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【マイナンバー】「通知カード」の廃止と無駄な3年間… 事実上カード強制所持で、混乱は不可避

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【マイナンバー】「通知カード」の廃止と無駄な3年間… 事実上カード強制所持で、混乱は不可避

通知カードの廃止

マイナンバーカード

≪画像元:マイナンバーカード 総合サイト

通知カードが廃止されます。

通知カードとは、付番されたマイナンバーを国民ひとりひとりに知らせるために郵送された紙のカードのことです。

デジタルファースト法成立後は、1年以内に通知カードの再発行や更新はされなくなります。

廃止の理由は、マイナンバーカードが政府の思惑どおりに普及していないからです。

マイナンバー制度が導入されたのが、平成27年10月。

マイナンバーカードの交付が開始されたのは、平成28年1月からです。

3年以上経過して、マイナンバーカードの普及率は国民の1割強にとどまっています。

通知カードが廃止により、国民全員によるマイナンバーカード所持が強制されることになりました。

政府の思惑ハズレ

私の場合、送付されてきた通知カードを見た瞬間、すぐにマイナンバーカードを申請しました。

というのも、通知カードは単なる紙切れにすぎず、明らかにマイナンバーカードへの移行を前提としていることを感じたからです。

知人や親戚、関係者などにも、早期のマイナンバーカード取得をススメてきました。

政府としては、国民の多くが強制されなくてもマイナンバーカードを申し込むものと考えでいたようです。

当初から、国民全員分のマイナンバーカード発行費用である約500億円を予算計上していました。

ところが、単なる紙にすぎない通知カードで不便を感じない国民が大多数で、マイナンバーカードへの移行は一向に進まなかったというわけです。

マイナンバーカード普及策

マイナンバーカード普及策

マイナンバーカードを普及させたい政府が次に考えたのは、マイナンバーカードを持っていなければ、極端に不利益となるような施策です。

まず、マイナンバーカードを通じたポイント還元セールです。

消費税の増税後の緩和措置として、まず、キャッシュレス決済によるポイント還元が行われ、続いてマイナンバーカードによるポイント還元が行われます。

マイナンバーを持っていない人が損することは明らかです。

次に、2021年3月からマイナンバーカードを保険証として使えるようにすることを公表しました。

一体、何だったのか? ムダな3年間

そして最後に、通知カードの廃止によるマイナンバーカードの強制所持となったわけです。

この間の3年間は、一体、何だったのでしょうか?

当初から、国民全員にマイナンバーカードを持たせることを強制しておけば良かったのです。

誰に、何の遠慮があったのか、強制することはしてきませんでした。

ポイント還元を始めとするマイナンバーカード普及策は、国費のムダ使い以外のナニモノでもありません。

結果として、新たな混乱も発生することになってしまいました。

国民の9割は、これからマイナンバーカードを申し込まざるをえなくなったわけです。

関係官庁で事務処理をする現場には、膨大な申込みが殺到してしまうことになります。

マイナンバーカードの場合、暗証番号の登録作業は住所がある役所で行われます。

通知カードとは比較にならないほど、手間と時間がかかります。

場合によっては、半日、あるいは、まる1日をマイナンバーカードの取得のためだけに浪費する事態となるかもしれません。

2019年5月5日追記

本文中に「強制所持」という表現があります。これはあくまでも「事実上」と、ご理解下さい。法的に正式に、強制所持が決定したわけではありません。

マイナンバー法の正式法律名である、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の第三章個人番号カードの第十七条に、「市町村長は、政令で定めるところにより、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されている者に対し、その者の申請により、その者に係る個人番号カードを交付するものとする。」とあります。

現状、マイナンバーカードは法的には「申請」しない限り交付されることはありません。

しかし、通知カードが廃止され(これは正式に決定、ただし、正式時期は未定。)、健康保険証の機能をそなえるとなれば、「事実上、持たざるをえない状況になりました」といった意味合いでご理解いただけると幸いです。

こと法律にかかわる記述にもかかわらず、あいまいな表現で読者に誤解をさせましたこと深くお詫び申し上げます。(執筆者:金子 幸嗣)

《金子 幸嗣》
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金子 幸嗣

金子 幸嗣

社会保険労務士、年金マスターです。公的年金を中心に、社会保障や高齢者家計の今後の動向について情報発信しています。マスコミ発のものを含めた世間に広がっている年金情報は、間違っている情報が多いので、ここではホントのことをお話することで差別化していければと思っています。 寄稿者にメッセージを送る

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