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子供の「医療費助成制度」 概要と制度の使い方を考える 

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子供の「医療費助成制度」 概要と制度の使い方を考える 

国民皆保険制度により、日本では原則として国民全員が国民健康保険や健康保険の公的医療保険に加入しています。

そのため、病気やケガなどで医療機関にかかった場合は、70歳未満の人は3割の自己負担金(義務教育就学前は2割負担)を支払います。

しかし、日本の都道府県や市区町村では、子供の医療費助成制度により何らかの形でこの自己負担金の助成を行っています。

今回は、子供の医療費助成制度について詳しく解説していきます。

子供の医療費助成制度の概要

医療費助成制度について

子供の医療費助成制度は子供の保健対策の充実と子育て世帯の負担軽減のために、病気やケガなどで医療機関でかかった医療費を都道府県と市区町村で助成する制度です。

助成の程度は自治体によっていろいろですが、すべての都道府県や市区町村で独自の助成が行われています。

いつまでどのような助成を行うかは自治体の自由ですが、中学校卒業まで自己負担金を助成している市区町村は通院と入院共に約9割に達しています。

高校卒業まで助成している市区町村は、約3割あります。

また、自己負担金の一部を助成するのか全額を助成するかも自治体によって異なります。

他にも子供の医療費を助成するのに所得制限をかけている自治体もあれば、高額所得世帯であっても助成する自治体もあります。

但し、多くの自治体では所得制限を行っていますので、自分の住んでいる自治体がどうなのかを問い合わせてみると良いでしょう。

このように、自治体によってどこまで助成してくれるのかが異なりますので、住んでいる自治体によっては助成の格差があります。

他にも、子供が少ない市区町村などではあえて子供の医療費助成を充実させて、人口減少対策としているところもあります。

北海道南富良野町のすこやか子ども医療費

子供の医療費助成制度を行っている自治体の中でも、なんと22歳まで助成をしてくれるところがあります。

ここでは、北海道南富良野町のすこやか子ども医療費について紹介します。

対象者

北海道南富良野町に住んでいる0歳から満22歳到達後最初の3月31日までの乳幼児、小中高校生、大学及び専門学校生

助成額の内容

通院、入院、歯科診療、病院で処方された薬代などの医療費の一部負担金を全額助成されます(受給資格の所得制限はなし)。 

また、子供が高校や大学の進学のために北海道南富良野町から転出しても、保護者が町内に住んでいれば助成対象になります。

子供の医療費助成制度の問題点

子供の医療費助成制度が充実すればするほど子育て世帯の経済的負担が軽減されるため、子育て世帯にとってはうれしいことです。

一方、本来は医療機関にかからなくてもいいような病気やケガであったとしても、助成があれば病院に行く頻度が上がります

そのことにより医療費が増えて、公的医療保険の負担が大きくなっています

さらに、医師の負担も増えています。

このように、子供の医療費助成には、良いことばかりではなく問題も抱えています。

制度存続のために私たちができること

医療費助成制度を存続させる

子供の医療費助成制度を有効に利用するための大切なことは、医療機関にかからなくても良いような状態の病気やケガなどの場合は無理に医療機関に行くべきではないでしょう。

負担がないから利用するのではなく本当に必要な場合に利用することにより、公的医療保険や医師の負担も減らせます

子供の医療費助成制度をこのように利用することにより、子育て世帯にとっても医療機関にとっても大変有益な制度になることでしょう。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)

《小島 章彦》
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小島 章彦

執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦 小島 章彦

大学を卒業後、信用金庫に8年、システム開発の会社に約20年勤務。その傍ら、資格を生かした年金・労働・社会保険や、今まで携わってきた金融関係の記事を主にライティングしています。「分かりやすく理解していただく」をモットーに執筆しています。 【保有資格】社会保険労務士、行政書士、日商簿記3級 寄稿者にメッセージを送る

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