老齢年金の所得代替率の低下や退職金制度の縮小などで、いかに老後資金を準備するかが重要なテーマとなりつつあります。

そのための選択肢のひとつとして金融資産の利用に注目が集まっていますが、今回は有事の際の安全資産としても名高い純金への投資について説明します。

資産運用のリスクヘッジに「純金投資」3つの方法とメリット・デメリット

不況や有事に強い純金資産

実物資産である純金は、株式や債券などの金融商品とは異なり、発行体が破綻するリスクがありません

株式ほど積極的にリスクを取りたくない場合には有効な選択肢と言えるでしょう。

では、実際に純金投資をするにはどうしたらよいのでしょうか。

以降でその方法とメリット・デメリットについて触れていきます。

純金投資法1:「純金積立」

純金投資を始めるにはいくつかの方法がありますが、まず候補にあがるのが地金商が提供する「純金積立」です。

純金積立」は、一定の周期・金額で実際に純金を購入し、地金商に保管しておいてもらう方法です。

購入した純金は、地金価格に応じての売却や純金のまま受け取ることができます。

(1)「純金積立」のメリット・デメリット

購入には手数料や消費税がかかり、保管に伴い諸費用も発生します。

そのため、少額の購入は、相対的に高くなる手数料によって投資効率が低下する恐れがあります。

純金積立の大きな特徴は消費税増税時に生じる「益税」です。

純金を実際に購入する際に消費税を支払う必要がありますが、売却時には逆に消費税を受け取ることができます。

このため、購入時と売却時で消費税の税率が異なれば、その差額分を益税として受け取れる特徴があります。

少額だと効率の悪い純金積立

純金投資方法2・3:小口資金で始められる「ETF」と「ETN」

純金を実際に購入する「純金積立」には手数料や保管料などの諸費用かかり、自分で保管する場合には盗難などのリスクがあります。

そこで、少額でも純金投資を有利に行う方法として、「上場投資信託 (ETF)」や「指標連動証券 (ETN)」があります。

(2)「上場投資信託 (ETF)」のメリット・デメリット

「ETF」は多くの投資家から集めた資金で純金の購入を行えます。

そのため、少額資金で個人購入するよりも純金投資に関わる諸費用を安くできるメリットがありますが、純金現物への交換は通常行えません。

また、スケールメリットを生かし低額に抑えていますが、購入・保管などに関わる費用の分、投資効率が低下するデメリットもあります。

(3)「指標連動証券 (ETN)」のメリット・デメリット

「ETN」は投資家からお金を集めるところまでは「ETF」と同じです。

しかし、「ETF」が実際に純金を購入しているのに対し、「ETN」は発行体が価格の保証を行うため、実際には購入されない場合があります。

「ETF」の価格が純金という資産に裏付けられているのに対して、「ETN」は発行体の信用力によって価格が裏づけられています。

実際に資産を持っていないため、手数料などの諸費用がかからず、地金価格と完全に一致させることができます。

しかし一方で、裏付け資産を持たないため発行体の信用力の影響を受けるデメリットもあります。

また、「ETF」や「ETN」を株式市場で売買する際に別に手数料が発生しますので、売買手数料の安いネット証券などを利用することが大切です。

「ETF」も「ETN」も投資家から集めたお金で純金に投資

資産運用のリスクヘッジに純金投資

純金投資には、実物を購入する「純金積立」のほかにスケールメリットを生かした「ETF」や、手数料や保管料がかからず地金価格と完全にリンクできる「ETN」などがあります。

それぞれの投資方法にはメリット・デメリットがありますので、その特徴を把握して賢く利用することが大切です。

純金は株式や債券とは異なった値動きをすることが多く、リスク分散に優れた商品です。

他の金融商品ですでに資産運用を行っている方も、分散先のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:菊原 浩司)