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【転退職時は要注意】企業型確定拠出年金(DC)の移管手続きを行わないとどうなってしまうのか?

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【転退職時は要注意】企業型確定拠出年金(DC)の移管手続きを行わないとどうなってしまうのか?

転退職の時に必要な手続きを忘れ、企業型確定拠出年金(DC)が宙に浮く加入者が増えているそうです。

6月時点で81万人と、5年で倍増した旨が日経新聞電子版(2019年8月3日記事)にて報道されています。

そこで、今回は、企業型確定拠出年金(DC)加入の会社員が、転退職時に移管手続きを忘れたらどうなってしまうか、また移管する場合の手続き方法について書いてみたいと思います。

転退職時は要注意

転職時に必要な手続きを忘れてしまうとどうなる?

企業型確定拠出年金(DC)の加入者資格を喪失した翌月から起算して、6か月以内に移換等の手続きをされなかった場合、お手持ちの年金資産は、原則として、国民年金基金連合会に自動的に移換されます

その場合、以下の3つのデメリットがあります。

1. 現金の状態で管理される

自動移管中は今まで行っていた運用商品による運用ができません

2. 管理手数料が差し引かれてしまう

自動移換されるとき、特定運営管理機関(確定拠出年金の記録関連運営管理機関)の手数料として3,240円、国民年金基金連合会の手数料として1,029円が、運用資産より差し引かれます

さらに、特定運営管理機関に移換され、4か月後の月末までに移換等の手続きをしていない場合、当該月分から毎月51円が徴収されます

3. 老齢給付金の受給権取得の時期が遅くなる場合があり得る

自動移換後の期間は、確定拠出年金の通算加入者等期間とはみなされません。(60歳時点で確定拠出年金への加入者期間が10年に満たない場合は、支給開始年齢が引き伸ばされます)

企業型確定拠出年金(DC)の移管手続きの方法

企業型確定拠出年金(DC)の移管手続きは、大きく分けて転職する場合、退職する場合で異なります

転職をする場合

転職先に企業型確定拠出年金(DC)がある場合は、転職先の制度に加入することになります。

転職先に企業型DCがない場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)(以下、iDeCoと記載)の口座を開設し、企業型確定拠出年金(DC)の資産をiDeCoに移換します。

自営業者、専業主婦になる場合

企業型確定拠出年金(DC)に加入はできないので、iDeCoの口座を開設して、企業型確定拠出年金(DC)の資産をiDeCoに移換します。

なお、企業型確定拠出年金(DC)は、中途退職等により資格喪失した場合、所定の要件を満たせば、例外的に年金資産を受け取る方法もなくはありません

ただし、条件は非常に厳格ですし、老後資産のことも考え、脱退せずに継続することをおすすめします

なお、日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社という確定拠出年金法に定める記録関連運営管理機関である企業のHPにて、各パターンに応じた必要対応事項のご案内サイトがあります。

こちらも参考にして手続きを確認してみてください。

手続きチェックをしてみよう

≪画像元:iDeCoポータル

勤務先の退職金制度がどうなっているかまずは確認が必要

企業型確定拠出年金(DC)が宙に浮く加入者が増えているところから、会社員でお仕事をされている方の中には、そもそも勤務先の退職金制度を把握されていない方も、少なくはないと考えられます。

転退職をされた方が、企業型確定拠出年金(DC)への過去の加入の有無の確認することは、かなり重要です

合わせて、転退職の経験のない会社員の方も、勤務先の社内規程や担当部署への確認等により、自社の退職金制度を一度確認されてみてはいかがでしょうか

今すぐに退職等お考えでなくても、老後にどれくらいの退職金が出るか、会社の制度を利用してどのように老後資金を用意できるか、考えるよいきっかけにもなるように思いますので、今一度確認してみてください。(執筆者:佐藤 彰)

《佐藤 彰》
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佐藤 彰

佐藤 彰

全国に営業店を構える対面型証券会社とIT系の証券会社に勤務し、2019年4月に独立しました。金融機関在籍時は、主にコンプライアンス部門に所属し、若手社員教育、コンプライアンス研修、投資信託販売のチェックを主に担当していました。金融機関外での金融教育の必要性を実感し、現在は主に投資信託による資産形成を支援するファイナンシャルプランナーとして活動しています。コーチ資格も保有しており、投資と心理にも着目した情報発信をしています。 <保有資格>AFP、米国CTI認定プロフェッショナルコーチCPCC 寄稿者にメッセージを送る

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