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不動産投資2年目にわかる現実
この記事は不動産投資を考えている初心者、特にサラリーマンの方向けに書きました。
「2年目」とありますが、購入する時期によっては3年目の場合の方もいるかもしれません。
いずれにしても、投資用不動産を購入すると当初自分で考えていたメリットが、時間が経つにつれだんだんと薄れてくるという現実があります。
不動産投資を始めるにあたっての心構えを今から説明します。
投資の目的(節税)
投資用不動産の購入を検討する際にはいくつかの大きな理由があります。
メディアにもよく取り上げられる理由のなかに、
というものがあります。
投資用不動産を購入する交渉のなかで最終的な提案として、投資用不動産の販売会社から購入時の見積書や一定期間の収支表が提示されることでしょう。
それらの書類にはいろいろな経費が計上されています。
購入直後の節税の仕組み
普通のサラリーマンの場合にはほとんどがローンを組んで不動産を購入しますが、その際に発生する支払利息や保証料などはその中に含まれています。
建物や設備の減価償却費、さらに固定資産税、団体信用生命保険料などもあります。
その中で、当初1~2年の間に限定して計上されるのが、
・ 動産取得時に課税される不動産取得税
です。
これらの費用は不動産取得1~2年目に発生し、物件の値段や戸数にもよりますが、これらだけでも50万円を超える費用が発生することもそれほど珍しくありません。
こうした原因で1~2年目の費用が大きく膨らむと、この年の不動産収支は大きくマイナスになり、所得税の減税額や還付金額がそれ以降よりもかなり大きくなってしまいます。
購入者の所得や購入額にもよりますが、当初は数十万円の所得税還付を受けられるケースも少なくありません。
収支の理想と現実

1~2年目にはしっかり還付が受けられていてもそれ以降は急激に還付額が減少し、いろいろな理由でついには手出しの支払いが発生するといったことも起きてきます。
長い投資期間には、
・ 賃借人の退去による空室リスク
・ 建物相応の経過年数による賃料の値下げ
・ 退去による家賃保証での賃料の減額
・ 管理費や修繕積立金の値上げ
などにより、あっという間にキャッシュフローがマイナスになり、随時手出しの支払が発生し始め資金の補填が必要になることが起きます。
そこで初めて「こんなはずじゃなかった」と考えます。
不動産業者によっては当初の減税金額もしくは還付金額ばかりを強調し、それ以後の収支予想を示さなかったり、購入者がそこに目を奪われて長期的な収支予想を確認しなかったりと、よく考えないで契約することも多いのです。
対策(心構え)
サラリーマンの場合、不動産投資による減税が投資の大きな柱の1つです。
ことが肝要です。
たったこれだけのことなのですが、これがなかなかできていないのも事実です。
直近の収支計画しか出してない場合には、業者に5~10年程度を作成してもらい、出した不動産収支などに正当性があるか内容をよく吟味することが必要です。
そのためには、事前の不動産知識や情報取得が不可欠です。
現在ではネットやYouTubeでも十分に知識や情報を得られるので、日頃からチェックを怠らないようにしましょう。
不動産投資には、資金補填の他にも例えばローンの一部繰上げ返済などに自己資金の活用が不可欠です。
そのことを事前によく認識したうえであらかじめ自己資金を準備するなど、あまり甘い夢は見ずに地に足をつけたしっかりとした計画が必要です。
サラリーマンの不動産投資は長期投資
サラリーマンにとって、不動産は大きな買い物です。
それ故にその決断には大きなストレスがかかると同時に大きなエネルギーも必要です。
冷静な判断をできないこともありますので、以上のようなことに十分に注意して良い物件を購入し、良い投資結果を得られるようにしましょう。
投資用不動産には短期売買という手法もありますが、サラリーマンの不動産投資の場合には長く付き合っていくものだと思います。
20年、30年という長期にわたる投資だと考え、あまり一喜一憂せずに取り組んで、「あのとき買ってよかった」と思えるような投資にしてください。(執筆者:堀江 優)