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荻原博子が政府に提言「全世帯の水道・光熱費を7000円補助せよ!」

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荻原博子が政府に提言「全世帯の水道・光熱費を7000円補助せよ!」

新型コロナウイルス対策として、さまざまなものが出てきています。

ただし、おしなべて「遅くて少ない」という現状である感が否めません。

新型コロナ対策が遅くて少ない

「雇用調整助成金制度」

経営が悪化しても雇用を維持する事業者には、休業手当などの一部を補助する制度で、大企業には給料の1/2、中小企業は2/3が助成されます。

さらに、緊急事態宣言が発動されて活動自粛を求められている地域にある会社には、大企業であれば2/3、中小企業であれば4/5が助成されます。

良い制度なのですが、申請初日の4月1日には、ハローワークに3時間待ちの長蛇の列ができました。

しかも、並んでやっと通された部屋は相談の人で溢れかえっていて、「新型コロナ対策」としては大丈夫かと思われる状況、さらに支給は数か月待ちです。

これでは、あまりに遅すぎます。

最大30万円の給付についても少しでも給付額を減らしたい意向が働いたのか、給付対象が絞られ、多くの世帯がもらえなくなっています。

もちろん、所得が低かったり激減している世帯に対する下支えは必要です。

しかし、新型コロナウイルスで日本中が被災地になっているような状況の中では、全世帯に対する生活の下支えも必要なのではないでしょうか。

マスク2枚配布より公共料金の補助

全世帯の「電気」、「ガス」、「水道」の料金を7,000円までタダにせよ!

約466億円かけて全世帯に「マスク」が配られることになりましたが、これを聞いて安心感を持つ国民はどれほどいることでしょうか。

「マスク」を配るよりは公共料金を安くしたほうが、どれほど皆が安心感を得られるかわかりません。

そこで、提案したいのは、「電気」、「ガス」、「水道(下水道を含む)」の料金を、合わせて7,000円まで無料にすることです。

「電気」も「ガス」も「水道」も、生活になくてはならないものです。

この

3つの公共料金が最低限タダで使えるようになれば、収入が激減して料金を払えなくても、止められることはない

と言えるでしょう。

これは、生活の大きな安心感につながります。

しかも、こうした料金は、

「政府が補助するので、その分については来月から政府に請求してください」

各業者に要請するだけで、各ご家庭は面倒な手続きなどしなくても、次の月から割安感を得られます

2018年の総務省家計調査では、4人家族であれば「電気代」、「ガス代」、「上下水道代」で合計2万2,000円です。

「この約1/3の7,000円を政府に補助して欲しい!」
1世帯にマスク2枚で国民が安心するか

「公共料金」の補助は、低所得者ほど恩恵がある

「公共料金」は、使用量が少ないご家庭ほど安くなります。

電気料金

「基本料金」と「使用量」で決まりますが、この「使用量」は3段階になっています。

【第1段階】

最初の120kWhまでで、1kWhあたり19円88銭

これは国が保障すべき最低生活水準を考えて設定している料金です。

【第2段階 】

121kWhから300kWhで、1kWhあたり26円48銭

これは、標準的な一般家庭の電力使用量に基いた平均的な電力単価設定です。

【第3段階】

それ以上多く電力を使った場合で1kWhあたり30円57銭とかなり割高です(東京電力の場合)。

水道料金

水道料金は、より差が大きく、東京都の場合には、

従量料金1立方メートルから5立方メートルまでは無料

6立方メートルから10立方メートルまでは1立方メートルにつき22円

11立方メートルから20立方メートルまでは1立方メートルにつき128円

21立方メートルから30立方メートルまでは1立方メートルにつき163円

となっています。

ガス料金

上記の2つとは違ってもっと複雑な料金体系になっています。

ただし、使用量が少ない家庭のほうが割安になっているので、例えば

「電気」で3,000円まで
「ガス」で2,000円まで
「水道」で2,000円まで

をタダにすれば、この3つを合わせて月に7,000円まで無料で使えることになり、助かるご家庭は多いことでしょう。

1か月3,500億円、半年間で2.1兆円で実現できる

ちなみに、全5,000万世帯の「電気」+「ガス」+「水道」の料金を1世帯あたり7,000円分をゼロにしたら、政府の1か月の負担は3,500億円です。

半年間で2兆1,000億円です。

7,000億円でやると言っていたオリンピックをいつの間にか3兆円にしてしまっても平気な国にそれよりも少ない2兆1,000億円を出せないはずはないと思うのです。

新型コロナとの長期戦に備えて、ぜひ、日本の全家庭のライフラインを半年間守るお金を出してください。(執筆者:荻原 博子)

《荻原 博子》
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荻原 博子

執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子 荻原 博子

経済ジャーナリスト 1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「私たちはなぜ貧しくなってしまったのか」(文藝春秋)「一生お金に困らないお金ベスト100」(ダイヤモンド社)など著書多数。 寄稿者にメッセージを送る

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