この世界のお金の仕組みをザックリと大きく分けると次の3つの仕組みに大別できます。

1. プラスサムゲーム(全体のお金が増えていく:投資)

2. マイナスサムゲーム(全体のお金が減っていく:競馬・パチンコ・宝くじ)

3. ゼロサムゲーム(全体のお金が増減しない:投機)

その中でも今回は、ゼロサムゲームというお金の仕組みについて解説します。

思考実験 ~サザエさんとのジャンケン~

3人でジャンケン

アニメのサザエさんのラストでサザエさんと視聴者の方がジャンケンをするコーナーがあります。

仮の話ですが、あれを使って博打をします。

毎週、視聴者はジャンケンをするたびに1,000円を賭けるとします。

・ 買ったら負けた人のお金がもらえる
・ 負けたらお金はなくなる
・ あいこならお金は戻ってくる

このジャンケンの賭けに、仮に30万人の人が参加し、全体でのお金は3億円です。

これには読者のあなたも筆者も参加しているとします。

ちなみにここで読者のあなたは「グー・チョキ・パー」のどれを出すか決めておいてください。

決めたら続きをお読み下さい。

いよいよサザエさんとジャンケンです!

「ジャンケン、ポン! うふふふふふ」

今週のサザエさんはチョキを出しました、とします。

勝ちましたか?

負けましたか?

あいこですか?

賭けた1,000円は増えましたか?

仮に読者のあなたが勝った場合、それはあなたが素晴らしい人…だからではありません。

たまたまの偶然です。

また、あなたが負けたとしても、それはあなたがダメな人、ということでもありません。

これもたまたまの偶然です。

このように、ジャンケンでは結果がでたらめです。

でたらめな結果になる現象を英語にすると、ランダム・ウォーカーと言います。

赤い糸は偶然

金融商品の値動きも、ランダム・ウォーカー

ランダム・ウォーカー(でたらめ)とは、しばしば金融の世界で出てくる言葉です。

意味合いとしては、株価や為替・仮想通貨・金などの値動きはでたらめに動く性質がある、というものです。

金融商品の値動きはどこまで行ってもでたらめです。

しばしば法則性があるような気がしますが、それは人の脳が作り出した勘違いです。

現代のようなスーパーコンピューターの発達した世界で検証をすると、値動きには法則性がなくランダム・ウォーカー(でたらめ)であることが分かります

例えば、先ほどのサザエさんとのジャンケンであなたが3週連続でグー・グー・チョキで勝ったとしても、それは「グー・グー・チョキ」の法則にはならないのです。

たまたまそうなっただけです。

ゼロサムゲームでは参加者全体のお金の総和は増えていない

そして、ここが肝心なところですが、30万人が参加したジャンケン大会では総額3億円でした。

さて、読者のあなたへ質問です。

3億円のお金は増えたでしょうか、減ったでしょうか?

正解は、そう、「増えてもいないし、減ってもいない」です。

3億円を運の良し悪しで再分配しただけですので、全体の総和が変化していません。

これがゼロサムゲームです。

あらためてゼロサムゲームの特徴をまとめましょう。

・ 勝ち負けは運次第
・ 法則性はない
・ 全体の総和が増減しない
・ これを投機的という

筆者はゼロサムゲーム、つまり投機的な行為は合理的な資産形成にはならないと考えています。

お金の量をはかる

ゼロサムゲームとは「投機的」、ということ

筆者の考える、代表的なゼロサムゲームは次のような内容です。

・ 個別株式の頻繁な売買(上がるか下がるかはランダム・ウォーカー)
・ 投資信託の数年間での売買(上がるか下がるかはランダム・ウォーカー)
・ FX(円安か円高かはランダム・ウォーカー)
・ 外貨建ての保険や貯金(円安か円高かはランダム・ウォーカー)

個別の株式にせよ、投資信託にせよ、長期分散積み立て投資に徹しなければ投機になってしまいます。

資産形成には、長期分散積み立て投資が最も合理的

筆者は合理的な資産形成の方法は、多くの場合、iDeCo(イデコ)とつみたてNISA(ニーサ)を使うことにある、と考えています。

いずれも長期分散積み立て投資に徹することを前提としているからです。

投機と投資は非常によく間違われます。

また、同一の金融商品を買っても、投機になったり投資になったりします。

投資とは全体の総和が増えていくプラスサムゲームです。

本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。(執筆者:佐々木 裕平)