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長生きで得する「トンチン保険」 いまさら聞けないメリット・デメリットを詳しく解説

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長生きで得する「トンチン保険」 いまさら聞けないメリット・デメリットを詳しく解説

今後ますます高齢化が進んでいく日本において、老後の資金確保手段としてトンチン保険が販売されています。

まだ発売が開始されて間もない保険なので、具体的な仕組みや特徴をご存じない人も多いでしょう。

そこで今回は、トンチン保険の内容や特徴について解説していきます。

トンチン保険とは

トンチン保険とは

トンチン保険」とは、加入時から保険料を支払っていき、所定の年齢に達したら年金が一生涯支払われる保険のことです。

受け取った年金は、公的年金と合わせて老後の貴重な収入源となります。

日本人の平均寿命は、平成2年時点で男性75.92歳、女性81.90歳でしたが、平成30年時点で、

・ 男性81.25歳

・ 女性87.32歳

まで伸びています。

参考:厚生労働省「簡易生命表」

一方で年齢を重ねると、認知症や脳血管疾患などが原因で要支援や要介護の認定を受ける人が増えるため、いつまでも働けるわけではありません。

公的年金だけでは生活費が不足する場合もあり、長生きするほど資金が枯渇する可能性があります。

トンチン保険であれば、所定の年齢から年金が一生涯にわたって支払われるため、長生きしたとき生活資金が足りなくなるリスクに備えられるでしょう。

トンチン保険のメリット

トンチン保険のメリット

トンチン保険のメリットは、以下の3点です。

・ 長生きするほど多くの年金を受け取れる

・ 健康状態に不安がある人でも加入できる

・ 条件を満たせば個人年金保険料控除の対象となる

トンチン保険のメリットは、長生きするほど多くの年金が受け取れる点です。

例えば、2020年4月時点での第一生命の「ながいき物語」をみてみましょう。

55歳の男性が加入し70歳から年金を受け取る場合、100歳まで生きたときの返還率は163.0%です。

※ 返還率は、「年金受取総額 ÷ 保険料の総額」

またトンチン保険の中には、健康状態の告知が不要なものもあり、持病のある人や過去に大病を患ったことのあるような人でも加入できる点もメリットでしょう。

加えて所定の条件を満たせば、個人年金保険料控除の対象となり、生命保険(死亡保険)や医療保険とは別枠で所得控除が受けられて、所得税や住民税の負担を軽減できます

トンチン保険のデメリット

トンチン保険のデメリット

トンチン保険に加入する際は、以下3つのデメリットに注意しましょう。

・ 平均寿命を超えて長生きしないと元本割れする

・ 保険料の支払い途中で解約した場合や亡くなった場合は元本割れする

・ インフレリスクがある

トンチン保険の損益分岐点は、平均寿命よりも高く設定されています。

そのため平均寿命よりも長生きしなければ、受け取った年金の額が、支払った保険料の総額を上回りません

受け取った年金の合計額が支払った保険料を上回る損益分岐点は、男性でおよそ88~92歳女性でおよそ93~95歳です。

損益分岐点は、商品によって異なるため加入時に必ず確認しましょう。

また、保険料の払込期間中に解約した場合や死亡したときに戻ってくるお金は、支払った保険料の総額以下となり元本割れします。

そしてトンチン保険のような将来に定額の年金を受け取るタイプの保険は、物価の上昇によって貨幣価値が下がるインフレリスクにも注意が必要です。

トンチン保険の年金額は、加入時に確定するため、将来の貨幣価値が下がっていると受け取れる年金の価値も加入時に比べて目減りしてしまいます。

利点と欠点を踏まえて総合的な判断を

トンチン保険では、年金を生涯にわたって受け取れます

そのため長生きした場合の生活資金不足に備えられる有効な手段の1つでしょう。

しかしトンチン保険で老後の資金を準備する場合は、元本割れやインフレリスクといったデメリットがあります。

トンチン保険の特徴を理解したうえでiDeCoや年金財形貯蓄、個人年金保険などの選択肢の中からご自身に合ったものを選ぶことが大切です。(執筆者:品木 彰)

《品木 彰》
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品木 彰

品木 彰

webライター、ファイナンシャルプランナー。大手生命保険会社や人材会社での勤務を経て、2019年1月よりwebライターとして独立。 保険、不動産、税金、貯蓄術など幅広いジャンルの記事を執筆。妻と息子の3人暮らし。FP技能士2級。 寄稿者にメッセージを送る

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