仏壇とは、本尊(宗派が信仰する仏さま)や位牌(先祖そのものと考えられる木の板札)を祀る壇のことです。
仏壇にも宗派別や住宅事情に合わせたものなど、さまざまなものがあります。
この記事では、仏壇の種類や祀り方、そして仏壇の値段について詳しくご説明いたします。
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目次
仏壇は、お寺を自宅用に小さくしたもの
そもそも仏壇とは、お寺の本堂を自宅用に小さくしたものだということを頭に入れておきましょう。
たとえば、浄土真宗では金仏壇が用いられています。
これは、真宗寺院の本堂が金色に荘厳されているもののミニチュア版です。
ではなぜ金色に荘厳するのかというと、浄土真宗でとても大切なお経である「阿弥陀経」や「浄土三部経」の中で、極楽浄土は絢爛豪華な世界が広がっていると書かれているからです。
つまり、宗派の教義を目に見える形にしたのが寺院の本堂であり、それを自宅用に小さくしたものが仏壇です。
以下、仏壇の種類とそれぞれの相場をまとめました。
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1. 金仏壇(塗り仏壇):100万円~200万円
金仏壇は、白木に漆を塗って、金箔や金粉を施した仏壇のことです。
漆塗りと金箔が特徴であることから、塗り仏壇とも呼ばれます。
主に浄土真宗の仏壇として用いられていますが、中には浄土宗や日蓮宗などでも金仏壇を用います。
金仏壇は、浄土真宗が盛んな地域の伝統工芸として発展した経緯があります。
有名な地域は、金沢、名古屋、京都、大阪、姫路、広島、川辺などです。
木地師、彫刻、漆塗り、金箔押し、飾り金具、蒔絵など、さまざまな職人の技術を集結してでき上がるため費用も高めです。
海外製品の安価で小さいものであれば50万円前後からありますが、相場は100万円~200万円くらいでしょう。
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2. 唐木仏壇:50万円~100万円
唐木仏壇とは、紫檀や黒檀などの銘木を素材にした仏壇です。
金仏壇のように白木の上から漆や金箔を施すのではなく、木目の美しさをそのまま活かすのが特徴です。
唐木仏壇の有名な産地には、徳島や静岡などがあります。
主に浄土真宗以外の宗派で用いられています。
費用相場は50万円~100万円くらいでしょう。

3. 家具調仏壇:50万円前後
リビングなどの洋間に合う現代的な仏壇のことです。
「現代仏壇」や「モダン仏壇」などとも呼ばれています。
ウォールナットやタモなど、家具や調度品で好んで用いられる木材がよく使用されるのが特徴です。
その他、漆塗りや、ガラスを使用したもの、金属製など、さまざまな素材が用いられています。
デザイン性や機能性にも富み、珍しいものでは、壁に掛けるタイプのもの、コロが付いた可動式のもの、アシンメトリーなものなどがあります。
決められた様式がないために、費用は実にさまざまですが50万円前後が相場でしょう。
仏壇は宗派や住宅、金銭事情にあわせて選んでください。(執筆者:五十嵐 信博)