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「産業天気図」から読み解く2019年後半の投資スタンス 期待できる3業種のおすすめ銘柄もご紹介

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「産業天気図」から読み解く2019年後半の投資スタンス 期待できる3業種のおすすめ銘柄もご紹介

先日行われたG20での米中会議において、貿易摩擦は最悪な結果を回避したものの、抜本的な解決には至らず景気停滞期が続きそうな様相です。

国内に目を転じれば、7月の参院選挙から10月の消費増税に向けて厳しい景気環境が待っています。

株式投資では一歩先を読んで投資することが必須ですが、方向性が出ない景気停滞期には一歩と言わず半歩ずつ着実に進むことが必要な投資スタンスとなります。

その意味では1年後ではなく3か月先を予測する経済指標を目安にすることが、一つの解決策。

ここでは日本経済新聞社が7/1に発表した産業天気図を解説、そこから見える年後半の投資スタンスをご紹介します。

「産業天気図」とは景気を予測、判断するツール

四季がある日本では、毎日のように天気が話題になりますよね。

景気予測も、「晴れ」や「小雨」のように生活実感に近い形式で予報があれば分かりやすいでしょう。

そんな産業天気図を、日本経済新聞社が3か月毎に発表しています。

まずは算出方法を理解し、株式投資への活用方法をご紹介します。

産業天気図の算出方法

四半期ごとに日本経済新聞社の記者が担当業界(30業種)の景況を、天候(晴れや曇り、雨など)の天気のかたちで予測、判断する「産業景気予測特集の業界天気図」を数値化したものが「日経産業天気インデックス(以下、産業天気図)」です。

国が発表する統計データよりも記者が予測していること、また天気図の形式で分かりやすく、実態に近いデータとして知られています。

記者が予測した各業種の「晴れ」、「薄日」、「曇り」、「小雨」、「雨」の天気予報値に100点からマイナス100点まで50点刻みの点数を付け、単純平均をとって算出します。

そして各四半期(原則として1、4、7、10月の初め)に当該期の確報値と翌期の予測値を発表します。

注目されるのは、翌期の予測値です。今回の発表ではこの予測値10.0(全産業平均)が4四半期連続、つまり1年間連続して下落したことがポイントなのです。

この予測値10.0は2年半ぶりの低水準であり、海外・国内ともに不透明感が増している状況を裏付けるデータとなっています。

産業天気図の過去推移

直近15年の産業天気図の推移をまとめてみました。

2006-2007(ITバブル崩壊からの景気回復期)
⇒インデックス40超が続き、東証は小泉景気で沸く

2008-2012(リーマンショック、東日本大震災を伴う不況期)
⇒インデックス0以下が続き、2019/1には-43.3まで低下

2013-現在(アベノミクスからの景気回復期)
⇒2013年から始まったアベノミクスに乗り、インデックス平均19.7と安定した景気回復

消費増税を控えた駆け込み需要が期待できる直近の1年間でさえ、全産業平均が低下するぐらい下向き予測が続いています

このことから、国内需要だけでは回復力が足りず、やはり米中貿易摩擦に影響されている海外輸出が盛り上がらないと上向きにはならないのかもしれません。

産業天気図の活用方法

これから株式投資を始めるにあたって、すでに「晴れ」となっている業種と「雨」となっている業種は避けたいと思います。

「晴れ」はすでに株価が上昇しており、「雨」については一つ上の「小雨」に予測が上がる段階までは、避けておく方が良いでしょう。

そして「薄日」「曇り」「小雨」の中から選択するのですが、産業天気図は製造業と非製造業の指数も発表されています。

4~6月確報値を見ると製造業では3.6、非製造業では15.6、全産業で10.0となっています。

しかも上場企業製造業は、2020年度の決算見込みで減益予想も出しています。

よって製造業は避けて非製造業から選ぶ、10月の消費増税を踏まえ小売りは避けるなど、業種を選別することがポイントです。

では具体的にどのような銘柄が投資対象となるのでしょうか。

株価変動のグラフ

2019年後半の投資スタンス

これまでのスクリーニングから、次の3業種を選びその中で銘柄をご紹介しましょう。

「薄日」:人材派遣
「曇り」:通信
「小雨」:医薬

なおその他の業種でご紹介したい銘柄は、10月の消費増税銘柄と東京オリンピック銘柄とも重なるので、こちらもご覧ください。



人材派遣業界

景気減速に伴い、人材派遣業界は「晴れ」から「薄日」に1ランク下がりました。

これまで絶好調の業界だったので通常の動きだと思いますが、人不足を解消するのに正社員を増やす動きは低下してきました。

そこで増えるのは、アルバイト募集です。

【4848】フルキャスト

アルバイト派遣に強く、ドライバー専用や高齢者専用のアルバイトサイトも開設しています。

最高益を連続達成しており2019.12期も増収増益を予想。コンセンサスは、更なる増収増益を期待します。

1~3月の経常利益達成率が23%と平均値25%を下回ったため、株価下落し押し目買いのチャンスです。

情報・通信業界

6月決算で、今期来期ともに増収増益が期待できるのがブレインパッドです。

8月上旬に決算発表するので、上方修正を期待してそれまでに仕込んでおきたいです。

【3655】ブレインパッド

データ分析のリーディングカンパニーです。

分析力とエンジニアリング力を併せ持ち、ビックデータ分析で特異な企業です。

時価総額440億円規模で値動きが大きく、大化け期待の銘柄です。

医薬業界

景気の波に左右されにくい医薬業界は、為替の影響も受けにくく内需株として期待が高い業界です。

【4578】大塚HD

大塚製薬はオロナミンCで有名です。

2019.12期は前々年の当期利益を越えるコンセンサス予想、配当利回り2.8%です。

前期の減収減益で株価低迷したが、内需株かつ高配当銘柄として注目株です。

適切なプロセスを踏んで「負けない投資」を実践

景気停滞期には、手堅く業績順調な銘柄を選ぶことが鉄則です。

日経平均225やTOPIXの指数運用では、年後半は勝てない可能性があります。

そこで平均株価を越えるリターンを目指すため、業種選別から個別銘柄選別に進むプロセスで「負けない投資」を実践しましょう。(執筆者:中野 徹)

《中野 徹》
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中野 徹

中野 徹

1970年生まれ。大学卒業後、銀行・証券・保険と金融3業態全てにおいて勤務経験を持ち、実務経験を踏まえた客観的なアドバイスに強みを持つ。お金にまつわる専門知識を分かりやすく、販売側の都合を排除したポイントを解説していきます。趣味は料理とアメリカンフットボール観戦。 <保有資格>プライベートバンカー(シニア) 寄稿者にメッセージを送る

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