新型コロナウィルスの感染拡大が、毎日のように報道されています。

中国から始まり、日本でもクルーズ船を含め感染者が1,000人を超えました。

もしも感染した場合には、一定期間お仕事を休むことになります。

働けない期間の収入が減ってしまうのは、不安です。

要件を満たしていれば感染した場合に受給できる傷病手当金について、今回ご紹介します。

健康保険「傷病手当金」の受給要件と金額

傷病手当金とは

病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、健康保険から支払われます。

要件すべてに該当する必要あり

傷病手当金は、以下の条件すべて該当した場合に支給されます。

・ 健康保険(全国健康保険協会・健康保険組合)の被保険者であること

・ 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

・ 仕事に就けないこと

・ 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

・ 休業した期間について給与の支払いがないこと

全ての病気やケガが対象という訳ではなく、対象外となる場合がありますので注意してください

具体例は次のとおりです。

・ 任意継続被保険者である期間中に発生した病気やケガ

・ 業務上、通勤災害によるもの(労災保険の給付対象です)

・ 病気と見なされないもの(美容整形など)

自営業の方が加入される国民健康保険は、傷病手当金の制度はありません

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、自宅待機者にも給付する方針

通常、医師の意見書にて仕事ができない状態だったと証明してもらう必要があります。

しかし、厚生労働省は、今回の新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、発熱によって会社から自宅療養を指示された社員にも、医師の意見書がなくても一定の条件を満たせば傷病手当金の給付を認める方針と3/3に発表されました。

詳細については、まだ詳しく分かっていませんので、今後の報道に注目です。

支給開始した日から最長1年6か月間支給

傷病手当金が支給される期間は、 支給開始した日から最長1年6か月

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6か月です。

仕事に就けなくなって最初の3日間は「待機期間」といい、支給開始されるのは4日目からです。

4日目から1年6か月の間に仕事に復帰し、再び同じ病気やケガで仕事に就けなくなった場合、1年6か月の間であれば支給されます

支給開始後1年6か月を超えた場合は、病気やケガで仕事に就けなくても、傷病手当金は支給されないので注意です。

傷病手当金の額

傷病手当金は、支給期間に1日あたりの金額を掛けて計算します。

1日あたりの金額の計算式は、以下のとおりです。

【支給開始日の以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額】 ÷ 30日 × (2/3)

1か月休んだ場合、おおよそ給与の2/3になります

休んだ期間に給与の支払いがあった場合

休んだ期間に給与の支払いがあった場合、給与の日額が傷病手当金の日額より少ない場合は、傷病手当金と給与の差額が支給されます。

支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合

次の(ア)、(イ)を計算して、いずれか低い額を使用します。

(ア)支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額

(イ)標準報酬月額の平均額

・ 28万円:支給開始日が平成31年3月31日までの方

・ 30万円:支給開始日が平成31年4月1日以降の方

全国健康保険協会の場合、標準報酬月額は、健康保険は第1級の5万8,000円から第50級の139万円までの全50等級に区分されています。

都道府県や時期によって金額が違っていますので、注意してください。

全国健康保険協会

≪画像元:全国健康保険協会

資格喪失後の継続給付

健康保険の資格を喪失した場合でも、条件を満たしていれば引き続き傷病手当金を支給できます

条件は以下のとおりです。

・ 資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あること

・ 被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けていること

・ 被保険者資格喪失日の前日に、傷病手当金を受けられる状態であること

支給開始した日(休業4日目)から最長1年6か月間支給されるのは通常の場合と同じですが、資格喪失後は仕事に復帰し、再び同じ病気やケガで仕事に就けなくなっても、傷病手当金は支給されません

社会保険料は免除されない

出産育児の場合、休業期間は社会保険料が免除されます。

しかし、病気やケガでの休業の場合は免除の対象ではありません。

多くの会社は給与時に社会保険料を控除していますが、給与が発生していなければ、社会保険料がマイナスとなりますので、どのように支払うかは会社と相談する必要があります。

長期のお休みには傷病手当金を申請することも視野に

ちょっとした病気やケガであれば、有給休暇を使うことが考えられます。

長期間お休みしなければいけない場合は、給与の2/3が補填できる傷病手当金を申請することも選択肢の1つとして知っておくだけで、不安が薄れるかと思います。(執筆者:社会保険労務士、2級FP技能士 望月 葵)