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急落する日経平均 5~6月相場のリスクと各国政府の行動に注目

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急落する日経平均 5~6月相場のリスクと各国政府の行動に注目

今回は、コロナウイルスによる世界同時株安に見舞われている株式市場の5~6月相場のリスク要因について解説していきたいと思います。

1~3月期GDPのマイナス幅に注意

2019年10~12月期GDP(国内総生産)は、消費税増税の影響を受け7.1%減と市場予想を大幅に下回りました。

過去の経験則より、GDPが大幅にマイナス(リーマンショック、過去消費税増税時)となった次期のGDPは多少反発して上昇する傾向にありましたが、今回はコロナウイルスの世界的な拡散という特殊要因が発生してしまったため、2四半期連続でマイナス成長となることが予想されています。

アナリスト予想の平均値は、2020年1~3月期GDPが前期比年率3.0%減と大幅なマイナスとなるとしており、通常2四半期連続でマイナスとなると景気後退局面入りと判断される傾向にあるため、株式市場はこれを織り込む形で暴落を繰り返しているのです。

急落する日経平均

さらに注意しなければいけないのが、今回のコロナショックが長引けば2四半期連続だけではなく、年間を通してのマイナス成長となる可能性がある点です。

そのため、次期GDP値が市場予想を上回れるかどうか、コロナウイルスが季節的な要因であり拡散のペースが頭打ちになるかどうかには注意しておく必要があるのです。

21年度3月期通期業績に注意

今回のコロナウイルスによる世界景気後退局面において、各企業は来期業績予想において慎重なガイドラインを発表することが想定されています。

企業の想定為替レートは平均108円であり、今回のコロナショックにより一時101円台まで為替は円高となりました。

これによる業績への悪影響には十分注意する必要があります。

トヨタ自動車の場合、1.0円の円高で営業利益が400億円押し下げられるとされています。

売上高に占める米国の割合が高いため、業績への悪化懸念が不安視されているのです。 

また、FRBは、今回のコロナショックを受けて1.0%の追加利下げを発表しており今月だけで1.5%もの大幅利下げに踏み切り、4年ぶりのゼロ金利政策に踏み切りました。

これに対し、日銀は20年3月16日に前倒しで金融政策決定会合を開き、ETF購入額を従来の6兆円から上限12兆円に倍増し、企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)・社債の購入や中小企業の資金繰り支援のための金融機関向けの資金供給も拡充することを決定しました。

しかし、マイナス金利の深堀の可能性を示したものの政策金利の引き下げは見送り据え置きましました

これにより、日米の金利差が大幅に縮小してしまったため、一層の円高リスクには注意しておく必要があるのです。

一層の円高リスクには注意

改正外為法の動向に注意

外為法は、外国投資家による日本への投資規制について述べており、外国投資家が上場会社の株式を10%以上取得する場合は事前に届出、政府が審査を行うことが義務付けられています

今回の改正では、武器、航空機、宇宙、原子力、サイバーセキュリティー、電力、ガスなどの重要な12分野の株式を外国人投資家が取得する際、従来の保有比率10%以上の基準を1%以上に厳格化するとしており、政府は5月の施行を目指しているのです。

この規制が強化されることで外国人投資家の負担増につながるとの懸念が出ていることから、日本株式に対する投資割合を縮小する可能性が考えられるため、同法案の行方には注目しておかなければなりません。

6月末のポイント還元終了に注意

有難かったポイント還元も終了

現在、消費税増税に伴うポイント還元が行われており、キャッシュレス決済が急速に拡大しつつあります。


今回の消費税増税に伴い、日本の2019年10~12月期GDP(国内総生産)は7.1%減と過去ワースト4位の下落率となりましたが、これにはポイント還元による緩和がある程度寄与しているため、6月末のポイント還元終了後が本当の意味での消費税増税といっても過言ではありません。

そのため、個人消費への悪影響には十分注意する必要があります。

しかし、今回のコロナショックによる日本国内への影響を考え、消費税減税論が一部出てきています。

消費増税時、安倍首相は「リーマンショック級の出来事が起こらなければ消費税を8%→10%に引き上げる予定だ」とコメントしており、今回のコロナショックはリーマンショック級であることから今後の政府の対応に注目しておいた方がいいでしょう。

世界的な株価暴落で各国政府が動き出す

世界的に株価は暴落

以上より、現在コロナウイルスの拡散により世界的な景気減速局面にあり、世界的に株価は暴落しています。

目先の動向として多少はリバウンドを期待できる可能性もありますが、5~6月にかけてリスクイベントがいくつも控えているため、リスク管理は慎重に行わなければなりません。

しかし、今回のこのコロナショックはリーマンショック級の出来事であり、世界的な協調緩和策が取られていることからも、政府の財政出動が必要にならざるお得ない状況となっています。

コロナウイルス感染拡大阻止のため各国政府がどのような行動に出るのか。減税などの大胆な緩和策がとられる可能性などを意識しなければならないのです。(執筆者:白鳥 翔一)

《白鳥 翔一》
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白鳥 翔一

大学院にて化学を専攻し、現在某証券会社にて働いている現役の証券マンです。周りに流されない独自の投資理論で営業活動をしており、そこで得た経験を生かしてライターとしても活動しています。 寄稿者にメッセージを送る

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