今回は、大口投資家である機関投資家や海外投資家が、どのようなタイミングで仕掛けて売買を行ってくるのかを「東証の信用残」に着目して解説していきたいと思います。

東証の信用残から相場の下落・上昇トレンドを読む

「信用残(信用残高)」とは

信用残(信用残高)」とは、信用取引でどれだけ各銘柄が売買されているのかを表したものです。

これには、

・ 期日が設けられていない「一般信用」

・ 半年期日の「制度信用」

の2種類が存在します。

ともに各個別銘柄の需給関係を判断するうえで重要なファクターであり、まずはじめに確認しておく必要があると言っても過言ではありません。

しかし、個別銘柄の動向だけを見ていては相場全体のトレンドを見誤ってしまう可能性があるため、市場全体の需給関係も確認しておく必要があるのです。

東証1部・2部の「信用残」の合計に着目する

相場は大口投資家である機関投資家や海外投資家が形成しており、売りを仕掛けてくるタイミングには最大の注意を払う必要があります。

そこで押さえておかなければならないのが、

彼らが仕掛けるのは不安心を煽った売買であり、半年後に必ず反対売買しなければならない信用取引がターゲットになりやすい

という点です。

以前に個別銘柄の「信用残」については解説しましたが、より広い視野で相場のトレンドを見極めるには、市場全体の制度信用残高がどれだけ積みあがっているのかを見極める必要があるのです。

そこで、

注目すべきなのが「東証1部・2部の合計の信用残高」

です。

過去数年間の「信用残」の範囲は12万~24万株であり、これが

上限の24万株近くになると要注意となり、大口投資家が売りを仕掛けてくる可能性が高くなる

のです。

米中貿易摩擦

実際に、過去2016年のチャイナショック前、2018年初頭の米中貿易戦争前の信用残高は過去最高水準まで積み上がっており、悪材料をトリガーとして日経平均は暴落しています。

反対に、

「信用残」が底を付いたタイミング12万株近辺では、下落トレンドから上昇トレンドに相場の流れは大きく変わっている

のです。

2019年にも同様の状況(2019年9月20日、11万4,040株)となっており、大きく売り込まれた半導体関連銘柄などを中心に大相場を形成したのです。

相場全体で「信用残」が少なくなったタイミングを狙う

東証全体の「信用残」を確認することは機関投資家の動向を予測するための重要な判断材料であるため、その推移は定期的に確認しておく必要があります。

特に、中・長期投資をメインに検討している場合には、相場全体で「信用残」が少なくなった時を狙うのがベストといえます。

しかし、相場全体の残が底を打っても個別銘柄によっては全く逆の展開となる場合が考えられるため、適格銘柄を選別できるだけの知識を身に付けることも忘れないよう心掛けましょう。(執筆者:白鳥 翔一)