保険のCMなどで「先進医療による治療もサポート」とか「先進医療も全額補償」といったフレーズをよく耳にしますが、「先進医療」とは一体どんなものなのでしょうか。

また、実際に治療として受けている人はどの位いるのでしょうか。

今回は、高額な先進医療に備えておきたいと考える人の参考になるように、対象の疾病名・治療技術などを詳しく紹介したいと思います。

「先進医療」とは

「先進医療」とは?

病院で治療を受け、公的医療保険が適応される場合は、治療費は自己負担割合3割で計算されます。

ただし、年齢によっては、1割または2割で計算されることもあります。

「先進医療」とは、この公的医療保険の対象になるかどうか、まだ検討中の医療のことで、通常は全額自己負担です。

「先進医療」と認められるには、特定の大学病院での研究・治療・手術の実績とともに、厚生労働省に認められる必要があります。

令和2年2月1日現在、厚生労働省に認められている先進医療は87種類あります。

先進医療の対象となる疾病名と治療技術

対象となる疾病名と治療技術

令和2年2月1日現在で87種類の先進医療が存在しますが、具体的な内容をいくつか箇条書きで挙げてみます。

・ 子宮腺筋症に対しての、高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術

・ 脳腫瘍・肺、縦隔腫瘍、消化管腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍などに対しての陽子線治療

・ 肺、縦隔腫瘍、消化管腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍などに対しての重粒子線治療

・ 家族性アルツハイマー病に対しての遺伝子診断

・ 白内障に対しての多焦点内レンズを用いた水晶体再建術

・ 歯周炎による重度垂直性骨欠損に対しての歯周外科治療でのバイオ・リジェネレーション法

など、これらはあくまで一例です。

こういった先進医療を受けることのできる医療機関は、限られています。

もしも、

・ 先進医療を実施している医療機関

・ 先進医療の種類

上記のようなことについて知りたい場合には、厚生労働省のホームページで確認できます。

年間の適用人数と治療費

年間の適用人数と治療費

2017年7月1日から2018年6月30日の間で先進医療を実施した医療機関の数は936施設で、患者さんの数は2万8,539人とのデータがあります。

なかでも年間で一番実施が多かった先進医療技術は、下記のとおり多焦点内レンズを用いた水晶体再建術でした。

また、「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」については、他の先進治療に比べると、かなり抑えられた額になっています。

・ 多焦点内レンズを用いた水晶体再建術 … 年間2万3,859件、技術料は1件あたり65万6,419円

・ 陽子線治療 … 年間1,663件、技術料は1件あたり、271万6,016円

・ 重粒子治療 … 年間1,008件、技術料は1件あたり、313万3,672円

・ 歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法 … 年間105件、技術料は1件あたり、5万9,830円

先進医療を受ける場合の基本的なこと

一般的な保険治療を受けるなかで、患者側の希望があり、医師が必要性や合理性を認めた場合に行われるのが先進医療です。

もちろん、先進医療を受ける際には内容や費用の説明を十分受けて納得したうえで、治療開始となります。

また、先進医療を受けた際の領収書は、医療費控除を受ける場合に使うことができますので、きちんと受け取って保管しましょう

先進医療を受けるか迷ったときは

先進医療を受けるか迷ったときは

先進医療は全額自己負担となりますので、公的医療保険を使った治療よりも費用がかかりますが、大学病院で研究された方法を使った治療ができる機会でもあります。

また、民間の医療保険については、先進医療保険を特約として数百円で付けることができたり、もともとの保険内容に組み込まれているというパターンが多いので、まずは確認してみましょう。

先進医療での治療を開始するにしても民間の先進医療保険に加入するにしても、十分説明を聞き、納得できる方法を選択することが一番です。

納得がいかない場合や違和感を覚えたときには、何度でも確認するようにしましょう

科学的根拠のある治療で無駄な出費を防ぐ

科学的根拠のある治療で無駄な出費を防ぐ

私たちが現在、病院で受けることのできる治療は、内容に根拠あって、かつ最先端で一番いい方法です。

病気になると心細くなりがちですが、これを飲むとガンが消滅する、とか、これで患部を撫でると治るとか、弱くなった気持ちにつけ込んで民間療法を勧める人がたくさんいます。

そこに無駄な時間とお金を使うことは命を削ることになりますので気を付けましょう。(執筆者:AFP、2級FP技能士 大川 真理子)