【年金制度】「100年安心」の隠された真実。今後、高齢者となる世代(昭和36年生まれ以降)に「安心」はない。

年金制度を表現する場合に「100年安心」という言葉が使われるのを聞いたことがあるかもしれません。

平成16年、現在につながる大規模な年金制度の改革が行われました。

「100年安心」というのは、その時に使われたスローガンです。

当時も自民党と公明党の連立政権でした。

「100年安心」というコトバ自体は、公明党が発案したものと言われています。

こういった経緯を踏まえて、直近の金融庁発「年金2,000万円不足問題」のような年金絡みの問題が話題となるたびに、

「100年安心と言ったじゃないか!」

といったツッコミが野党やマスコミから出てくるわけです。

年金制度、「100年安心」の隠された真実

大規模な年金制度改革とは?

平成16年に行われた年金制度改革で決められたことには、まず「負担の増加」がありました。

年金保険料が継続的に引き上げられることになりました。

以後、10年以上にわたり毎年保険料がアップすることとなり、同期間の賃金の伸び悩みと重なって、多くのサラリーマンの手取り収入が減ったのは記憶に新しいところです。

負担増の方は、確実に実行されました。

また「年金の給付抑制」も決められました。

給付抑制のための具体的な手段として導入されたのが「マクロ経済スライド」です。

こちらに関しては平成16年以来、実行されたのは本年度も合わせて2回だけです。

理由は、マクロ経済スライド実施の前提をインフレ経済としていたからで、この期間のデフレ経済進行下ではプランどおりとはなりませんでした。

結果、給付抑制策(わかりやすく言えば、年金カット)の方は、平成16年の状態が、ほぼ手付かずのままといった状況となっています。

この間、年金受給者には想定以上の「もらい過ぎ状態」が続いています。

大規模な年金制度改革

100年間、安心していられるのは誰か?

負担を増やし、給付を抑制

積立金も少しずつ切り崩しながら、100年間制度を継続させるというのが、平成16年時点での年金制度改革のプランでした。

また、年金保険料として集金出来る以上の年金給付は実施しないことも決められています。

ということであれば、

100年安心」なのは年金受給者または被保険者ではなく、年金制度の運営主体である政府に他ならない

ということになります。

今後、高齢者となる世代に「安心」はない

今後、高齢者となる世代に「安心」はない

大変なのは、今後、高齢者となる人たちです。

特に、昭和36年生まれ以降

60歳代前半で、原則的に1円の年金ももらえません

また、マクロ経済スライドの過去、実行されなかったシワヨセ分は制度改正の上、今後の世代が引き受けることになっています。

今後、高齢者となる世代は、前の世代とは異なる人生観、老後観を持つ必要があります。

さもないと、年金制度は続くものの、ハタンするのは個人の老後の生活の方となってしまいます。(執筆者:金子 幸嗣)

この記事を書いた人

金子 幸嗣 金子 幸嗣(かねこ こうじ)»筆者の記事一覧 (50)

社会保険労務士、年金マスターです。公的年金を中心に、社会保障や高齢者家計の今後の動向について情報発信しています。マスコミ発のものを含めた世間に広がっている年金情報は、間違っている情報が多いので、ここではホントのことをお話することで差別化していければと思っています。
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