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【株式投資】「いつ買うか」の基準 冷静に投資判断を行うためのコツ

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【株式投資】「いつ買うか」の基準 冷静に投資判断を行うためのコツ

株式相場が暴落した時、「いつ買うか」と悩まれる方は多いでしょう。

証券会社の営業マンに聞けば「今でしょう。」と答える人は少なくありません。

金融商品を販売する仕事ですから、顧客からの買い注文を断る理由はありません。

投資家同士の話し合いも

「先はどうなるか分からない。」

「落ち着くまで様子見をしよう。」

といった会話になりがちです。

皆が買いに動いてからではせっかくの投資機会を逃すかもしれず、自分で結論を出すしかないというのが実情です。

この記事では、私が2008年秋のリーマンショックの相場を含め、FPとしてお客様のアドバイザーを務めてきた経験を元に、冷静に投資判断を行うためのコツをお伝えします。

「いつ買うか」の判断基準

2020年2月~3月の暴落を検証

2020年2月の後半から3月中旬にかけて新型コロナウイルスの影響で株価が暴落しました。

日経平均株価(※)は、2020年2月28日(金)の終値が2万1,142.96円、3月19日(木)には1万6,552.83円まで暴落し、3月27日(金)には1万9,389.43円まで戻しました。(2019年12月30日終値2万3,656.62円。日本経済新聞社終値)

振り返れば、3月19日(木)1万6,552.83円で日経平均株価のインデックスファンドに投資できていれば、3月27日(金)1万9,389.43円時点で大きな利益を出すことができた計算になります。

この期間での日経平均株価の上昇率は約17%に上ります。

乱高下相場の場合、

「買おうと思ったのに買えなかった。」

「買ったけど、日経平均株価2万円程度で買ってしまい早すぎた。」

といった結果になる方は少なくありません。

「買おうと思ったのに」買えない人とは

買おうと思ったのに買えない人にはさまざまな理由があります。

含み損を抱えている

すでに投資をしている人は、暴落で含み損を抱えてしまいます

すでに損をしているのに、追加の現金を使って投資をする気が起きないのです。

1,000万円投資をしていて、すでに含み損を200万円抱えていたら、追加でもう1,000万円投資し、さらに下げが止まらなかったら、損失は560万円に登ってしまいます。

計算例

1,000万円が20%下落 → 800万円

800万円がさらに20%下落 → 640万円(当初から360万円の損失)

追加投資した1,000万円が20%下落 → 800万円(200万円の損失)

合計の損失額:560万円

このような試算をしてしまうと、投資に踏み切れないという気持ちは理解できます。

投資をするのが怖い

これまで投資をしたことがない人や、極端に保守的な方は、十分な投資資金があるにも関わらず買い付けに踏み切れない傾向があります。

元本割れの経験がないため、投資に踏み切る勇気が出ないのです。

何事も初めてのことをする際は、勇気が必要です。

下落相場が初めての実戦では、勇気が足りないのは仕方がありません。

そう言った意味で、少額でも若いうちから投資を経験することは、その後の人生にとって財産になります

「買うのが早すぎた」人とは

買うのが早すぎた

投資経験が豊富な方に起きやすい傾向があります。

通常の株式相場の急落の時は、5%~10%程度下落で反発し始めることも少なくありません。

そのような小刻みの上下の相場での成功体験があると、「買うのが早すぎた」ということが生じます。

投資の勇気が出ないのもダメ、勇気があり過ぎるのもダメ

ではどのようにすれば、冷静に判断して投資できるのでしょうか。

超長期を振り返る

相場の急落時に、未来を予測することは非常に難しいことです。

経済が後退すれば、企業業績は変わるため、直近の財務分析指標は役に立ちません。

また、相場の上下を巻き起こしている原因の1つとして、最近はAIを利用したコンピューター取引の影響があります

大きな資金を動かしているヘッジファンドは、数日程度の短期間で1兆円以上の資産売却の決済をすることもあります。

そのような状況でマーケットを読もうとするのは、非常に難しいと言えます。

一方、過去を振り返ることは有効になります。

ただし、振り返る際は、5年や10年ではなく、30年程度の過去を振り返る必要があります

例えば、

過去30年の株式相場下落時を振り返り、どのようなニュースでどのくらい株式相場が下げたか、投資対象の株が上場来からどのような水準にあるのか、などの超長期の過去を振り返ります。

そういう振り返りから現状のタイミングで投資することが有効かどうか、冷静に判断ができます

私の経験上、投資が初めてという方は、これから株式相場が上がるか下がるかを議論せず、過去のチャートを見ることに集中すると、自己責任で投資判断ができるようになる傾向があります。

また、30年の株価チャートを振り返るだけで、先述した「買うのが早すぎた。」という勇み足はかなり防止できます。

超長期のチャート見ることで、10%程度の下落が珍しい投資機会ではないことが容易に判断できるからです。

毎日投資が有効

「毎日投資」のすすめ

30年の株価チャートを見て、冷静に考えられるようになっても、大底で買うことへの希望を捨てきれない方は少なくありません

先に述べた勇気が出ないから投資を躊躇っているのではなく、今度は欲が抑えられないのです。

この場合に有効な手法は、「毎日投資」です。

昨今は、イデコ、つみたてNISAの普及により、ドルコスト平均法による投資の有効性については理解が進んできました。

ドルコスト平均法とは

同じ金額で継続的に積立投資を行うことで、安い時に多くの数量が買え、高い時に少しの数量しか買えないという現象が起きるため、平均投資単価が平準化される。

しかし、積立投資というと「毎月」というイメージを持つ方が少なくありませんが、証券会社によっては投資周期を「毎日」にできます。

例:毎日千円の投資を行うと、月に約2万円の投資になります

毎日投資を行うことによって、必然的に相場の大底も買い付けが入ります。

1本釣りではなく、網を張るようなイメージです。

ドルコスト平均法により、相場の大底では、最も多くの数量が買えることになります。

冷静な判断は過去のデータから

相場の下落時に買い付けに動くためには、怖がりすぎても勇み足でもよくありません。

冷静に判断するために、過去30年の長期の為替チャートを見ることが有効になります。

そして、どうしても相場の大底で買いたいのであれば、毎日積立投資が有効になります。(執筆者:遠藤 功二)

《遠藤 功二》
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遠藤 功二

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し金融機関に就職。 証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当したが、雇われFPとして働くことに限界を感じる。FP資格やMBAをとっても、会社にお金で縛られていたら何もできない。「お金のためだけに働くつまらない生き方を他の人たちにはさせたくない。」という志をもち、お金が原因で不幸になる人を少しでも減らすべく、教育特化のFPとして奔走中。 寄稿者にメッセージを送る

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