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【賃貸経営】コロナショックで家賃の「滞納」「減額要請」が生じた場合の対応策を解説

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【賃貸経営】コロナショックで家賃の「滞納」「減額要請」が生じた場合の対応策を解説

新型コロナウィルスの拡大に伴い、4月7日に緊急事態宣言が7都道府県に発出されました。

外出は制限され、最低限必要な食料品店や物流、公共交通機関以外は閉店を余儀なくされ、仕事ができずに収入を得られない人たちが多く出るのではないかと言われています。

今回は重大な事案ということで、支援のための政府の拠出金も過去最大のものになるようです。

しかし、当座の生活費を捻出できない人が増え、すでに家賃の減額要請や滞納が始まっています。

不動産投資家として賃貸経営を行うえで、今回のコロナショックにように、家賃滞納が突然発生した場合には、どのように対応すればよいのかについてお話したいと思います。

賃貸経営でのコロナショック

収入が途絶え、家賃の滞納が増える

今回のコロナショックでは、これまでインバウンド需要で沸いていたホテル業界の宿泊客が大幅に減り、観光バス会社は運営難となるなど、事業を継続できずに廃業する会社もあります

また、外出規制に伴い、飲食店など多くの業種にかつてない程の経営危機が訪れています。

その業種に携わる人たちは休職や解雇を余儀なくされて突然収入が途絶えるケースもあり、家賃が払えずに入居者からの家賃減額交渉や滞納する人が増えています

こういった場合には、まずはどのように対応すればよいのでしょうか。

入居者に公的支援の活用を促す

地主や不動産投資家など大家業を営んでいる人にはお金持ちが多いので、家賃を払わなくてもよいというような論調もSNSで見かけます。

しかし実際には、不動産賃貸業は空室リスクや修繕などで費用が掛かるなど意外ともうかりません

特にローンを組んで不動産投資をしている場合には、家賃の減額や滞納が続くと返済が滞って事業破綻してしまうケースもあります。

大家にとっては、入居者には家賃を払ってもらえないと困るのです。

ただし、こういった非常事態ですから、お互いに知恵を出し合って乗り越えていかなければなりません。

単純に家賃を減額したり、免除したりするのではなく、まずは入居者に家賃を払ってもらう方法を考えるべきです。

入居者は、突然収入が途絶え「先が見えずにどうしたらよいのかわからない」とパニックになっていることが多く、公的支援があることを知らないケースもあります。

2008年9月に起こったリーマンショック時にも同様の事態が起こり、2009年10月に厚生労働省が「住宅手当緊急特別措置事業」を開始しました。

窓口は各市町村となっており、最長9か月間の住宅手当を支給してくれます。

自身の物件所在地の「自治体名+住居確保給付金」を入れれば簡単に調べられます

条件は自治体によって違いますが、

この支援を受ければ、9か月間は生活することができる

のです。

入居者としても非常に役立つ情報だと思いますし、大家としても家賃の滞納に悩まなくて済むのです。

定期借家契約で減額に応じる

家賃の滞納に悩む

滞納するほどではないが、家賃の減額をしてもらえれば支払いができるという場合には、減額対応に応じる方がよいケースもあります。

この際に注意したいのが、「お金に関することで人は信用できない」ということです。

リーマンショック時にも同様に家賃の減額要請がありましたが「回復したら家賃を戻します」ということで下げたところ、回復しても結局家賃を上げてもらえなかったというケースが多々ありました。

そのため、

家賃の減額については、きちんと契約書を交わし、期間限定で減額する方法がよい

と言えます。

そこで活用したいのが、定期借家契約です。

あらためて契約を結び直すか覚書等で対応するかは、状況によって考えるとして、半年から1年くらいの期限での更新を前提に、その期間は家賃を減額する契約を結んでおきます。

これであれば、入居者が家賃を元の価格に戻すことに応じてくれなければ、契約を終了して入居者を追い出すことができるのです。

家賃保証会社の倒産も視野に入れておく

自分の物件は「家賃保証会社が入っているので滞納しても大丈夫」だと思っている人も多いと思います。

しかし、リーマンショック時には、大手の家賃保証会社が倒産したケースがありました。

家賃保証会社は、入居者が家賃を滞納した際に家賃を立て替えて大家に払います。

中には家賃保証をしてくれ、入居者の家賃が入る、入らないにかかわらず、毎月決まった日に振込してくれる契約もあります。

特にこの家賃保証をしてくれている会社には注意が必要です。

もし、短期間で多くの家賃滞納が発生した場合、立替金が許容範囲を超えると家賃保証会社自体が倒産することになります。

そうなると、それまでは家賃保証会社が家賃を回収・立て替えてくれていましたが、それ以降は入居者との直接契約となり、滞納が続いているようだとそこから先は自分で回収しなければなりません

現状把握しておく

政府からテナントビル所有者に対し、入居する事業者からの賃料徴収猶予を検討するように働き掛けがあり、テナント系では今後賃料減額や徴収猶予といった対応が増えていくことでしょう。

まだ少ないかもしれませんが、今後は居住系も家賃の減額要請や滞納が増えてくると思われます。

万が一に備えて、契約書などを見直し、入居者の属性や家賃保証会社に現状確認をしておくなど、自身の入居者の状況を把握しておくべきです。

直接契約している場合であれば、1度声を掛け、入居者が困っていないか聞いておくだけでも、滞納や突然の失踪などの防止策になるはずです。

大家と入居者が協力しこの難局を乗り越えられれば、今後も良好な関係を築くことができ、より安定した賃貸経営をできると思います。(執筆者:山口 智也)

《山口 智也》
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山口 智也

山口 智也

賃貸仲介、賃貸管理、投資系、住居系不動産の売買を経験し、様々な問題に対応できる不動産コンサルタントとして活動中。特に、収益系不動産を活用した資産作りの支援、相続対策を得意としており、皆様の為になるような情報を提供していきたいと考えています。 <保有資格>:宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター・米国不動産経営管理士(CPM) 寄稿者にメッセージを送る

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