10%を超えるリターンを狙うなら一考です。

トルコ債券オープン

年配当約9%に加え、為替ヘッジ有無を選択できます。リスクとリターンは相対するものなので、価格変動の大きさが理解できる方のみお勧めです。

債券は利払い(金利)が安定していることが最大の魅力ですし、新興国の信用度が大きく崩れることは頻繁には起きないので、今年以降の環境ではお勧めの投資クラスです。

興味を持って、金融機関の担当者から説明を聞いてみてはいかがですか?(執筆者:中野 徹)

《中野 徹》
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中野 徹

中野 徹

1970年生まれ。大学卒業後、銀行・証券・保険と金融3業態全てにおいて勤務経験を持ち、実務経験を踏まえた客観的なアドバイスに強みを持つ。お金にまつわる専門知識を分かりやすく、販売側の都合を排除したポイントを解説していきます。趣味は料理とアメリカンフットボール観戦。 <保有資格>プライベートバンカー(シニア) 寄稿者にメッセージを送る

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