所得税を納める人が支払った生命保険料は、所得控除の対象です。
しかし、条件を満たせば、妻の保険料も所得控除の対象にできます。
特別な手続きは必要ありません。
所得を正しく申告するだけで、所得税が還付されます。

目次
夫以外の保険料も夫の所得税の控除対象となる
所得控除は、社会保険料や生命保険料など申告する本人(夫)が支払っている税金等が対象です。
原則は本人の名義が対象ですが、扶養親族名義の保険料を支払っている場合にも所得控除の対象です。
・社会保険料
・生命保険料
・地震保険料
夫が保険料の支払いをしていないと所得控除の対象にはならない
夫が家族の保険料を支払っていない場合には、所得控除の対象にはなりません。
夫の所得控除の対象にするためには、3つの条件があります。
1. 保険料等の支払いは夫(扶養者)がしている
2. 保険料等の名義が家族名義
3. 家族が夫の被扶養者
税務署が一番チェックするのは、「誰が保険料を支払っているのか」です。
妻名義の生命保険も、夫の口座から引き落としていれば、夫が保険料を負担しています。
一方、専業主婦で収入がなくても、妻名義の口座から引き落としになっている保険料は妻が保険料を支払っているので、夫の所得控除の対象にはなりません。
妻以外でも、子どもの保険料を夫が負担している場合には、夫の所得控除の対象です。

所得控除の手続きは会社の年末調整で完了
サラリーマンであれば、保険料の所得控除は年末調整のみで完了します。
年末調整の書類としては、会社に保険料の控除証明書などを提出するだけです。
年末調整で終われば、妻の生命保険料を夫の所得控除にする場合でも税務署での手続きは必要ありません。
書類の提出が会社の年末調整に間に合わなかった場合のみ、税務署に確定申告書を提出をします。
申告書の提出場所は、お住まいの市区町村を管轄する税務署です。
国税庁ホームページから、ご確認してください。
確定申告書は最大5年前までさかのぼって申告可能
通常の確定申告の期間は、対象年分の翌年2月16日から3月15日までです。
確定申告期間を過ぎた場合であっても、申告書の提出はできます。
所得税の還付申告をする場合、最大5年前の年分までは申告可能です。
確定申告期間:平成31年(2019年)2月16日から3月15日
還付申告最終期限:令和4年(2023年)12月31日

誰の口座からか確認を
家族の保険料は、夫が負担しているケースは多いです。
確認するだけならタダですので、誰の口座から引き落とされているか、一度お確かめください。(執筆者:平井 拓)