今回は、低迷する黒鉛電極市場について、その関連銘柄の動向を踏まえて解説していきたいと思います。

黒鉛電極市場は値下げに動く

東海カーボン

≪画像元:東海カーボン

黒鉛電極は、電炉で鉄スクラップを溶かすのに使う材料です。

世界的な環境規制を背景に、黒鉛電極価格は一時5倍以上に急騰しました

しかし、米中貿易戦争及びコロナウイルスによる中国経済減速懸念により黒鉛電極の価格は大きく下落し始め、大手の東海カーボン(5301)は、全体の1割~2割の値下げをさらに検討している状況となっています。

関連銘柄の株価は織り込み済みで上昇に転じる

国内最大手の昭和電工の来期業績予は市場予想を下回り、今期純利益は61%減収、東海カーボンや日本カーボンも大幅な減収減益を予想しています

しかし、上記銘柄は決算発表翌日に一時下落に転じましたが、その後上昇に転じています

コロナウイルスによる影響は業績に織り込み済み

昭和電工は今後の黒鉛電極の需要について、

20年1~3月が底で10~12月には本格的に回復する

としており、コロナウイルスによる影響は20年6月まで影響が続く前提で業績にすでに織り込んでいるのです。

東海カーボン(5301)の場合、現在の株価は2017年末と同水準で推移しています

この時の企業業績と今期予想を比較しても業績は今期の方が改善しているのです。

空売りの買い戻しが入っている

また、決算発表時に下落しなかったもう1つの理由として、機関投資家による空売りが関係しています。

日経新聞社は、1月22日にすでに東海カーボンの来期予想が大幅な減収減益となることを発表しており、機関投資家による空売りが進められていたため、その買い戻しが入りやすい環境となっていたのです。

これにより、市場は黒鉛電極の値下げは予想済みであり悪材料出尽くしで反応しているのです。

黒鉛事業の利益率の変化に注目

株価のアップダウン

黒鉛電極市場は今後さらなる値下げが予想されており、各企業の利益に多大な影響を与えるのは避けられない状態となっています。

そこで重要となってくるのが、

黒鉛電極事業の利益率の低下がどこで底を付くか

であり、これが確認されたタイミングで株価は上昇に転じる可能性が非常に高くなるのです

年後半に向けて回復していくかどうかがカギ

以上より、黒鉛電極市場は現在大幅な調整に入っており、今後のさらなる値下げを織り込みに行く必要があります。

そこで重要となってくるのが、黒鉛電極事業の利益率底打ちのタイミングがどこで来るのかであり、関連銘柄の利益率の推移に注目することが必要です

過去の決算短信からこの利益率の変化を長期間にわたり導き出し、年後半に向けて回復していくのかを確認していくことが重要となるのです。(執筆者:白鳥 翔一)