老後2,000万円問題やつみたてNISAの普及で、投資信託への関心が高まっています。
という方も多いようです。
そこで今回は、「投資信託とは」という基本事項から、商品の選び方、筆者おすすめの「eMAXIS Slimシリーズ」の強みまで、できるだけシンプルに解説します。

目次
投資信託とは
投資信託とは、投資家から集めたお金をもとに、運用の専門家が株や債券などの複数の商品に投資・運用する金融商品のことです。
投資対象は、投資信託によって異なります。
日本の株式を対象としているものもあれば、海外の債券を対象とするものもあります。
投資信託のメリット・デメリット
・ 投資の専門家(ファンドマネジャー)に運用を任せられる
・ 分散投資がしやすい
といったメリットがある一方で、「運用をプロに任せるためコストがかかる」というデメリットがあります。
投資信託の選び方
1. 何に投資をしたいのか決める
投資信託は商品によって投資対象が異なります。
投資対象資産としては、
・ 債券
・ リート(不動産)
・ コモディティ(金・原油・穀物など)
があり、さらに対象地域(国内か海外かなど)によって商品が分かれています。
また、「全世界のさまざまな資産にバランスよく投資する」という投資信託もあります。
商品を選ぶときは、まずは「何を対象に投資をしたいのか」で絞り込みをかけるとよいでしょう。
2. コストが低いものを選ぶ
投資信託にかかるコストとして大きいものは、「販売手数料」と「信託報酬」です。
販売手数料
販売手数料とは、投資信託を購入するときに支払うお金のことで、商品や販売会社によって異なります。
最近では、この販売手数料が無料の商品(ノーロード・ファンド)が増え、人気を集めています。
信託報酬
信託報酬とは、運用の対価として支払うお金のことです。
投信の保有期間中、継続して支払わなければなりません。
支払い請求がくるわけではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して何%」という形で毎日差し引かれます。
0.1%以下から3%以上まで信託報酬の額には幅がありますが、「たかが数%の違い」と思ってはいけません。
たとえば、200万円を元本として30年間、利回り4%で運用した場合、支払信託報酬額は
・ 信託報酬率0.5%:87万円
と大きな差がつきます。
似たような内容の投資信託商品であるなら、できるだけコストを安くおさえられるものを選びましょう。
3. 純資産総額は30億以上のものを
純資産総額とは、株式、債券、現金などのファンドの資産から負債を差し引いた財産の合計のことです。
この純資産総額は、その投資信託の「規模の大きさ」を示しています。
規模が大きいということは、投資家から人気があるということでもありますし、十分に分散投資をする余裕があるということでもあります。
安定した運用が期待できるよう、純資産総額が30億以上あり、減少傾向ではないものを選ぶとよいでしょう。

「eMAXIS Slimシリーズ」のメリット
ご紹介した3つのポイントを踏まえた上で、投資初心者におすすめなのが「eMAXIS Slimシリーズ」です。
1. コストが安い
「eMAXIS Slimシリーズ」は、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」というキャッチコピーを掲げています。
13本の商品がありますが、どれも販売手数料は無料で、信託報酬率も0.0968%~0.22%(2019年11月12日時点)と、大変低く抑えられています。
2. 種類が豊富でつみたてNISAでも買える
「eMAXIS Slimシリーズ」は現在13本の商品があり、ラインアップが豊富です。
・ 国内株式(日経平均)
・ 先進国株式インデックス
・ 新興国株式インデックス
・ 米国株式(S&P500)
・ 全世界株式(除く日本)
・ 全世界株式(オール・カントリー)
・ 全世界株式(3地域均等型)
・ バランス(8資産均等型)
・ 国内債券インデックス
・ 国内リートインデックス
・ 先進国債券インデックス
・ 先進国リートインデックス
このうち、債券とリートをのぞく9ファンドはつみたてNISAでも購入可能です。
3. 投資家からも人気
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」では、「eMAXIS Slimシリーズ」が7本選ばれており、投資家からも人気があります。
なお、選ばれたファンドは次のとおりです。
3位: 全世界株式(オール・カントリー)
5位: バランス(8資産均等型)
8位: 米国株式(S&P500)
10位: 全世界株式(除く日本)
13位: 新興国株式インデックス
18位: 全世界株式(3地域均等型)
コストが低水準で種類も豊富なため、「eMAXIS Slimシリーズ」の商品内容を軸として、他の似たような投資信託を比べてみる、というのも投資信託を選ぶ目線が鍛えられるのでおすすめです。
まずは「バランス」から始めてみる

投資の基本は「分散投資」です。
投資対象を増やすことで、資産運用に伴う価格変動リスクを減らすことができます。
個別に株、債券、リートなどに投資をすると、手間もお金もかかりますが、さまざまな資産に投資する投資信託を買えば、手間をかけずに少額で分散投資が可能です。
「eMAXIS Slimシリーズ」の「バランス(8資産均等型)」は、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リートおよび先進国リートへ、それぞれ12.5%の割合で投資をするというものです。
・ 信託報酬が0.154%と低水準(2019年12月3日時点)
・ 純資産総額は約390億円と十分な規模がある(2019年12月3日時点)
という3つの大きなメリットがあります。
「どのような対象に投資するべきか決められない」
という方は、まずはeMAXIS Slimのバランス(8資産均等型)から始めてみてはいかがでしょうか。
※信託報酬や純資産総額などの数値は変動することがあります。
ご自身でご確認のうえ、自己責任で投資くださいますようお願いいたします。(執筆者:AFP、2級FP技能士 青海 光)