「保険のおばちゃん」が強引な勧誘をする裏事情 「死亡保障を売らないと成績にならない」

以前は、生命保険と言えば、いわゆる「保険のおばちゃん」から説明を受けて加入するものでした。

いつからか、通信販売型の保険ができて、今では自分から相談に向かう来店型窓口店舗での加入も増えました。

保険が必要だと思っていても、保険のおばちゃんに会うのは嫌だと思っている人は多いと思います。

なぜなら、

「保険のおばちゃんが売り込んでくる保障と、自分がほしい保障が違うから」

「自分に必要なものを、自分で選びたい」

からではないでしょうか?

なぜ保険のおばちゃんが、あれほど高い保険ばかり進めてくるのか、裏事情をお話します

保険販売を行うには、資格が必要

生命保険の販売を行うには、「生命保険募集人」の一般課程試験に合格しなければなりません。

中には、専門課程・応用課程・大学課程と勉強を続けている人、別途ファイナンシャルプランニング技能資格を取得している人も少なくありません。

つまり、ちゃんと勉強をした保険のプロなのです

本来は、ひとりひとりの生活設計を踏まえて必要な保障を考える知識と技量を持っています。

「こんな高額保障なんていらない」ということも、本当はわかっています。

それなのに、なぜいらない(と思える)保険ばかり勧めてくるのでしょう?

それは、保険会社の点数制度に縛られているからです

保険商品ごとに、点数が決まっている

保険商品は、ざっくり分けて2種類あります。

「点数の高い保険」と「点数の低い保険」です。

別の言い方をすれば、

「成績になる保険商品」と「ならない保険商品」です。

保険会社によって、成績のつけ方は違いますが、点数の高い保険を売れば売るだけ成績が良くなることに、変わりはありません

点数の基準は、Sと呼ばれる数字です。

S高そのものを目標値に設定している会社もあれば、S高に応じた配点の合計点数を目標値としている会社もあります。

では、Sとは何を指すのでしょうか?

「成績になる保険商品」と「ならない保険商品」

Sとは Sum insured「死亡保険金額」のこと

例えば、とある1か月の売上です。

Aさん

・死亡保険金4,000万円+入院給付金日額3,000円の医療保険 × 1件

Bさん

・死亡保険金200万円+入院給付金日額5,000円の医療保険 × 3件

・個人年金保険×4件

(単純化のためその他特約は省略)

この場合、成績としてはAさんの圧勝です。

新人であれば、この月のノルマは達成できたことでしょう。

朝礼で成果報告されて、同僚たちから拍手をもらえたはずです。

ですが、お客様がほしい保険はどちらでしょう?

「死亡時よりも生きるための治療費を充実させたい」

「老後の資金を準備したい」

その要望は、聞こえています。

もちろん、お客様の気づいていないリスクを指摘して、そこへの備えを提案するのはライフコンサルタントとしてあるべき姿です。

ですが、それ以上に、「死亡保障を売らないと成績にならない」のです。

成績不振は、給料額に直結しています。

だから保険のおばちゃんは、もしもの不安を煽って少しでも死亡保障を高くしようと喋り続けるのです

保険のおばちゃんて

点数が高い保険は、保険会社が売りたい保険

保険会社の本懐は、「本当に困ったときの備え」です。

本当に困ったときというのは、生活費を担っている人の死亡・介護状態だと考えています。

だから、そういった保険の点数を高く設定しているのだと、保険会社は説明しています。

何度でも支払う可能性が高い医療保険や、増やして返す養老保険や個人年金などの貯蓄型保険は、売っても利益にならないというのもひとつの見解です。

会社によっては、介護保障や大きな病気の保障に高い点数をつけて、必要性の高い備えを勧めやすくする工夫をしているところもあります。

それでも、やっぱりいちばん成績に反映されるのはS高です。

もし、目先のS高よりも、お客様のリクエストを優先したプランニングをしてくれる保険募集人と出会えたら、本気で相談してみてください

あなたに必要な保障を、きちんと提案してくれるはずです。(執筆者:仲村 希)

この記事を書いた人

仲村 希 仲村 希(なかむら のぞみ)»筆者の記事一覧 (14)

国内大手保険会社にて生命保険募集人と損害保険代理店を兼務、外資大手生命保険会社では顧客相談室クレーム対応係に着任。たくさんのお客様のお話をうかがって、保険に対する誤解が根深いことを痛感しました。退職後は「保険ってわからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険記事の執筆を開始。ファイナンシャルプランニング2級技能士。
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