「株主優待銘柄へ投資したら、権利落ち後に株価が下がってしまった」

こんな経験はありませんか。

今回ご紹介するクロス取引を使えば、株価の変動リスクをおさえつつ、株主優待を格安で手に入れられます。

クロス取引は、注文フローとポイントさえおさえれば、初めての方でもできます。

クロス取引とは

株式市場の値動きと株取引

クロス取引(つなぎ売り)とは、同数量の買い注文と売り注文を同時に発注し、約定させる取引をいいます。

まず、「信用取引の売り」と「現物取引の買い」を同時に、同額で発注します。

株主優待の権利落ち後は「現渡」をして信用取引を決済し、クロス取引終了です。

後は、株主優待が届くのを待つだけです。

クロス取引のメリット

クロス取引の最大のメリットは、権利落ち後の株価変動を避けられるという点です。

同額で買いと売りを行うため、損益は0円です。

株価の動きを気にすることなく、株主優待の権利を得られます。

信用取引口座が必要

クロス取引をするときには、信用取引口座が必要です。

信用取引の売りを利用して、クロス取引をするためです。

クロス取引をするときは、信用取引口座の準備をすませておきましょう。

株主優待取得方法

株主優待

クロス取引を使えば、わずか3ステップで株主優待を手に入れられます。

(1) 権利付最終日までに、現物の「買い」と信用取引の「売り」を成行で注文する

(2) 権利付最終日まで保有しておく

(3) 権利落ち日以降に、「現渡」をして決済する

それぞれのポイントを見ていきましょう。

(1) 現物の「買い」と信用取引の「売り」を成行で注文する

注文は寄付前に行いましょう

場中に発注すると、株価が動くおそれがあるためです。

(2) 権利付最終日まで保有しておく

権利付最終日を待たずに売却してしまうと、株主優待の権利がもらえません。

必ず権利付最終日まで保有しておきましょう。

(3) 権利落ち日以降に「現渡」をして決済する

権利落ち日以降に、「現渡」により信用取引を決済させます

現渡とは、信用取引の「売り」のために借りていた株を、現物を渡して決済することです。

権利付最終日の場が引けた後、翌日注文として発注しても大丈夫です。

注意点

注意のマーク

クロス取引は簡単でお得なように感じますが、気をつけてほしい点が3つあります。

(1) 長期保有特典がある株主優待には利用できない

(2) 配当金はもらえない(配当調整金が発生する)

(3) 制度信用取引の場合、逆日歩が発生する可能性がある

1つずつ解説します。

(1) 長期保有特典がある株主優待には利用できない

クロス取引で株主になる期間は、クロス取引の間のみです。

「1年保有以上の株主に限り~」など、長期保有特典がある株主優待には利用できません

株主優待銘柄を選ぶ時、長期保有株主に限定していない銘柄を選びましょう。

(2) 配当金はもらえない

現物の株式を買いますが、配当金はもらえません

同時に信用売りも発注するため、配当金を支払わなければいけないからです。

信用売りにより、

現物買いで受け取る配当金(税引き後) – 信用売りで支払う配当金(税込) = 配当調整金

を支払います。

配当調整金は、おおよそ配当金の税金相当額です。

配当調整金は、特定口座の源泉徴収アリの場合は譲渡益などと相殺されます

(3) 制度信用取引の場合、逆日歩が発生する可能性がある

信用取引には、「制度信用取引」と「一般信用取引」があります。

クロス取引で利用する場合は、一般信用取引を使う人がほとんどです。

なぜならば、制度信用取引では逆日歩という手数料が発生する可能性があるためです。

逆日歩は日々の品貸入札の結果で決まるため、いくらくらい発生するかわかりません。

逆日歩を回避するために、一般信用取引でのクロス取引をおすすめします

クロス取引にチャレンジしてみよう

クロス取引でかかるコストは、

1. 現物・信用の取引手数料

2. 貸株料

3. 配当調整金

の3つだけです。

株主優待の権利落ちまで保有していると何万円と損失が発生する可能性がありますが、クロス取引ならば限られたコストで株主優待が手に入ります。

筆者もクロス取引を行ったことがありますが、取引手数料は無料、配当調整金は特定口座内で相殺されたので、貸株料100円のみで株主優待の権利が得られました

お得に株主優待が手に入るクロス取引を、チャレンジしてみてください。(執筆者:安田 小夏)