今回は、米国がトルコに課す経済制裁について、その動向を解説していきたいと思います。

シリア難民の「安全地帯」移住はトルコの負担を減らす

トルコとロシアは、トルコとシリアの国境沿いに「安全地帯」を設けることに合意しました。

これにより、トルコはシリア難民を安全地帯に移住させることが可能となり、実現すればトルコ経済にとって負担が減るため追い風となる可能性があります。

トルコ経済はどうなるのか

制裁解除されるかが今後の焦点になる

先月23日、トランプ大統領は、トルコとロシアが国境付近に安全地帯を設けることで合意したことを受け、トルコがシリアへの軍事介入に対する停戦継続を条件にトルコに科す制裁の解除を表明しました。

しかし、米国下院では、大量虐殺をしたことに対する追加制裁をとの声があがっており、実際に制裁が解除されるかが今後の焦点となっています。

トルコ中央銀行は政策金利を2.5%引き下げ

また、トルコ政府は同月24日の政策決定会合で、政策金利を2.5%(市場予想1.0%)引き下げ14.0%とすることに決定しました。

エルドアン大統領は、「金利が1桁まで下がればインフレ率もかなり低下するだろう」としており、市場金利はすでに10.0%を下回っています。

今後さらなる利下げに動く可能性があるので、トルコ中銀の動向に注目しておく必要があるでしょう。

イスラム国最高指導者死亡

先月27日、トランプ大統領はISの最高指導者、バグダディ容疑者が米国の軍事作戦で死亡したと明らかにしました。

これにより、米国軍のシリア撤退が一層進む可能性があり、抑止力のなくなった周辺地域の不安定化が懸念されています。

米国議会内でもこの撤退は時期尚早との声が多く、トランプ大統領への批判の声が増えています。

トルコ・リラは値動きが乏しい

トルコのリラ

トランプ大統領の制裁解除表明を受け、

トルコ・リラは若干持ち直しましたが、先行き不透明感が残っていること、金利が引き下げられたことを受け現在は小動き

となっています。

これより、制裁解除に対する具体的な内容・時期が判明するのを市場参加者が待っている可能性があるので、それに関するヘッドラインニュースが出た際には注意が必要です。

焦点は制裁解除に向けた具体的な内容が話し合われるか

今月13日、トランプ大統領とエルドアン大統領の首脳会談が行われる予定であり、その動向に注目が集まります。

シリア北部侵攻やIS(イスラム国)対策について議題に上がるものとされており、それにより制裁解除に向けた具体的な内容が話し合われるかどうかが焦点です。

現在、トルコ・リラは、トランプ大統領の制裁解除表明を受けても値動きのない状態が続いています。

現段階で値動きの乏しいトルコ・リラが動意づくかどうかに注目です。(執筆者:白鳥 翔一)