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【老齢年金の繰下げ受給】年金額は増えても「年金生活者支援給付金」で損をする理由

老齢基礎年金の繰下げ受給が注目されている

原則として65歳から受給できる老齢基礎年金の支給開始を、1か月繰上げる(早める)と、65歳から受給できる金額に対して、0.5%の割合で年金額が減っていく、「繰上げ受給」の制度があります。

繰上げできる年齢の上限は60歳になるため、最大で老齢基礎年金の金額が、30%(5年×12か月×0.5%)少なくなります

またこの減額は生涯に渡って続くため、一般的には長生きするほど不利になるのです。

一方で1か月繰下げる(遅くする)と、65歳から受給できる金額に対して、0.7%の割合で年金額が増えていく、「繰下げ受給」の制度があります。

繰下げできる年齢の上限は70歳になるため、最大で老齢基礎年金の金額が、42%(5年×12か月×0.7%)多くなります

またこの増額は生涯に渡って続くため、一般的には長生きするほど有利になるのです。

利用者が多いのは前者の繰上げ受給になりますが、ここ最近は後者の繰下げ受給が注目を集めています。

その理由として2019年4月から、誕生月(1日生まれは誕生月の前月)に送付される「ねんきん定期便」の中に、繰下げ受給について説明したイメージ図が追加されたからです。

また繰下げできる年齢の上限を、70歳から75歳くらいに引き上げする案が厚生労働省で検討されており、これが実現すればさらに年金額が増えます。

年金をいつからもらうか

老齢年金生活者支援給付金の受給は、3つの要件を満たす必要がある

繰下げ受給より更に注目を集めているのが、2019月10月から始まった「年金生活者支援給付金」です。

これは次のような3種類に分かれています。

・老齢基礎年金に上乗せされる「老齢年金生活者支援給付金」

・障害基礎年金に上乗せされる「障害年金生活者支援給付金」

・遺族基礎年金に上乗せされる「遺族年金生活者支援給付金」

この中の老齢年金生活者支援給付金を受給できるのは、次のような3つの要件をすべて満たしたうえで、所定の認定請求を済ませた方になります。

(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者

国民年金の保険料の未納が続き、老齢基礎年金を受給できなくなった方は、老齢年金生活者支援給付金も受給できなくなるため、未納のデメリットがひとつ増えたのです。

(2)同一世帯の全員が住民税非課税

妻が扶養家族という夫婦のみの世帯で、夫が65歳以上の場合、夫の前年の老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金など)の合計額が、211万円以下というのが、同一世帯の全員に対して、住民税が課税されない目安になります。

(3)前年の老齢年金とその他の所得の合計が77万9,300円以下

この要件をギリギリで超えて、老齢年金生活者支援給付金を受給できなくなると、この要件を満たして老齢年金生活者支援給付金を受給できた方より、収入が少なくなってしまう場合があります。

そこで逆転現象が起こらないようにするため、前年の老齢年金とその他の所得の合計が87万9,300円以下の場合には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されるのです。

なお満額の老齢基礎年金の金額が改定されると、この所得基準額も改定されるため、ギリギリで要件を満たした方は、注意が必要になります。

申請して免除を受けると、老齢年金生活者支援給付金の金額が変わる

老齢年金生活者支援給付金の金額は、国民年金の保険料の納付済期間や、免除期間の月数で決まるのですが、2019年度の月額は次のような3つの金額を、合計したものになります。

【納付済期間を元にした金額】
5,000円×納付済期間(月数)/480月

【免除期間(全額免除、4分の3免除、半額免除)を元にした金額】
1万834円×免除期間(月数)/480月

【免除期間(4分の1免除)を元にした金額】
5,417円×免除期間(月数)/480月

例えば20歳から60歳までの40年(480月)に渡って、未納なく保険料を納付した時は、月額5,000円(年額6万円)になるのですが、免除期間や未納期間がある場合の目安額は次のようになります。


ただ老齢年金生活者支援給付金は原則として、2月、4月、6月、8月、10月、12月の15日に、それぞれの前月分までが支給されるため、月ごとに支給されるわけではありません。

また上記の5,000円は物価の変動に合わせて、1万834円と5,417円は満額の老齢基礎年金の金額に合わせて、定期的に改定されるため、老齢年金生活者支援給付金の金額は変動していくのです。

繰上げしても老齢年金生活者支援給付金は、65歳から支給される

65歳の男性

老齢基礎年金の支給開始を1か月繰上げると、上記のように0.5%の割合で年金額が減っていき、この減額は生涯に渡って続きます。

一方で老齢年金生活者支援給付金は、老齢基礎年金の支給開始を繰上げしても、通常と同じように65歳から支給されます。

その理由として65歳未満の場合には、「(1) 65歳以上の老齢基礎年金の受給者」という要件を満たせないからです。

また老齢年金生活者支援給付金は繰上げ受給できないのですから、0.5%の減額は適用されません。

ですから老齢基礎年金を繰上げ受給しても、老齢年金生活者支援給付金で損はしないと考えられます。

繰下げ受給で年金額が増えると、3つの要件を満たせない場合がある

老齢基礎年金の支給開始を1か月繰下げると、上記のように0.7%の割合で年金額が増えていき、この増額は生涯に渡って続きます。

もし妻が扶養家族という夫婦のみの世帯で、夫が繰下げ受給を選んだ場合、老齢基礎年金の増額によって、「(2) 同一世帯の全員が住民税非課税」という要件を、満たせない可能性が出てきます。

また妻が繰下げ受給を選んだ場合、老齢基礎年金の増額によって、「(3) 前年の老齢年金とその他の所得の合計が77万9,300円以下」という要件を、満たせない可能性が出てきます。

ですから、老齢基礎年金を繰下げ受給すると、老齢年金生活者支援給付金で損をする場合があるのです。

ただ繰下げを続けていけば、これによる老齢基礎年金の増額分が、老齢年金生活者支援給付金の金額を上回るため、事前に両者の金額を試算して、納得のうえで繰下げするなら良いと思います。

繰下げの待機期間中は、老齢年金生活者支援給付金を受給できない

繰下げ受給の悪い影響は他にもあります。

それは、老齢基礎年金の繰下げを選択しても、老齢年金生活者支援給付金は増えないうえに、これを受給できるのは65歳からではなく、増額した老齢基礎年金を請求してからになるという点です。

つまり増額した老齢基礎年金を請求するまでの、繰下げの待機期間中については、老齢年金生活者支援給付金を受給できないのです。

また繰下げの待機期間中に、急にまとまったお金が必要になった場合、繰下げを取り消して、65歳から請求時点までの老齢基礎年金を、一括で受給することができます。

しかし、老齢年金生活者支援給付金は65歳まで遡らないため、老齢基礎年金の請求を済ませた時点以降の分しか受給できないのです。

ですから繰下げによる老齢基礎年金の増額分が、老齢年金生活者支援給付金の金額を上回るまで繰下げをすると決めたなら、途中で取り消さない方が良いと思います。(執筆者:木村 公司)

この記事を書いた人

木村 公司 木村 公司(きむら こうじ)»筆者の記事一覧 (197)

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。
【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種
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