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フリーランスの報酬トラブル「未払いを回収できずに泣き寝入り」を回避する3つの自衛策

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フリーランスの報酬トラブル「未払いを回収できずに泣き寝入り」を回避する3つの自衛策

内閣府が2019年7月に公表したデータによると、フリーランスの人口は341万人程度にのぼっているとのことです。

もはやひとつの働き方として一般化しつつあるフリーランスですが、働き方の自由度が高い分だけ、重い責任を負わなければならない側面もあります

フリーランスの場合、自分で仕事をとって自分で報酬を回収しない限り、どこからもお金は入ってきません。

しかるに、フリーランスの報酬トラブルが多発しています。

そこで今回は、フリーランスが報酬の取りっぱぐれで破綻しないための方策を紹介します。

フリーランスとして頑張っている方も、フリーランスに興味がある方も、ぜひ参考にして見てください。

フリーランスの 「報酬トラブル」

フリーランスの7割が報酬未払いの経験あり

フリーランスの実態と課題」に掲載されている「未払い報酬に関するアンケート」プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会調べ(調査時期:2018年12月27日~2019年1月11日)によると、69.7%のフリーランスが「経験あり」と回答したとのことです。

報酬未払いに対してどのようなアクションを起こしたのかという質問に対しては、42.2%のフリーランスが「泣き寝入りをした」と回答しています。

※ フリーランス協会とは、フリーランスに関する実態調査や政策提言、福利厚生の提供などを行っている民間団体です。

報酬トラブルを防ぐ一般的な方策

報酬トラブルを防ぐ方策として一般的によく言われていることは、以下のようなものです。

・ 契約書をきちんと交わす

・ 信用できる相手かどうかを見極める

実際に報酬トラブルが発生した場合の対策としては、以下のようなものがあります。

・ 内容証明郵便を送る

・ 少額訴訟などの裁判を起こす

・ 弁護士に依頼する

これらの対策は基本的なことであり、しっかりやっておくべきことではあります。

しかし、これらの対策を万全にとったと思っても、それでもなお報酬を払わない相手は少なくないのが実情です。

さらにリスクを下げるためには、どうすればよいのでしょうか

フリーランスの報酬トラブルを対象とした保険も登場している

今では、報酬が期限どおりに支払われない、一方的に報酬を減額されたなどの報酬トラブルを対象とした保険も登場しています

フリーランス協会が損保ジャパン日本興亜を引受会社の「フリーガル」という保険が2019年8月から提供されています。

フリーランスのための保険フリーガル

≪画像元:フリーランス協会(pdf)

この保険は、報酬トラブルへの対応を弁護士に依頼するときにかかる弁護士費用を補償してもらえるものです。

未払いとなった報酬を肩代わりしてくれるものではありません

しかしながら、フリーランスの報酬トラブルに対応する日本初の保険であり、画期的なものということはできます。

保険で全てが解決できるわけではない

フリーガルの保険料は年間5,000円からとのことですが、フリーランス協会の会員を対象としたものなので、その会費として合わせて年間1万円も必要になります。

この保険料と会費の負担が苦にならない方は、フリーガルに加入するのもよいと言えます。

ただし、この保険は弁護士費用を補償してくれるだけなので、トラブル解決までの道のりは近いとはいえません

保険が適用される場合でも、良い弁護士を見つけることと、弁護士が無事報酬を回収することという2つのハードルが控えています。

弁護士が登場しようが判決が言い渡されようが、報酬を支払わない相手は簡単には支払わないものです。

そもそも支払い能力がない相手もいます。

そのため、保険をかけたからといって安心せず、自衛策を考えておくことが大切です。

報酬トラブルで破綻を回避する3つの自衛策

報酬トラブルと完全に無縁でいることは難しいかもしれませんが、自衛によって破綻を回避することは可能です。

そのための3つの自衛策をご紹介します。

破たんを回避する 3つの自衛策

1. 短期スパンで契約する

契約はできる限り小さく、短期スパンで締結するのがおすすめです。

3か月契約で3か月後に一括で報酬をもらうよりも、1か月ごとに報酬をもらう契約をした方が安全ということです。

成果報酬の契約でも、10件の仕事があるときに10件単位で契約するよりも1件ごとに契約した方が安全です。

業種によっては難しいかもしれませんが、できる限りこまめに報酬を支払ってもらえるように工夫して契約を締結しましょう。

2. 債権回収手続きの知識を身につける

内容証明郵便の送付や少額訴訟の提起などは、自分でも十分に行うことが可能です。

どちらもマニュアル本がたくさん出ていますし、インターネットでも無料で知識を身につけることができます。

裁判で使う書式は裁判所のホームページで提供されていますし、簡易裁判所へ行けば書き込み式の訴状が用意されています。

弁護士に相談する時間があれば、自分で内容証明郵便を送り、裁判を起こした方が早いと言えます。

どうしても難しい局面になった際には、そのときに弁護士に相談すればよいのです。

3. リスクを計算しておく

報酬トラブルはフリーランスだけの問題ではありません。

経済的な取引である限り、未払いの問題はあらゆる場面で発生しています。

報酬の未払いが発生したときに、それを回収するために要する労力と別の仕事をすることにかかる労力を比較して、コストパフォーマンスで判断することも重要です。

フリーランスとして安定して生活していくためには、多少の報酬トラブルは想定したうえで資金繰りしておくべきです。

繰り返しになりますが、

・リスクを下げるためも契約を工夫してこまめに報酬をもらうこと

・費用をかけずにサクッと裁判を起こすこと

の2つは自衛策としておすすめできます。

自分に合った自衛策を検討する

そもそもフリーランスとして生きていくことは、自由の獲得とリスク負担のせめぎ合いでもあります。

保険への加入も含めて、ご自分に合った自衛策を検討してみましょう。(執筆者:川端 克成)

《川端 克成》
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川端 克成

川端 克成

約15年間弁護士をしていましたが、人の悩みは法律だけでは解決できないことに悩み続けて、辞めてしまいました。現在はフリーライターとして活躍中です。読んで役に立ち、元気が出るライティングをモットーに、法律問題に限らず幅広いジャンルで執筆しています。これまでの人生では、ずいぶん遠回りをしてきました。高校卒業後は工場などで働いて二部大学に入り、大学卒業後も工場で働いて司法試験の勉強をしました。弁護士を辞めた後も工場で働きながらライティングの修行を重ねました。そんな人生経験にも基づいて、優しい心を執筆を通じてお伝えするのが理想です。 寄稿者にメッセージを送る

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