株式や投資信託を購入されている方は多いですが、REITへ投資をしている方は少ないようです。

REITは不動産を投資対象としたもので、株式よりも比較的安定して投資口価格が推移することがあります

しかしREITも年々増え続け、どのようにして選べばよいかわかりにくいのも現状です。

そこで今回は、REITを選ぶ上で抑えておきたいポイントについてお伝えしていきます。

REITとは少額で始められる不動産投資

J-REITの簡単な仕組みについて

REITの正式名称は「不動産投資信託」で、投資家から集めた資金で、オフィスビルや住居、商業施設、ホテルなどを購入し、そこから賃料収入や売却益を投資家に分配します。

まずはREITの仕組みについて詳しく見ていきましょう。

REITは投資信託の1つ

REITは直接不動産に投資するわけではなく、「不動産投資法人」に投資することから、投資信託の1つに含まれます。

実物の不動産に投資をするためには、借入れをし、収益を最大化するためにさまざまな作業が発生します。

ところがREITは借入れや物件を探すなどの作業も必要もなく、不動産の専門家に任せることができるのです。

不動産投資に比べ少額から投資可能

不動産投資に比べ少額から投資可能

実物の不動産を購入するためには、数千万円の資金が必要になりますが、REITは数万円から購入できます

2020年2月21日現在、最も投資口価格が安いREITは、「インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人」で、1口2万4,470円から購入することができます。

最も投資口価格が高いREITでも90万円前後であるため、実物の不動産へ投資するよりも、少額から投資をすることが可能です。

不動産株との違いはビジネスモデル

・ REITの売上 … 保有する物件から得られる賃料収入や売却益

・ 不動産株(大手不動産会社)… 賃料収入の他に不動産開発などの多様な不動産ビジネスを展開して売上を得る

REITは基本的に不動産の開発行為は禁止されており、すでに稼働している物件を購入し保有するビジネスモデルです。

このようにREITと不動産株は収益源は同じ不動産ですが、ビジネスモデルが異なるため、相関関係はそれほど高くはありません。

またREITは利益の90%以上の分配金を出すと、法人税が免除されるため、不動産株に比べ配当金が高いことも特徴です。

一方不動産株にはこのような仕組みはなく、不動産開発で大きな利益を得ることで稼ぎ、企業の成長性と安定性を両立しています。

メリット・デメリット

REITのメリット・デメリット

それではREITのメリット・デメリットについて以下でまとめていきましょう。

REITのメリット

・ 不動産のプロに資金を託し、効率的に運用することができる

・ 実物の不動産投資に比べ少額から投資ができる

・ 利益の90%以上を分配金に充てると法人税が免除されるため、株式に比べ分配金利回りが高い

・ さまざまな物件を複数で保有していくため、リスク分散ができる

REITのデメリット

・ 「間接的な不動産投資」であるため、いくら保有口数を増やしても自分が所有者となることはない

・ 投資法人が倒産および上場廃止になる可能性がある

・ 自然災害などによる保有物件の滅失のリスク

・ 金利変動のリスク

とくに「金利変動のリスク」はREITにとって重要なポイントです。

REITを運用するためには一般投資家からの資金の他に、金融機関からの借入によって賄われます。

そのため金利が上がると利息を多く払うことになり、REITの収益を圧迫する可能性があります。

REITの選び方は3つのポイントを抑える

REITを購入する際も株式同様に抑えておきたいポイントがあります。

ポイントは大きく3つあり、

・ 投資対象

・ スポンサー

・ 物件所在地

です。

以下で詳しく見ていきましょう。

1. 投資対象ごとに分ける

REITは、下記のように大きく6種類の投資対象に分けれらます。

・ 事務所やオフィス

・ 住居

・ 商業施設

・ ホテル

・ 倉庫などの物流施設

・ 老人ホームなどのヘルスケア施設

それぞれの特徴は以下の通りです。

事務所やオフィス

事務所やオフィスの投資口価格は高まる傾向にある

好景気では企業のオフィス需要が高まるため、事務所やオフィスに特化したREITの投資口価格は高まる傾向にあります。

そのため事務所やオフィス特化型は、景気の左右されるREITであるといえるでしょう。

住居

住居は居住目的で使用されることもあり、不景気でも安定した収益が見込めます。

そのため、事務所やオフィス特化型に比べ、景気に左右されにくいといえるでしょう。

商業施設

商業施設特化型は、テナント収入に依存するため、商業施設の利用者に売上が比例する傾向にあります

ただし、賃料の契約が固定賃料か変動賃料によって売上も変わることがあります

ホテル

外国人旅行客のホテル需要が高まっている

近年は「インバウンド消費」により、外国人旅行客のホテル需要が高まっています。

外国人旅行客が増すことでホテルの需要も増すため、国内の景気よりも海外の景気に左右される傾向にあります。

その一方、日本と諸外国との関係性の悪化などで、外国人旅行客が減った場合は売上に影響する可能性があります。

倉庫などの物流施設

最近はネット通販が当たり前になり、倉庫の需要が高まっています。

以前は倉庫の利用目的が景気に左右されやすい自動車部品や電子部品を扱うことが多かったですが、近年は食品や日用品などに変わってきました。

そのため景気にあまり左右されることなく、長期で安定的な収益を見込める可能性があります。

老人ホームなどのヘルスケア施設

以前は盛り上がりを見せていた老人ホームなどのヘルスケア施設

以前は盛り上がりを見せていたヘルスケア主体型のREITですが、最近は合併などで2020年2月現在2法人のみとなりました。

ヘルスケア主体型は主に老人ホームなどの運営で、国からの介護報酬や施設利用者の月額利用料などが収益源のため、少子高齢化により社会保障費が圧迫している現在では、収益の安定化は難しくなっているのが現状です。

上記に挙げた以外にも、「総合型」や「複合型」といった投資対象のREITも存在します。

・「総合型」… 投資信託のバランス型と似ており、さまざまな投資対象が入ったREIT

・「複合型」… たとえば「オフィスと住居」のように、2つの投資対象が組み入れられたREIT

どの投資対象がいいかわかならない場合は、まずは「総合型」や「複合型」から購入してみるといいでしょう。

2. スポンサーがどこかを調べる

REITにはほとんどの場合、大手不動産会社や大手商社、メガバンクなどのスポンサーがついています。

不動産投資には多額の資金が必要になるため、そのような大手企業のバックアップがあることは、REITを運営する上で重要なポイントとなります。

3. 物件所在地を意識する

REITの投資対象は不動産であるため、実物不動産同様に物件の所在地が重要なポイントです。

不動産の需要は人口増加率に比例することもあるため、人口が増え続けいてる首都圏などに物件があることは、安定的な収益源が見込めるでしょう。

しかし近年は災害のリスクが懸念されているため、適度に物件の所在地を分散させる必要もあります。

人口増加率と適度な地方分散を意識してみるといいでしょう。(執筆者:FP2級 福森 俊希)