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2020年の世界経済の見通し 景気はハイテク産業を中心に強含むことも想定

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2020年の世界経済の見通し 景気はハイテク産業を中心に強含むことも想定

2019年の世界経済の振り返り

2019年の世界経済の振り返り

2019年は、世界的に経済成長の速度が鈍化した1年となりました。

主要因はいうまでもなく米中の貿易戦争ですが、その影響は当事国の米中だけでなく、日本と同様輸出大国であるドイツなどの経済も冷え込ませました。

特にドイツでは、リセッション(景気後退)入り寸前というところまで悪化しました。

IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)が四半期ごとに公表する世界経済見通しも、公表される度に下方修正されていきました。

直近のOECDの世界経済見通しでは、2019年の世界全体の経済成長率予測は+2.9%と、+3.0%を下回っています。

新興国の経済成長率は相対的に高いため、

一般的に世界経済の成長率は+3.0%が好不調の分かれ目になる

といわれており、

リセッション寸前のラインまで減速してきている

のが分かります。


2019年に景気は底打ちしたとの声も

近年は、産業構造の変化により、非製造業が経済を牽引する形に変わってきています。

2019年も非製造業の業績は堅調で、低迷する製造業を非製造業がカバーする形になっていました。

しかし、製造業の不振も、2019年中に在庫調整が進み、2020年からは回復するとの見通しが一部で出てきています。

確かに、米国の半導体関連企業の決算を見てみると、その傾向は確認できます。

また、景気の先行きを見る重要指標の一つである、購買担当者景気指数(PMI)をみても、製造業では、悪いながらもドイツは9月に底をつけた感があり、中国も7か月ぶりに好不調の分かれ目である50を回復してきています。

足許では、米中の第1弾の通商協議が合意に達し、またブレグジットも「合意なし」になる可能性は非常に低くなり、これを好感して経済見通しについても楽観視している人が増えているように思います。

しかし、2020年も米中の通商協議は続きますし、1月末に英国はEUから離脱して11カ月間の移行期間入りしますが、各国・地域とのFTAやEPAの締結が11か月という短期間で可能なのかという問題も出てきます。

2020年から景気は回復するのか

ハイテク産業を中心に 強含むことも想定

2020年は、5Gが本格的に普及期を迎えそうであるうえに、人手不足から自動化、RPA等の技術もより進化していくと思われるため、ハイテク産業を中心に景気は強含むことも想定されます。

また、現段階では、日経平均採用銘柄のEPS(一株当たり利益)は2019年と比較して1ケタ台半ばから後半程度の伸び、米国のS&P500種株価指数のEPSは13%程度の伸びを見込む声が出ています。

しかし、10月以降直近まで世界的に株価は上昇してきており、また年末ということも加わって、先行き見通しがかなり楽観的になっているように思われます。

これまでも米国の大統領選挙の年は、当選する大統領によってその後の政策が大きく変わる可能性があり、不透明感から株式相場は伸び悩むことが多かったのも事実です。

2020年もリセッション入りすることはないと考えていますが、急速な回復は望めそうになく、2019年同様緩慢な成長が継続するとものと思われます。(執筆者:土井 良宣)

《土井 良宣》
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土井 良宣

元日本銀行員で、現在独立系のファイナンシャルプランナーとして活躍しています。一般的なファイナンシャルプランナーと異なり、マクロ経済分析をベースとした運用アドバイスを独立した立場から行っています。また、相続や保険・家計の見直しのご相談も承っております。 寄稿者にメッセージを送る

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