「要介護2以上」なら、電動車いすも介護保険でレンタルできる。条件や料金、利用上の注意点を解説します。

最近、「電動車いす」を街中でよく見かけるようになりました。

運転免許証を持っていなくても運転が可能なため、歩行の困難な人や運転をやめた高齢者の日常の移動手段として、広く注目を集めています。

ただ、気になるのはその費用です。

「便利そうだし興味もあるけれど、値段が高そう…」と、電動車いすの利用を躊躇していませんか?

実は、電動車いすは介護保険を使ってレンタルでき、その場合は、月々のレンタル料金の1割~3割といった少ない負担で借りられます。

今回は、介護保険を使った場合の電動車いすの「レンタル料金の目安」や「利用条件」などをご紹介します。

電動車いすは介護保険でレンタルできる

車いすとお金

電動車いすは、介護保険の福祉用具貸与の対象になっています。

レンタルであれば介護保険が適用され、1割~3割の自己負担で利用できます。

レンタルの対象となる条件

電動車いすの介護保険利用は、「要介護2以上」となります。

ただし、この条件に該当しなくても、日常的に歩行が困難な人や医師の同意が得られた場合は、例外として保険利用が可能になるケースもあります。

まずはケアマネジャーに相談してみましょう。

レンタル料金

気になる電動車いすのレンタル料金は、1割負担の人で月々2,000円~3,000円が一般的です。

2割負担の人で4,000円~6,000円3割負担だと6,000円~9,000円になりますので、3割負担の人は少々割高に感じるかもしれません。

ただ、購入するとなると1台の価格が20万円~30万円になるうえに、費用は全額自己負担になるため、購入は慎重に考えましょう。

電動車いすの種類

電動車いすの種類

電動車いすは、大きくわけて以下の2種類あります。

・ 通常の車いすに似た形で電動モーターが付いているタイプ

・ ハンドルがついたスクーター型のシニアカー(電動カート)

これらは道路交通法で「歩行者」として扱われるため、走行するのに運転免許証は必要ありません

また走る道も車道ではなく、歩行者として歩道を走行することになります。

どちらも、スピードは時速6kmが上限となっており、これは大人の早歩きと同じくらいの速度です。

そのため、人通りの多い道や子どもの多い通学時間帯などは、走行に十分な注意を払う必要があります。

手元でスピード調節ができますので、安全に走行できる速度を心がけて運転するようにしましょう。

また、上記2種類のほかに、介助型の電動車いすもあります。

これは、介助者が操作するタイプで、上り坂でパワーアシスト機能が働いたり、下り坂でブレーキ機能が自動で働いたりと、介助者の負担を軽くする工夫がされています。

電動車いすの選び方

車いすの女性

電動車いすを選ぶ際は、好みを優先するのではなく、要介護度、座位保持力、車いすの操作能力など、体の状態に合ったものを選ぶのがベストです。

また、室内・屋外それぞれに適したタイプが異なりますので、主にどういった場所や用途で使用するのかも欠かせない判断材料です。

車いす型の場合

一般的に、車いす型の電動車いすは、折り畳みが可能で持ち運びができるので、出先で使用するのに便利です。

また、小回りがきくので狭い場所で使うのにも適しています。

シニアカーの場合

一方、シニアカーは、折り畳み不可で重量も60kg~70kgほどあるので、持ち運びには向いていません。

ですが、連続走行距離が30km前後と電動車いすより長いうえに、座席の座り心地がよく安定感もあるので、屋外である程度の距離を走行する場合はメリットが多いです。

電動車いすを使ってみたいと思ったら、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談して、より自分に適したタイプを選定してもらいましょう。

電動車いす利用に際して気をつけること

便利で快適な電動車いすですが、トラブルを避けて安全に利用するには、歩行者としてのルールを守り正しく走行することが大切です。

電動車いすは事故が多い

警察庁の資料によると、車いすの事故のうち、電動車いすが占める割合は全体の約7割にものぼります。

車いすの事故の統計

≪画像元:警察庁pdf資料(p10)

また、電動車いすの事故は道路の横断中にもっとも多く発生しています。

車の通りの少ない道であっても油断せず、しっかり安全確認をして横断するようにしましょう。

できるだけ、道路を横断しなくて済むようなルートを選ぶのが無難です。

車いすの事故の統計

≪画像元:警察庁pdf資料(p12)

普段から体を動かすことも忘れずに

そして、もうひとつ。

高齢になると、どうしても使わない体の機能は早く衰えていく傾向にあります。

そのため、電動車いすが便利だからと、ことあるごとに乗っていると、運動不足になってますます足腰が弱ってしまうことも考えられます。

そうならないよう、日ごろから意識的に体を動かす習慣を身につけましょう。

電動車いすがあれば、外出のハードルも下がり、日々の買い物も各段ラクになります。

介護保険が適用されれば安価で利用することができるので、歩行に不安があり家にとじこもりがちな人は、ぜひ電動車いすのレンタルを検討してみてください。(執筆者:渡辺 有美)

この記事を書いた人

渡辺 有美 渡辺 有美(わたなべ ゆみ)»筆者の記事一覧 (11)

OL時代は都銀で支店窓口→秘書室に転勤になり役員秘書に従事。その後、結婚と子育てを経て、人様のお世話をする仕事がしたくなり、介護の道を選びました。介護福祉士としてデイサービス・特養・訪問介護の現場で10年以上働いた経験を活かし、介護にかかるお金や、さまざまな生活の知恵をお届けしていきたいと思います。
【寄稿者にメッセージを送る】

今、あなたにおススメの記事
本サイトの更新情報をfacebook・Twitter・RSSでチェックしましょう