前回の記事では、ナンピンによって平均取得価格を有利にしておくことで、その後の買い増しがスムーズになり、リスク回避にも役立つことを解説しました。

ナンピンによって構築されたポジションが、具体的にはどのくらいリスク回避に役立つのでしょうか。

具体的な数字を用いながら、リスクへの耐久性の強さを見ていきたいと思います。

ナンピンによる「底値圏でのポジション構築」で株価下落のリスク回避 具体的な数値で解説

ナンピンによるポジションの構築

まず、ナンピンによって平均取得価格がどのように有利になるかを見ていきます。

2,500円~3000円を底値圏として1・3・5の比率でナンピンした場合に、平均取得価格は次のように変化していきます。

平均取得価格の変化

このナンピンによって、平均2,639円で900株を買うことができました。

2,500円が底値ですから平均取得価格は底値にかなり近い価格に下がっており、有利なポジションを構築できたことが分かります。

買い増しの影響

次に、このポジションが買い増しによってどのように変化していくかを見ていきます。

平均取得価格の上昇を抑えるためには、できるだけ低い株価で買い増していくことが大切です。

これを踏まえて、4回にわたって買い増した場合に、平均取得価格は次のように変化します。
 

4回買い増した場合の平均取得価格の変化

株価が4,000円に達するまでに1,000株の買い増しを行い、平均取得価格は3,003円となりました。

ナンピン完了時の平均取得価格2,639円から400円以下の上昇に抑えることができ、現在の株価より1;000円も安いポジションとなっています。

1株当たり1,000円の含み益があるわけですから、相場が急変して株価が大きく下がったとしても容易に平均取得価格を割り込むことはなく、損失のリスクはかなり小さい状態といえます。

できるだけ低い株価で買い増していく

ナンピンしない場合

一方、ナンピンによって底値圏でポジションを固めていない場合には、買い増しによってどのような影響を受けるのでしょうか。

ナンピンを避けるということは、底値圏での逆張りを避けるということでもあります。

このため、多くの場合には、上昇トレンドが明らかになってから最初の買いに動き、買い増しによってポジションを大きくしていくことになります。

また、有利になっていないポジションからスタートするため、トレンドを確認しながらおっかなびっくり買い増していくケースが多く見られます。

したがって、平均取得価格は次のように変化していくことが多いです。

ナンピンしない場合の平均取得価格の変化

底値圏でポジションを固めていなかったので平均取得価格が上がりやすく、最終的な平均取得価格は3,667円となっています。

4,000円からの下落に耐えられる余地は400円以下であり、底値圏でナンピンした場合と比べて相場急変時の耐久性が弱いことが分かります。

ナンピンを損失回避に役立てる

このように比較すると、ナンピンによって強いポジションを作っておくことでリスク回避にいかに役立つかが分かると思います。

単に利益を伸ばしていくだけではなく、損失回避に役立つことも知ってナンピンを活用していくことが大切です。(執筆者:兼山 艮)