現在、新型コロナウイルスが世界を騒がせています。

中国のみならず全世界で大流行の兆しを見せており、特に海外旅行・海外駐在をする方は心配でしょう。

海外の医療費は日本と比較してはるかに高額ですので、お財布の心配もあります。

そこでこの記事では、新型コロナウイルスに限らず、感染症や病気などで具合が悪くなった場合の対処法を紹介して、せめてお財布の心配だけでも払拭していただければと思っています。

海外の医療費は超高額

海外の医療費は日本と比較してはるかに高額ですが、まずはどれだけ高額かを見ていただきましょう。

参考までに、日本(聖路加国際病院)・アメリカ(Nippon Medical Clinic)・フランス(American Hospital of Paris)の医療費を比較します。

海外の医療費を比較

日本の医療費がいかに安く抑えられるか、分かります。

ジェイアイ傷害火災の一例

ブルネイをクルーズ中に下痢・嘔吐・食欲不振で衰弱したため下船し受診したところ、肺炎と診断されて123日間入院しました。

家族が駆けつけて医師・看護師が付き添い、チャーター機で医療搬送したところ、1,888万円かかったそうです。

これはかなり高額な例ですが、数万円~数十万円の医療費はかかると思っていいでしょう。

海外でも国民健康保険・社会保険が使える

海外でも国民健康保険・社会保険が使える

≪画像元:高松市

医療費を安く抑えられる方法としてまず思い浮かぶのが、国民健康保険・社会保険などの保険です。

これらの保険は国内のみ有効と思われがちですが、「海外療養費制度」を活用すれば海外での医療機関受診にも使えます

以下のような流れで活用してください。

1. 「海外療養費支給申請書類」を受け取る

海外療養費支給申請書類

≪画像元:全国健康保険協会(pdf)≫

日本出発前に、加入している健康保険窓口で「海外療養費支給申請書類」を受け取るといいでしょう。

ダウンロードできる健康保険も増えてきています。

2. 現地医療機関で受診する

現地医療機関で受診する際は、「診療内容明細書」と「領収明細書」を作成してもらい、いったん全額を自己負担します。

いずれの書類も、医師の証明を受けたものでなければなりません。

領収明細書がない場合は、領収書の原本が必要となる場合もあるので、忘れないでください

3. 帰国後に申請

帰国後、「診療内容明細書」と「領収明細書」のそれぞれの翻訳を作成します。

翻訳者の住所・氏名・捺印が必要ですが、翻訳者は本人・家族・他人など誰でも構いません。

海外療養費支給申請書類は自分で記入します。

・海外療養費支給申請書
・診療内容明細書
・領収明細書
・診療内容明細書・領収明細書のそれぞれの翻訳

を提出して申請しましょう。

保険の自己負担分を差し引いた金額が支払われます。

現地で気分が悪くなったらクレカの海外旅行保険(疾病治療)が適用される

クレカの海外旅行保険(疾病治療)が適用

≪画像元:エポスカード

旅行中に気分が悪くなった場合、クレジットカード付帯の海外旅行保険が適用されます。

この場合は「疾病治療」という補償項目が適用となりますので、手持ちのクレジットカードに疾病治療の項目が付帯しているか確認してください。

最近では、海外旅行保険が付帯する年会費無料のクレカも多いですが、疾病治療が付帯しないクレカもあります

キャッシュレス診療付きのクレカがおすすめ!

