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【初心者にやさしく解説】「高配当銘柄」の定義・重要指標、銘柄選びのポイント・注意点など

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【初心者にやさしく解説】「高配当銘柄」の定義・重要指標、銘柄選びのポイント・注意点など

長引く低金利により、株式投資で資産運用をする初心者の方が増えています。

書店は、長期間安定した不労所得を得ることを目的とした高配当銘柄や株主優待を特集した初心者向けの株式投資の本であふれています。

日本で上場する株式会社の多くが3月末決算です。

3月の決算企業であれば3月が期末配当の権利確定日、中間配当を出す企業であれば9月末が権利確定日です。

9月末が近づき高配当や株主優待を狙って、これからどうするかお悩みの方に「高配当銘柄投資」についてお話しします。

「高配当銘柄」とは?定義・重要指標、銘柄選びのポイントと注意点

高配当銘柄を保有するには 権利確定日の変更に注意

配当金や株主優待の権利を得るためには、「権利付最終日の大引け時点(15:00)」で現物株式を保有している必要があります。

2019年7月16日(火曜日)から株式等の決済期間短縮化により約定後の受渡しが1営業日早くなりました

従って、対象となる銘柄の権利確定日の2営業日前(権利確定日を含めれば3営業日前)までに約定しておけば権利を得られます

配当金については過去の保有期間は関係ありませんが、株主優待では保有期間によって優待商品等に差をつけている会社もあります。

具体的には、今年の9月末の権利を得るためには、9月26日(木)までに約定すれば受渡日が9月30日(月)となり、9月末日の権利が確定します。

もし、9月27日(金)以降に売却しても9月末の権利は確定しています。

高配当銘柄とは

高配当銘柄とは

高配当銘柄に明確な定義はありませんが、一般的な感覚で言えば3%を超える配当利回りがあれば、高配当銘柄と考えてよいと思います。

好調な決算を受けて企業の配当金も増加傾向にあります。

年間配当が3%を超える利回りだと長期に保有するだけで安定的な配当金収入を得られることから人気となっています。

高配当銘柄投資に重要な指標

ここで、高配当銘柄投資に重要な指標として「配当利回り」と「配当性向」を確認しておきましょう。

配当利回り

配当利回りとは、購入した株価に対し年間でいくら配当を受けることができるかを示す数値です。

配当利回りの計算式

配当利回り(%)= 1株当たりの年間配当金額 ÷ 1株当たりの購入価額 × 100

具体的には、1株1,000円で購入した株の年間配当金が1株30円であれば、配当利回りは、

30円 ÷ 1,000円 × 100 = 3%

です。

配当性向

配当性向とは、利益をどのぐらい株主に還元しているかを示す数値です。

配当性向の計算式

配当性向(%)= 1株当たり年間配当金 ÷ 1株当たり税引き後年間利益 × 100

具体的には、1株当たりの税引き後利益100円で、年間配当金が1株当たり30円であれば、配当性向は、

30円 ÷ 100円 × 100 = 30%

です。

理想の高配当銘柄とは

理想の高配当銘柄とは

魅力的に見える高配当銘柄の利回りは、「配当利回りランキング」などの言葉でネットで簡単に検索できます。

では、ランキングが高い順に1位や2位の株を買えばよいのでしょうか。

話しはそう単純ではありません。

確かに配当利回りは高いほどよいですが、

本業以外の不動産や保有株式の売却などの一時的な利益が出ている場合

・数年に一度の記念配当などで配当利回りが高くなっている場合

もありますので注意が必要です。

配当性向については高い方がよいとは言い切れません

配当性向は、その会社が事業によって得た利益をどのくらい株主に還元しているかを表す指標です。

財務基盤が弱い企業や成長企業の場合は配当として株主還元するよりも、利益を新たな設備投資や人材の育成など将来の会社の成長のために投資することも重要であり、そうすることで増配をする余力も出てきます。

理想の高配当銘柄は、配当性向が低いにもかかわらず配当利回りが高い銘柄

です。

必然的に1株当たりの利益が多い会社に限られるということです。

高配当銘柄を選ぶ際のポイント

高配当銘柄を選ぶ際の具体的なポイントは次の通りです。

・直近5年間安定して利益が出ているか
一時的な巨額の利益などには要注意

・配当利回りは、少なくとも3%以上(理想は4%以上)
→ 数年に一度の記念配当などは除く

・配当性向は、財務基盤の厚い成熟企業以外は50%未満
→ 配当性向の比率は低いほど内部留保や増配の余地がある

・特定の株や同業種の株に集中投資は避け、少なくとも3~5銘柄程度に分散投資する
→ 値下がりや減配のリスクを避ける


高配当銘柄の落とし穴とは

かつて高配当銘柄の代表格であった日産自動車を例にあげます。

前会長のカルロス・ゴーン被告が起訴される事態とり、その後の業績悪化に伴って、株価は2018年8月末の1,040円から2019年8月末の656円と1年で大幅に下落しています。

高配当銘柄投資で最も注意すべき点は、将来の大幅な業績悪化です。

それに伴い株価が値下がり、減配、株主優待等も廃止になる可能性があります。

過去の配当や株主優待が将来も続くとは限らないということです。

将来の業績を予想することは非常に難しいのですが、違った業種の数社の銘柄に分散することによって、大きなリスクを小さなリスクに変えられます。(執筆者:後藤 誠道) 

《後藤 誠道》
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後藤 誠道

後藤 誠道

後藤FP事務所 代表 会計事務所・企業にて経理労務関係を中心に20年間勤務後、平成14年にFPとして独立する。大阪府・兵庫県を中心にセミナー講師、個人のライフプランを中心に家計の見直し・貯蓄・年金・生命保険・相続・資産運用・住宅ローンなど特定の金融機関に所属せず中立公平な相談・アドバイスを行っています。保険のセンンドオピニオンとしてご相談のみ(保険の勧誘を受けたくない)をご希望の方もお問い合わせ下さい。 <保有資格>1級ファイナンシャルプランニング技能士(厚生労働省)、証券外務員二種(日本証券業協会) 、簿記検定1級(日本商工会議所) 寄稿者にメッセージを送る

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