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新型肺炎がアジアの株式市場を荒らす 今年前半は「米国へシフト」か「コロナ感染終息」を待つべし

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新型肺炎がアジアの株式市場を荒らす 今年前半は「米国へシフト」か「コロナ感染終息」を待つべし

新型肺炎(COVID-19)の国内感染が続いており、1兆円にも及ぶと言われる日本経済への影響が心配な状況です。

国内株式相場はもちろん、世界的な株式相場の動きは「脱アジア」がキーワードになる傾向が見えてきました。

それに対し、大統領選挙の予備選が始まった米国は史上最高値更新が続く株式相場であり、「米国へのシフト」も見えてきました。

まだ数カ月かかると思われる新型肺炎による株式相場への影響を、今年前半に絞って考えてみましょう。

今はアメリカが熱い

脱アジア・米国シフトの現状

今年に入って、中東紛争と新型肺炎という2つの黒い白鳥(ブラックスワン:事前予想が出来ないまま壊滅的被害をもたらす、めったに起きない事象)がやって来ました。

その新型肺炎の発生地である中国ではまだ経済活動が再開されていない地域もあり、このままでは物資の在庫が切れる4月以降に、日本にも大きな影響が出る可能性があります。

まずは年初来の株式相場を確認し、今年前半までの相場の波を検証しましょう。

世界の株式相場

2/14時点での世界の年初来株価は、次の通りです。

アジア圏の株価下落、アメリカへのシフトがおすすめ

《画像元:筆者作成》

日本はほぼ横ばいですが、中国を始めとしたアジア圏は軒並み下落

対して、米国を始めとした欧州は、昨年末からの上昇基調を維持している状況です。

ポイントとしては中国との

1. 地理的な近さ
2. 経済の親密度

が、株式相場にも影響しているようです。

アジア各国の株式相場に投資することはもちろん、米国スターバックスの株価が急落するなど、中国経済と親密な個別企業への投資は慎重にならざるを得ません

日本企業への影響

中国およびアジア圏に工場を持ち、売上高が多い日本企業の株価にも、悪い影響が出てくるでしょう。

現在12月までの四半期決算が発表されていますが、これにはまだ新型肺炎の影響は反映されておらず、日本の株式相場は横ばいを維持しています。

しかし来期見込みと3月末の四半期決算が発表される4~5月が、1つのポイントになるでしょう。

新型肺炎の終息が4月までにあり、結果的に日本経済への影響が短期間だった、というハッピーシナリオであれば、昨年決定された補正予算が執行されるタイミングと重なり一気に上昇する可能性があります。

逆に終息が長引く国内感染によって、4月以降に物資在庫が不足し工場が休止するなどして経済活動が滞ると、決算発表のタイミングで失望売りが重なるワーストシナリオの可能性もあります。

特に次の業界は、しばらく敬遠した方が良いでしょう。

・ 航空業界:JAL、ANAなどの空輸業界は、世界的に人の移動が制約されるため悪影響
・ 建設機械業界:日立建機やコマツなどの建機業界は、アジア需要の減退で悪影響

【関連記事】:新型肺炎が及ぼす株価への影響、4月が一つのタイミングに。t

経済ファンダメンタルに沿った上昇基調の米国株式相場

アジア圏の失速に対し、2羽のブラックスワンにも負けなかった米国の株式相場は、史上最高値を更新する好調さを維持しています。

米中貿易摩擦の第一弾合意で関税が引き下げられ、大統領選挙予備選で対戦相手の民主党候補に本命が現れず、雇用統計も好調を維持したままトランプ大統領の再選が有力視されています。

また米国中央銀行FRBによる金融緩和策も6月まで維持されることとなり、その後も年内に利下げが予想されているなど、株式相場に好材料がめじろ押しです。

もちろん米国も中国との経済的な結びつきは強いものの、代替策があり、世界の経済トップを担う基調に変化はありません。

新型肺炎の影響が止まるまでは、日本を含むアジア株式相場への投資ではなく、銀行や証券会社でも取扱いがある購入手数料無料の米国株式ファンド(主にNYダウなど指数へのインデックス投資信託)への投資も一考です。

今年前半の日本株式相場への投資

我慢の時なんだ

国内株式相場は横ばいを維持している状況ですが、経済への悪影響が現れるのはこれからです。

新型肺炎の広がりが終息するまでは下落傾向が続き2002年SARSの時と同じように感染者数が減少を始めると株式相場も反転すると予想しています。

そのタイミングまでは待ちの姿勢、そこから投資を始めオリンピックまでの今年前半が相場のピークとなるでしょう。

【関連記事】:【2020年の株式相場予想】共通点は「前半勝負」 上値2万5,000円を越える要因と下値2万2,000円を下回る要因をさぐる

その後は米国大統領選挙が終わる11月まで、下落傾向または横ばい相場になるでしょう。

とにかく今年の相場の上昇ピークは前半、後半は下落傾向が強くなり、2021年には景気後退局面が来るかもしれません。(執筆者:中野 徹)

《中野 徹》
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中野 徹

中野 徹

1970年生まれ。大学卒業後、銀行・証券・保険と金融3業態全てにおいて勤務経験を持ち、実務経験を踏まえた客観的なアドバイスに強みを持つ。お金にまつわる専門知識を分かりやすく、販売側の都合を排除したポイントを解説していきます。趣味は料理とアメリカンフットボール観戦。 <保有資格>プライベートバンカー(シニア) 寄稿者にメッセージを送る

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