2019年も、あと1か月ちょっと

今年もあと少し

この時期になると、来年の景気見通しが各金融機関から出され、新しい投資戦略を立てる材料がそろいます。

その中で10月15日に国際通貨基金(以下、IMF)より発表された世界経済見通しは、3か月前の7月に発表された見通しよりも低下し、今年2019年は3.0%成長としました。

昨年2018年の3.6%から鈍化する見通しですが、来年2020年は3.4%に回復する見込みとしています。

東京オリンピックを迎える2020年、日本の景気はどうなるのか、世界的に見た景気見通しをIMFレポートから分析します。

2020年の世界経済見通し

3か月ごとに発表されるIMF世界経済見通しは、米中貿易摩擦がなかなか解決しない中、今年2019年の経済成長率を引き下げました。

その貿易摩擦が予断を許さない状況ではあるものの、IMFでは来年2020年に世界経済が回復するとの見通しを出しています。

そのIMFレポートから、2020年の日本経済への影響を分析してみましょう。

2019年10月のIMF世界経済見通し

「世界経済は同時減速しており、私たちは2019年の成長率予測を再び下方修正し、世界金融危機以降で最も低い3.0%になると見込んでいる。
(中略)
2020年に世界経済成長率が3.4%へとわずかに上向くと私たちは予想しているが、今年4月時点の予測よりもこれは0.2%の下方修正である。」
引用:国際通貨基金(IMF)「世界経済見通し」2019年10月

世界的に見て米中貿易摩擦が最大の低迷要因であり、「不確実な回復」を経済政策や金融政策が支えている構造だと述べています。

「不確実な回復」とは、成長率が下振れするリスクが複数あることを指しています

具体的にはイギリスのEU離脱問題や、中東地域を始めとした地政学的な緊張の高まりが考えられています。

要するに2020年は

成長率が回復する予想ではあるものの、先行きの不確実性が高いため、世界全体としては横ばいに近い景気回復を予想している

ということだと分析します。

2020年の日本経済の行方

来年2020年の日本経済の行方は、どう予想されているのでしょうか。

世界GDP予想

※(実):実績/(予):予想

先の表にあるように、今年2019年は昨年とほぼ横ばいでの着地予想です。

しかし、来年2020年はオリンピック景気の息切れと消費増税への支援策が切れ、2018年と比べても景気減速する見通しです。

併せて、アメリカおよび中国も景気減速が予想されており、日本を取り巻く景気は悪くなる見通しと分析します。

2020年にかけての投資戦略を考える

個人投資家から見て、この予想を運用戦略にどう織り込めばよいのでしょうか。

具体的には、次の2つがポイントになると思われます。

1. 債券投資の比率を増やす

2. 成長が見込まれる新興国・発展途上国への投資比率を高める

「国内および米国の景気減速 = 株安 = 債券高」となるため、株式から債券へ投資比率を高めることに加え、先進国から新興国・発展途上国へ投資比率を高めること。

この図式により、世界景気の波に乗る新興国債券投資が良好な投資対象となるのです。

しかも国内金利より、相対的に高い利回りが期待できます。

外債の場合、為替変動リスクが伴いますが、円(為替)ヘッジを付けることでリスクを低減できます。

新興国債券は高い金利が付くので、ヘッジコストを考えてもプラスリターンが期待できます

特に

新興国通貨建て債券であっても、世界銀行や国際復興開発銀行など、信用力が高い国際機関と呼ばれる発行体の債券であれば信用力は最大級であり、安心して投資できる

でしょう。

しばらくは分散投資がおすすめ

日本の経済は視界不良

IMFも指摘する「不確実な回復」が「確実な回復」になるのは、いつのことでしょう。

米中貿易摩擦は今年限りのトピックではなく、数年は続く覇権争いの様相を呈してきました。

2020年において、我が国日本の景気回復(=株高)もまだ視界不良の状況が続きそうです。

来年も右肩上がりの株式相場にはならない様子で、債券やREITなど複数資産・通貨に分散投資する投資スタイルをおすすめします。

年内までに資産における株式比率や外国投資比率を見直し、損益通算も上手に利用して、ご自身のポートフォリオを今のご時勢に沿ったものに切り替えていきましょう。(執筆者:中野 徹)