収益物件を買う投資家には、リスクを抑えて堅実にコツコツ増やしたいという方もいれば、リスクを負っても出来るだけ高い利回りで収益を上げたいという方もいます。

せっかく不動産投資をするのですから、少しでも多くの利益を上げたいと思うのは当然だと思います。

しかし、利回りが高いからと物件の分析もせず、不動産業者に勧められるまま地方物件を購入してしまい、結果として「賃貸経営が思うようにいかない」と多くの方がご相談に来られます。

利回りの高さは、リスクの高さである

という認識を持つことが重要です。

収益物件の利回りはどのように決まるのか

マンションへの投資

収益物件の販売資料には、その物件が年間どの程度収益を上げられるかを示す「利回り」が書かれています。

投資家は、物件の立地や間取りに加えて、この利回りを参考に収益物件を検討します。

利回り = 年間の家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

で計算できます。

最近では、区分マンションなどであれば、1か月の家賃から管理費・修繕積立金の固定費を引いて毎月の収益を計算し、実質利回りと記載しているケースもあります。

では、この利回りというのはどのように決まるのでしょうか。

不動産投資の先進国である米国などでは、物件のあるエリアの利回りを示すキャップレートというものがありますが、日本ではこういったシステムがまだ整備されていません。

そのため、不動産業者が、過去の取引事例を元に相場を調べたり、そのエリアであればどの程度の利回りがあれば投資家が買うかを独自に調査して利回りを決めているのが現状です。

なぜその物件は利回りが高いのか

例えば、収益物件として、20㎡のワンルームマンションの購入を検討するとします。

1つは

・ 東京都23区内山手線駅徒歩10分

もう1つは

・ 地方都市の駅徒歩20分

この条件だけなら東京都23区内山手線駅徒歩10分の物件を購入したいと考える人が多いと思います。

しかし、東京都23区内山手線駅徒歩10分の物件は、1,500万円で表面利回り6%です。

対する地方都市の駅徒歩20分の物件は、物件価格500万円で表面利回り15%。

この条件が加わると、少ないお金で高い収益を上げられる地方都市の駅徒歩20分の物件も収益の点では魅力的に映ります。

地方都市物件の利回りが高い理由

アパートとお金

では、なぜ地方都市の駅徒歩20分の物件の利回りは高いのでしょうか。

地方都市の駅徒歩20分の物件は、東京都23区内山手線駅徒歩10分の物件と比べると賃貸需要が少ないので、

・ 空室期間が長くなる
・ 賃料の減額が予想される
・ 賃貸業者に支払う広告費が3か月以上かかる

という状況があります。

また、賃料が安いので、管理費・修繕積立金などが加わると実質の利回りは大きく下がります

このように、利回りが高い物件は、利回りが低い物件と比べてリスクが高く、この利回りでないと売れない物件ということになります。

物件を購入する際には、その物件の利回りが高い理由についてきちんと理解した上で購入しないといけません。

利回りが高い物件には相応のリスクがあると理解する

利回りが高い物件がすべて悪い物件というわけではなく、中には相場よりも安いお宝物件もありますが、やはり利回りが高い物件には、利回りが高いだけの理由があります。

その理由の多くは、「賃貸需要が少ない」、「物件が古い」、「管理状態が悪い」などマイナス要因、いわゆるリスクです。

利回りの高い物件を購入する際には、利回りの高さとリスクの高さが見合っているか、また、そのリスクを自分が許容できるのかをきちんと検討した上で購入するべきです。

不動産投資を始めるに当たっては、収益を上げたい、儲けたいという気持ちが先行すると思います。

しかし、まずは利回りが低くても収益をきちんと上げられる物件から始め、徐々に利回りの高い、リスクの高い物件に挑戦していく方が成功する可能性は高まります。(執筆者:山口 智也)