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【ケガの保障】補償対象が異なる「医療保険」と「傷害保険」 特徴と「不慮の事故」の定義

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【ケガの保障】補償対象が異なる「医療保険」と「傷害保険」 特徴と「不慮の事故」の定義

ケガに備える保険には医療保険や傷害保険がありますが、両者では保障・補償対象となるケガの条件が異なりますので、同じケガでも受け取れる金額に差が出ます

ここでは両者の違いと、保障・補償対象か否かを分ける「不慮の事故」について説明します。

生命保険会社の場合

生命保険会社の場合、ケガの備えは「医療保険」と「特定損傷特約(保険)」の2パターンがあります。

医療保険

医療保険

医療保険では、病気ばかりではなくケガも保障されます。

例えば、

・ 病気や加齢にともない

・ 良くなったり悪くなったりを繰り返し慢性化

・ その結果ケガのため入院や手術となった

といった場合も請求対象ですが、通院を保障するものはほぼありません

特定損傷特約(保険)

特定損傷特約(保険)は何かの保険と必ず組み合わせなければ加入できませんが、

・ 骨折

・ 脱臼

・ 腱の断裂

・ 靱帯の断裂

などのケガに対し、初診のみで以後の通院、入院、手術がなくても、契約した一時金を受け取れます

ただし、保障対象となるのは、「不慮の事故」を原因とし、事故発生から180日以内に治療したもののみなので、加齢や病気にともなうケガや慢性的なケガは保障されません

損害保険会社の場合

傷害保険

損害保険会社のケガの保険は傷害保険ですが、傷害保険の約款に「不慮の事故」という文言を見かけることはほぼありません。

しかし、保険金の支払事由の定義が「急激かつ偶然な外来の事故によってその身体に傷害を被ったこと」となっていますので、補償対象となるケガの条件は、生命保険会社で言うところの「不慮の事故」と同じだと言えます

したがって傷害保険では、病気や加齢にともなうケガや慢性的なケガは補償対象外ですが、

・ 不慮の事故によるケガのための入院や手術

だけではなく、

・ 通院

・ 死亡・後遺障害(特約対応の会社もある)

補償されます

傷害保険の特徴

傷害保険は、特約付加でケガの補償を大きくできます

被害事故の補償や入院一時金・退院一時金を付けられますし、交通事故が原因の場合に補償を大きくすることも可能です。

テロ行為によるケガは補償対象ですが、戦争、外国の武力行使、革命、内乱または暴動によるケガを一切補償しないことも、生命保険会社の保険と異なる明確な特徴です。

「不慮の事故」とは

保障・補償の分かれ目となる「不慮の事故」については、生命保険会社に詳細な規定があります。

「不慮の事故」の条件

それによると、「不慮の事故」の条件は「急激・偶然・外来」の3つで、各々以下の通りです。

急激

事故から障害の発生までの経過が直接的で時間的間隔がないことを指します。

慢性・反復性・持続性の強いものは該当しません

偶然

事故の発生または事故による傷害の発生が被保険者にとって予見できないことを指します。

被保険者の故意に基くものは該当しません

外来

事故が被保険者の身体の外部から作用することを指します。

身体の内部的原因によるものは該当しません

保障される「不慮の事故」の例

ケガをした患者と医師

私が保険外交員だったころ、支払い対象となったお客様のケガの原因は、

・ 路上でつまずいて転倒

・ 濡れた石段で滑って転倒

・ 重い荷物を床に置く際に指を挟んだ

などでした。

これらは日常で起こる分かりやすい例ですが、対象となる不慮の事故の他の例の一部を紹介します。

・ 交通事故

・ 鉄道事故

・ 不慮の溺水

・ 不慮の墜落

・ 火災および火焔による不慮の事故

・ 窒息(疾病による呼吸障害、嚥下障害または精神神経障害の状態にある人の、食事や他の物体の吸入や嚥下による気道閉塞または窒息は除外)

・ 自然および環境要因による不慮の事故(熱中症の原因となった気象条件による過度の高温、高圧・低圧および気圧の変化、飢餓・渇などは除外)

・ 外科的および内科的診療上の患者事故(疾病の診断・治療を目的としたものは除外)

・ 他殺および他人の加害

・ 戦争行為

違いを理解して保険を選ぶ

「不慮の事故」の定義とともに、同じケガでも保険によって受け取れる金額に差があることも理解いただけたと思います。

保険は違いを理解して選ぶことが重要です。(執筆者:金澤 けい子)

《金澤 けい子》
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金澤 けい子

執筆者:FP2級 元保険外交員 金澤 けい子 金澤 けい子

独身時代は建築設計事務所に勤務。宅建、2級建築士の免許は取得したものの、結婚して専業主婦に。その後14年間の専業主婦を経て、興味のあった保険業界へ就職。FP2級の資格を取得し、8年間保険外交員を経験した後、退社しフリーライターの道へ。 寄稿者にメッセージを送る

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