今回は、米グーグルが「量子超越性」の実証を発表したことから注目を浴び始めた量子コンピューターの可能性と、その関連銘柄について解説していきたいと思います。

量子超越性とは

量子超越性」とは、既存のスーパーコンピューターが計算するまで途方もない期間を必要とする問題を、圧倒的な速度で実行できることを意味します。

今回、米グーグルはこの「量子超越性」を実証できたと発表しており、これに対して米IBMが「この実証には重大な欠陥がある」と反論しているのが現状です。

しかし、この「量子超越性」が正確に実証されれば、それに関連する銘柄が動意づいてくる可能性があり、今後の相場展望が大きく変わる可能性があります。

量子コンピューター関連銘柄

量子の世界

量子コンピューター関連銘柄はいくつもあり、今回はその中から代表的な銘柄についていくつか紹介していきたいと思います。

1. NF回路 (6864)

NF回路は、電子計測器を開発しており、量子コンピューター向け信号増幅装置を手掛けている関連銘柄の最有力候補の1つです。

通期業績予想は、売上高が前年比4.9%増収の126億円となり、営業利益が5.3%増の15億円となるとしています。

売上高営業利益率は11.9%あり、今後の動向に注目です。

NF回路の売上成績

2. NEC(6701)

NECは、通信設備分野で国内トップシェアを誇り、量子ビット技術を保有し、文部科学省と共同で研究を行っています

パブリック事業が主力であり、目先は5G関連銘柄として注目されているため、ネットワークサービス事業の動向に注目が集まります。

通期業績予想は、売上高が前年比1.3%増の2兆9,500億円、営業利益が88.1%増の1,100憶円となるとしており、売上高営業利益率が3.7%と前年から改善するとしています。

NECの売上成績

3. 富士通(6702)

サーバー、ITシステムの国内最大手であり、AIや5Gネットワークサイバーセキュリティーなどに注力するだけではなく、量子コンピューターの開発拠点を海外に保有していることから関連銘柄として注目されています。

主力事業はテクノロジーソリューション事業であり、売上高の79%を占めていることから、その利益率の変化に注目が集まります。

通期業績予想は、売上高が前年比5.1%減の3兆7,500憶円、営業利益が22.9%増の1,600憶円となり、売上高営業利益率が4.3%と前年から改善するとしています。

富士通の売上成績

4. ブレインパッド(3665)

ブレインパッドは、企業が保有する大量のデータを分析、その結果を踏まえ独自のソフトウエアを開発・提供することで企業の経営最適化支援を行っています。

量子コンピューターと相性がよいことから、関連銘柄として取り上げられています。

業績予想は、売上高が前年比19.8%増の68億円、営業利益が1.4%増の12億円となり、利益率が17.6%と前年より鈍化するとしています。

主力事業は、アナリティクス事業であり、その利益率は49.7%(2020年6月期・1Q)と非常に高いのが特徴です。

ブレインパッドの成績表

開発途中分野の銘柄。今後の値動きを注視

以上より、量子コンピュータ関連は現在研究・開発段階であることからすぐに業績に反映されるわけではなく、将来的な業績寄与度に応じて値動きする可能性があります。

量子コンピューター関連に特化している企業ほど株価は大きく上下し、NECのようにさまざまな事業に投資している企業ほど反応は薄くなります。

リスクとリターンを考えながらどの銘柄に注目するか判断するようにしましょう。(執筆者:白鳥 翔一)