海外滞在中に気分が悪くなって現地の医療機関を受診した場合、まずは自分で医療費を立て替えなければなりません。

クレカ払いができればまだしも、いきなり数十万円の現金を用立てるのは難しいですよね。

そこでおすすめなのが、「キャッシュレス診療」です。

キャッシュレス診療付きのクレカの海外旅行保険ならば、加入者が立て替えることなく医療機関を受診できます。

ただし、キャッシュレス診療に対応している現地の医療機関は、都市部を中心に限られていますので注意しましょう。

現地駐在員は駐在保険も検討

現地駐在員は駐在保険も検討

≪画像元:AIG損保≫

海外旅行保険は最長でも90日しか補償してくれないものが多く、滞在期間の長い現地駐在員は「駐在保険」に加入しておくといいでしょう。

例えば、AIG損保の駐在保険は治療費用を無制限に補償してくれ高額な医療費でも安心、後ほど説明するキャッシュレス診療サービスも付いています。

現地でクレカの海外旅行保険のキャッシュレス診療を受ける流れ

ここでは、クレカの海外旅行保険を使ってキャッシュレス診療を受ける一般的な流れを説明しましょう。

1. クレカ会社の海外旅行保険の事故受付センターに電話をする

三井住友カードの緊急アシスタントサービス

≪画像元:三井住友VISAカード

海外旅行保険のしおりやクレカ会社のホームページを見ると、滞在先別に緊急連絡先が記載されていますので、そこに連絡しましょう。

基本的に24時間365日対応していますので、気分が悪くなったらすぐに電話できます。

本人確認や現地滞在先、症状などを聞かれますので、感染症が疑われる場合は正直に申し出てください。

2. 現地で対応する医療機関を紹介される

オペレーターの方が医療機関を探して折り返し連絡をして、現地で対応する医療機関を紹介くれます。

自力で移動できる体力があれば、タクシーなどを利用して医療機関へ行きましょう(ダメなら救急車で移動)。

その際、パスポートと該当する海外旅行保険が付帯したクレジットカードを忘れないでください。

この2つがないと、キャッシュレス診療を受けることができませんので。

3. 現地スタッフと合流する

医療機関に到着したら、保険会社の現地スタッフと合流してください。

分からない場合は、緊急連絡先に改めて連絡するといいでしょう。

日本人観光客が多い地域でしたら日本語を話せる可能性が高いですが、そうでない場合は英語でのやり取りとなる可能性が高いです。

スマホの通訳機能を使えれば心強いので、スマホも持って行くといいですね。

4. 受診する

待合室で書類記入(日本語と英語の同意書)を行います。

クレジットカード・パスポートを現地スタッフに渡して、診察室に入ります。

提携病院の医師はまず英語を話せますので、ここでもスマホの通訳機能が活躍するでしょう。

提携病院の医師はまず英語を話せます

ちなみに、パリの提携医療機関となっている保険会社が多いアメリカン・ホスピタルでは、日本人の医師・看護師・通訳が在籍していますので、言葉の心配はありません。

5. 薬をもらう

医師に処方箋を書いてもらったら医療機関での会計ですが、キャッシュレス診療なので支払いはありません。

薬をもらう場合も同様です。

基本的な手続きはすべて現地スタッフが行ってくれるので、具合の悪い人間としてはありがたいです。

パスポートとクレジットカードを返却してもらうことも忘れないでください

通常の海外旅行保険は、帰国後の書類作成が面倒ですが、キャッシュレス診療は帰国後の書類作成もありません

帰国後に病院に行ってもクレカの海外旅行保険は適用される

「旅行中は症状がなかったが、帰国後に気分が悪くなって国内の医療機関を受診した」という場合でも、クレジットカードの海外旅行保険は適用される可能性があります。

感染症の中には、感染してから発症するまでの潜伏期間が長いものもあります。

以下の条件を満たせば、保険内の「疾病治療費用保険金」を利用して海外旅行保険から補償を受けられるのです。

・ 海外旅行中または旅行終了後72時間以内に発病し、かつ医師の治療を開始した(旅行終了後に発病した場合は旅行中に原因が発生したものに限る)

・ 海外旅行中に感染した特定の伝染病が原因で、旅行終了後30日以内に医師の治療を開始した場合

ちなみに新型コロナウイルスが原因の肺炎については、政府が指定感染症への指定を決定(2020年2月7日に施行予定)したため、上記の「特定の伝染病」に該当すると思われます。

いきなりの来院は避け、まずは関係各所へ電話しよう

感染症が疑われる場合はいきなり医療機関を受診することを避け、クレジットカード会社・保健所などに電話をして指示を仰ぎましょう

特に新型コロナウイルスについては、新型コロナウイルス専用の電話相談窓口に連絡するといいでしょう。

新型コロナウイルス専用ダイアル

≪画像元:厚生労働省

クレカの海外旅行保険適用に必要な手続き

医師による診療後に、クレジットカードの海外旅行保険に対する手続きを行いましょう。

その際に必要な書類は、以下の通りです。

・航空券(搭乗券)の半券、またはeチケット

・医療機関の診療明細(領収書)

・請求書(クレジットカード会社から送られてくる)

以上の書類をそろえて返送すると、早ければ1週間程度でかかった費用が振り込まれます。

帰国後の検査項目は多岐にわたり、保険適用になっても医療費が高額になる可能性が高いため、ぜひ請求しておきましょう。

海外で感染症などの病気になったら、お金の心配をなくして治療に専念しよう

日本と異なり現金を調達手段に乏しい海外旅行では、感染症などの病気になった際のお金の心配も尽きません。

特に、海外の医療費は日本のそれよりはるかに高額です。

そんなとき、加入している国民健康保険などの海外療養費制度を活用すれば、帰国後に自己負担分を除いた金額を返金してもらえます

現地でいったん立て替えるのも嫌な方は、クレジットカードのキャッシュレス診療を使うといいでしょう。

現地滞在中に原因があると考えられる病気の診療なら、帰国後も海外旅行保険が適用されます。

お金の心配をすると治るものも治りませんので、これらの方法でお金の心配を少なくして、治療に専念しましょう。(執筆者:角野 達仁)