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死亡した親の銀行口座が凍結されるタイミング 死亡後の口座名義手続きについて詳しく説明

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死亡した親の銀行口座が凍結されるタイミング 死亡後の口座名義手続きについて詳しく説明

死亡した親の銀行口座が凍結されるタイミング

死亡した親の口座凍結

「親が亡くなると親名義の銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫等の口座が凍結されそれ以降、お金の引出や入金ができなくなる」はよく聞く話です。

それは本当ですが、問題はそれがいつ凍結されるかです。

そのタイミングは原則として親族が銀行などの窓口や電話で直接その旨の連絡をした時点です。

金融機関の対応としては、一般的に、その時点で連絡をした親族に死亡した本人との関係性を尋ね、その情報を本店の相続担当部署に伝達した後に口座が凍結されます。

したがって、死亡届を市区町村の役所に提出した時点で口座凍結されることは有りません

口座が凍結される理由

相続財産(死亡した日時点の残高)を確定させるため及び相続人が勝手に預貯金を引き出すことによる相続人間でのトラブルを防ぐためでもあります。

凍結された口座が解除されるのは、法定相続人や遺産分割協議成立に必要な書類が金融機関等に提出されそれらが確認された時点です。

相続法の改正により変わった点は?

亡くなった親の口座からお金を引き出す方法について、今年7月から相続法の改正によってなにが変わったでしょうか。

今年7月より相続法の改正によって、一金融機関当り150万円(法務省令で定める額)を上限に故人の口座からお金を引き出せるようになりました。

これは「預貯金の仮払い制度」と言われていますが、事前の手続きが必要です。

また口座が凍結されない限りにおいては、キャッシュカードと暗証番号が判れば預貯金の引出や記帳が可能です。

しかし、引き出す場合は亡くなった親が本来負担すべき入院費や葬儀費用等の支払いに限定すべきです。

相続発生の申し出のタイミング

相続人の数や口座決済される債権・債務の種類などそれぞれの事情が異なるので一概には言えませんが、次の理由から相続発生後2~3週間~2か月の間を目処にするのが良いでしょう。

理由1:親の死亡後においてもお金の支払いや受取りが未だ残っているため

例えば、口座振替となっている介護費用の未精算分、あるいはクレジットカードの決済代金、※介護保険料・健康保険料また口座に振込まれる公的年金や個人年金の未精算分などです。

これらの支払いや受取に関わるクレジット会社、保険会社、年金機構等の関係先に相続発生の連絡も行う必要があります。

※市区町村の役所が窓口となる介護保険や後期高齢者医療制度については、死亡届が受理されたタイミングで精算手続きが行われます。

しかし喪失届(相続人の住所・氏名・金融機関の口座番号等を含む)と被相続人の保険証の返却は必要です。

理由2:名義変更の手続きに必要な亡くなった親の戸籍謄本(出生まで遡った戸籍)の取得に時間を要する場合があるため

したがって、それらの書類が入手できるタイミングは相続発生から約2~3週間です。

申し出後に必要な手続き(書類)

金融機関へ必要な書類を用意する

1. 名義変更(金融機関共通)

名義変更は、亡くなった親名義の口座番号と預貯金残高等を共に引き継ぐ訳ではありません

親名義の口座番号はその時点で抹消され、預貯金残高だけが相続人に引き継がれます

したがって、相続人がその金融機関に口座を持っていない場合は、新たに口座を開設する必要があります。

ゆうちょ銀行は口座開設しない選択も可能です。

その場合は払戻証書(他の金融機関では使えない)が発行され、それを郵便局で現金化する方法があります。

それが多額の場合は持ち運びにリスクが伴いますので安全面を考え口座を開設しておいた方が無難でしょう。

2. 各金融機関の相続手続きに必要な書類

金融機関に提出する書類や手続きなどについては、各金融機関でその書式や手順が異なります。

ここでは銀行とゆうちょ銀行において用意すべき主な書類について説明します。

また実際に書類を提出される場合は事前の確認が必要です。

1. 銀行

(1) 相続届

死亡した親の氏名・住所、死亡日、※取引店名、※口座番号(預金・債券・投資信託等)各相続人の氏名・住所、署名・押印(実印)、各相続人の取引店名と口座番号など

※故人の取引店名や口座番号が判らない場合は追跡調査をしてくれます。

(2) 改製原戸籍謄本

故人の出生まで遡った戸籍で、転籍があれば、転籍地の市区町村の役所から入手する必要があります。

この戸籍は相続人を証明するための資料となります。

(3) 除籍謄本

(4) 住民票の除票

(3) と(4) は謄本と住民票から名前が削除されたこを証明するための資料で最終本籍地の市区町村の役所で入手できます

(5) 各相続人の戸籍謄本

(6) 相続関係説明図(任意提出)

これは被相続人と相続人の関係を明確にする図で相続人が作成します。この図は銀行での照合作

業の円滑化が図れることから提出をお勧めします

法定相続情報一覧図(任意提出)を活用する方法もあります。

これは法務局に事前に申請して認証を受ける書類です。

法定相続情報一覧図(任意提出)を活用する

たとえば

・ 提出先や相続人が多い

・ 複雑な相続関係である場合

などが考えられます。

法務局への申請は一般的に(2) ~(5)の書類等を提出して交付を受けます。

この書類の提出については、銀行によって対応が異なりますので事前の確認が必要です。

(7) 各相続人の印鑑証明書(発行後6か月以内)

(8) 故人の預金通帳、キャッシュカード、貸金庫などの鍵(ある場合のみ)

(9) その他

遺産協議分割の場合… 遺産分割協議書

遺言による場合は… 遺言書原本

が、家庭裁判所が発行する書類等が必要になりますが、詳細については銀行に問い合せをしてください。

2. ゆうちょ銀行

貯金等相続手続請求書

≪画像元:ゆうちょ銀行(pdf)≫

(1) 貯金等相続手続請求書(相続確認表含む)

(2) 被相続人の戸籍謄本・除籍謄本等や相続人の戸籍謄本または法定相続情報一覧図のいずれかを提出。

ただし、銀行の(2) ~(5) の項目に該当する書類を提出しても問題ありません。

(3) 代表相続人の印鑑証明書(発行後6か月以内)

(4) 故人の貯金通帳、キャッシュカード等など(ある場合のみ)

相続発生による口座閉鎖の手続きは、ここに挙げた銀行やゆうちょ銀行だけでなく、故人が生前加入や取引していた証券会社・保険会社・年金機構・共済組合などに対しても必要です。

・ 親の死亡事実を証明する除籍謄本や住民票の除票

・ および被相続人本人と相続人の関係を証明する改製原戸籍謄本

・ 相続人本人を証明する戸籍謄本等

は、基本的に必要な書類なので事前にそろえておくことが大事です。(執筆者:小林 仁志)

《小林 仁志》
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小林 仁志

執筆者:CFP、1級FP技能士 小林 仁志 小林 仁志

オフィスアセットポート 代表 山梨県生まれ。電器メーカーに入社後本社および米国・シンガポール・マレーシア等の事業所に勤務。在職中は財務経理を中心に総務人事・経営戦略・内部監査等の職種を経験したほか、同社の子会社監査役を務め2011年退任、2012年4月より独立系FPとして事業活動を開始。専門分野においては、特に団塊世代の年金・医療保険・税金等のリタイアメントプランや旅行とお金のプラン、住宅ローンや保険の見直し、株式・投資信託等の資産運用など。 <保有資格>:CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、総合旅行業務取扱管理者、登録ロングステイアドバイザー(ロングステイ財団)、他 寄稿者にメッセージを送る

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