フレーズから顧客が受ける印象

今回は不動産経営をしようとするときに、不動産業者の方々がよく言うフレーズにフォーカスしてお話したいと思います。

「何もしなくていい」

私も、実際の説明時にこのフレーズを聞きました。

これから投資用不動産を買われようとする方は、これから聞くことがあると思います。

もしくは既に購入済の方は、聞き覚えがあるかもしれません。

何もしなくていいんです

これは投資用不動産を購入する場合、

「ローンの返済は賃料で支払いますし、書類の準備や購入するまでのプロセスの諸準備諸手続きはもちろん、購入後の入居者のあっせんや部屋の管理、入居者との交渉事や空室時の家賃保証、さらには確定申告のための税理士の紹介や火災保険、地震保険のあっせん手続きまであらゆることをやります。ですからお客様は何もしなくてよいのです」

という意味合いであると思いますが、内容の前提条件は人によってそれぞれ違ってくることもあります

購入者の利便性と業者側の都合

すべてのことをやってもらえるのは、購入者として時間と労力の節約にもなり、ありがたいです。

不動産に詳しくない方にとってはなおさらです。

このやり方は購入者の利便性を考えてのことである一方、不動産業者側にもメリットがあることだと思います。

それは

・ 手続きをパッケージ化しているので、その通りにやれば業者側も迅速に事務処理ができる。

・ 業者自身もしくは関連関係会社に任せることで、自身のグループで、購入時や購入後の資金を還流できる。

などの理由です。

購入者としては、至れり尽くせりなので、購入動機のひとつにも十分なり得ます。

「何もしなくていい」は続かない

しかし、現実は、少なくとも物件購入後は「何もしなくていい」というわけにはいきません

少なくとも 物件購入後は 「何もしなくていい」 わけではない

(1) お金の管理

こればかりは購入者自身が管理しなければなりません

いくら業者が作成した収支計画表でキャッシュフローがプラスであっても、それはあくまで「予想」です。

空室となりある月のローンの口座引き落としができなければ、ご自身で口座に自己資金を補填しなければいけません。

新たな入居者の斡旋費用として、口座から所定額の手数料分が引き落とされるかもしれません。

空室により家賃保証を選択すると一定割合が手数料として取られるため、賃料収入額が下がってしまいます

お金の問題だけは購入者自身が解決しなければなりません

(2) 最終的な判断

購入後、管理会社から入居者や銀行、保険会社等の外部との交渉事の最終的な判断を求められる場合も皆無ではありません。

管理会社も購入時とは担当者も変わり、また担当者個人の能力面の問題もあり、管理会社で判断してほしいと思うようなことも、直接購入者に判断を求めてくることもあります

その他部屋内の設備等細かな手続きの判断も求められることもあります。

以上のような現実がありますので、特にこれから投資用不動産を購入する方は、少なくとも購入後は「何もしなくていい」わけではないことをわかっていただきたいのです。

これらのことは専業で貸家業を営まれている方々からすると当たり前のことですが、サラリーマンの副業として営む場合、どうしても管理会社に依存しやすく勘違いしてしまいがちです。

不動産経営も簡単ではありません

「何もしなくていい」を不動産業者の恣意的な発言と言っているわけではありません。

大部分の不動産業者の方々は良質な業者さんで、コンプライアンスには注意を払っていると思います。

ただ投資用不動産初心者に方は、何もしなくていいような蓄財法は、まともではないものを除いて存在しないことを肝に銘じて、管理会社とは付き合って欲しいのです。

そのためには、不動産についての日々の勉強も欠かせません。

不動産経営も一朝一夕にはいかないということです。(執筆者:堀江 優)