会社員の方は、年末調整のときや源泉徴収票を見たときに

「これって一体どの金額を指しているんだろう?」

と疑問に思うことはありませんか?

この記事では分かりにくい「所得控除」「税額控除」「税還付」などの用語の意味と、自分の収入や税金の仕組みを簡単に把握できるように説明します。

分かりにくい「所得控除」「税額控除」「税還付」を簡単解説

所得控除とは「税金の金額計算の前」に所得から差し引かれる金額

所得税の計算には、実は4つの段階があります。

その年の収入(額面給与)から、

1. 基礎控除と給与所得控除を差し引く
2. さらに各種の所得控除を差し引き、残りの金額で所得税額を計算する
3. 計算した所得税の金額から、さらに税額控除を差し引く
4. 最終的な実際の納税金額が決まる

という4段階を経て、実際にあなたが納める所得税の金額が計算されています。

1段階目:基礎控除

誰でも平等に38万円が控除される基本的な控除です。

給与所得控除」は給料をもらっている人(アルバイト、派遣社員、会社員などの区別はありません)に適用される「給与から差し引く控除」です。

給与額に応じて65万~220万円の幅があります。

※控除金額は2019年1月時点の金額です

2段階目:所得控除

基礎控除と給与所得控除以外の、所得から差し引くことのできる金額を指します。

例えば、給与天引きで払った健康保険料や年金保険料の「社会保険料控除」や、生命保険料などを払ったときの「生命保険料控除」、ふるさと納税をした場合の「寄付金控除」などがあります。

年間で医療費を多く払いすぎた場合に使える「医療費控除」もこの段階での適用です。

会社員であれば毎月の給与から源泉所得税という形で天引きされ、年末調整で生命保険料やふるさと納税の支払額を会社に伝えて、改めて税金の計算をし直してもらう形が一般的です。

所得から差し引く「所得控除」が多くなれば、税額計算の対象になる差し引き後の所得金額は少なくなります。

3段階目:税額控除

所得税の金額を計算した後の、納めるべき所得税額から差し引ける控除です。

「税金の金額計算の後」に所得税額から差し引かれる金額です。

住宅ローンの残高に応じて税額から差し引かれる「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」や株式配当の「配当控除」などがあります。

4段階目:納税金額

所得税額から税額控除分を差し引いた残りが、実際に納める所得税の金額になります。

税金が戻ってくる「税還付」とは

確定申告

最終的な納税額が決まった後、会社員が給与天引きで前もって納めていた所得税が「実は払い過ぎだった」と分かれば、その分を「税金の還付金」として返してもらうことができます。

会社員の方は会社で「年末調整」をするときに最終的な納税額の計算がされるので、還付金があれば給与と一緒に会社から支払われます。

ただし、以下に当てはまる方は会社で年末調整を済ませていても、自分で確定申告をすれば払い過ぎた所得税を還付金として国から返してもらうことができます。

・ 会社の年末調整が済んだ後に結婚・出産などで家族が増えた
・ 医療費控除がある
・ 副業などで給与以外に20万円を超える収入がある
・ 住宅ローンを組んで家を購入した最初の年
・ 自然災害や盗難の被害を被った

年末調整と確定申告で、損をしない納税を

年末調整や確定申告で払いすぎた所得税を還付金として返してもらう「所得控除」と「税額控除」について説明しました。

会社から給与天引きされている所得税ですが、「実は払い過ぎだった」というパターンはよくあります。

還付金は手続きさえすればちゃんと国から返してもらえるお金なので、年末調整や確定申告はきちんと書類を揃えて手続きをするようにしましょう。(執筆者:2級FP技能士 久慈 桃子)