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eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の実質コストが判明

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eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の実質コストが判明

2019年7月1日にeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の第1期運用報告書が発行されました。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)第1期運用報告書

≪画像元:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)第1期運用報告書(pdf)

投資歴の長い人は、新しい投資信託はどれほど信託報酬が安くとも、初年度は様子をみて実質コストが分かってから投資をします。

信託報酬以外にもかかる費用があるからです。

今回の運用報告書により実質コストが分かるようになりました。

1分ほどで読める内容ですし、現在保有している人も、検討をしていた人も知っておいた方が良い内容です。

少しマニアックな投資の話になりますが、ご参考になれば幸いです。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の実質コスト

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の実質コスト

結論から書きますと、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の実質コストは年間0.25%です。

目論見書を見ると、信託報酬は年率0.15336%とありますので、実質コストの方が高くなっているのが分かります

参考URL:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)目論見書 9ページに記載

なぜ、このように当初よりコストが上がるのでしょうか。

信託報酬と実質コストに差があるのは、いわゆる隠れコストと呼ばれるものが原因です。
その内容を確認していきましょう。


≪画像元:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)第1期運用報告書(pdf)

確認して頂きたいポイントは以下の4つです。

1. 実際の運用期間
2. 信託報酬
3. 売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用
4. 合計

順番に説明をします。

1番目: 実際の運用期間(右上赤枠部分)

期間が2018年10月31日~2019年4月25日になっています。

これは設定日が2018年10月31日だからですね。

ですので、第1期の運用期間177日を1年(365日)に変換する必要があります。

2番目: 信託報酬(2段目の赤枠)

ここが実質的な信託報酬です。

0.072%と目論見書より低いのは、運用期間が177日と短いから。

1年間の信託報酬で、期間中の信託報酬を割って、比率を調べる必要があります。

0.15336%÷0.072%=2.13という数字が出ます。

1年に計算しなおすための係数ですね。使い方は後述します。

3番目: 売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用(3段目の青枠)

ここがいわゆる隠れコストと呼ばれるものです。

実際に運用をしてみないと分からない部分でもあります。

また、投資信託によっては思ったより隠れコストがかかっていた、という事もあります。

ですから初回の運用報告書が大切、という事になるのですね。

運用元の三菱MUFJ国際投信は、この部分のコストは低く抑えてくる傾向にありますが、実際にみて安心しました。

かかった隠れコストを見てみると、合計(0.047%)ですので上記で係数2.13をかけて1年に計算をし直します。

(0.007%+0.021%+0.019%)×2.13=0.10011%と出ました。

年率の信託報酬0.15336+隠れコスト0.10011%=0.25347%と計算ができます。

4番目: 合計(4段目の緑枠)

期間中にかかった実質コストと呼ばれるものです。

1年間では無いのがすが、純資産も伸びており第2期も安定した実質コストが期待できそうです。

また、簡易に計算したい場合は下記の手順でも同じ数字になります。

期間中の実質コスト0.119%に係数2.13を掛けても、0.25347%となります。

これが一年を通した場合の実質コストとなります。

簡単にまとめると下記のようになります。


実質コストというと少し複雑ですが、信託報酬だけで飛びついてはいけない、という参考になればと思います。

全世界株式は、投資をしていくうえで、コア資産に考える最高の一手です。

中身をしっかりと把握しながら運用をしていきたいですね。

ベンチマークとの差異は配当金が理由

第1期運用報告書を見ていると、ベンチマーク(MSCI ACWI)と2.4%ほど差異があります。

こちらも合わせて紹介しておきましょう。

理由は非常に簡単で、ベンチマークは配当を含まない指数だから。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は分配金を出していません。

保有銘柄から入ってくる配当金との差が大きな要因です。

ですから、ベンチマークを上回っているからと言って投資信託の成績が好調と皮算用しないようにしたいですね。

インデックス投資は、指数に連動させるように設計しています。

大きく儲かったり、損をしたりすることは指数に連動をしていないので良い投資信託とはいえません。

その点、今回の運用報告書を見た限りではeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はベンチマークとの差異も少なく、実質コストも優れた商品といえます。

参考ですが、海外ETF(上場投資信託)に同じベンチマークの商品があります。

ACWIという商品ですが、そちらの経費率(投資信託でいう信託報酬に近いもの)は0.31%です。

参考URL:ブラックロック-iシェアーズ MSCI ACWI ETF

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は保有者もこれから投資をする人も安心できる

eMAXIS Slimシリーズは他社の同様商品がコストを下げた場合、迅速に同じコストに下げます。

今回の運用報告書では隠れコストを含めた数字も安定している事が分かりました。

今後も世界の人口は伸び、技術は進歩していくでしょう。

全世界株式の時価総額に連動するので、その恩恵を受けることが出来ます。

そう考えると、筆者としては初心者やベテランに限らず一番おすすめの投資信託と思っております。

本記事が長期投資のヒントになると幸いです。(執筆者:松崎 正義)

《松崎 正義》
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松崎 正義

松崎 正義

就職氷河期世代の年収300万円サラリーマン。コツコツとインデックス運用を中心に15年以上投資をしています。 寄稿者にメッセージを送る

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