遺言書で遺言執行者(以下「執行者」とします)の指定があれば、相続をはじめとする遺言執行業務は全て執行者が行います。

しかし仕事がすべて終わった時、いくら支払えばよいのかはケースによって異なってきます

遺言書に記載があればそれに従う

遺言執行人2

遺言書に「執行者への報酬は「〇万円とする」あるいは「相続財産額の〇パーセントとする」などという記載があれば、その通りにして良いでしょう。

例えば「報酬はゼロ円とする」とあっても同様です。

生前に遺言作成者がその執行を頼んだ人が「報酬は要らない」と言ったのかもしれません。

勝手に無報酬で指定され、そんな条件はのめないのであれば、相続人と協議するか、執行者就任を断れます

額が高すぎると思った場合も、相続人と執行者との協議は可能です。

しかし、報酬が非常に高額だからという理由で解任することは難しいようです。

遺言書に記載がない場合

記載がないから支払わなくても良い、という訳にはいきません。

執行者は業務終了後、報酬が必要であれば家庭裁判所に対し「報酬付与の審判申立て」ができます。

裁判所は

相続財産額や業務の難易度、執行事務の内容などを総合的に判断して報酬額を決定

します。

相続人と執行者で話し合い、報酬額を決めても問題はありません

具体的な報酬額について

いくら報酬額は当事者間で自由に決められるとしても、目安となる報酬額は知りたいところです。

いわゆる専門家が執行者となる場合、一般的に

信託銀行>弁護士>司法書士や行政書士

の順で報酬が高額です。

・ 信託銀行だと相続財産額にかかわらず最低でも100万円以上

・ 弁護士であれば旧弁護士会報酬基準規定を目安として、最低30万円

財産総額が増えるほど報酬も増額するところが多いようです。

3,000万円までなら2%+24万円くらいです。

司法書士や行政書士の場合、最低金額を弁護士より安めに設定しており、

3,000万円までで1.2%+20万円

といったように相続財産額に応じたパーセンテージも低くしているところが多いようです。

ただいずれも自由報酬制ですので事務所によってかなり上下することがあります

執行人は信頼できる人物を選ぶ

遺言執行人3

いずれの場合も登記費用などの経費は別途かかります。

万一執行中に相続関連で訴訟に発展してしまった場合、弁護士以外が執行者であれば当然弁護士費用が別に掛かることが考えられます。

しかし、それ以外であれば、正直なところ誰が執行者に就任してもすることは同じです。

遺言作成者は誠実にきちんと業務をこなしてくれる、信頼に足る人物を選ぶべきですし、報酬額の多寡によりそれらの要件が決まるわけではありません。(執筆者:橋本玲子)