「つみたてNISA」や「iDeCo」などの制度の誕生をきっかけに、資産運用が多くの世代に広まってきています。

定年までに時間のある場合には「長期・積立・分散」が重要であるといわれますが、売り方についてはまだあまり話題になっていません。

今回は、長期投資をした場合の出口戦略の立て方を紹介します。

買う時と同様に「機械的に実行」がおすすめ

機械的に売り買いするほうがいい

投資対象がどのようなものでも安い時に買い、高くなった時に売る方が儲けが大きくなります

投資に慣れていない人が安い時期を掴むのは難しいため、ドルコスト平均法と言われる方法で定期的に購入する方がリスクを低減できるとされています。

投資先を分散しながら定期的に積み立てて長期間保有する手法が初心者には最もおすすめだという意見が主流であり、「iDeCo」や「つみたてNISA」の制度内容的にもそのような方法に則っている人が多いと思われます。

20年ほど保有することから、売り方については時期が近くなったら考えようと思っている方が多いかもしれません。

実際に長期運用をしていれば複利効果によって大きくプラスになっている可能性が高いのですが、2020年春のコロナショックのように全く予期せぬタイミングで大幅に値下がりしてしまうこともあり、場合によってはさらにその後長く経済が低迷してしまうこともあります。

売り時の見極め方は非常に重要

せっかく値上がりしていたのに、もっと上がるかもしれないと待っているうちに暴落が起きてしまうと取り返しがつきません

特に、老後資金として用意していた場合には値下がりしていても生活のために切り崩さなくてはならず、泣く泣く損を受け入れるという事態も招きかねません。

そこで、売り時の決め方としておすすめなのは、

感情に任せず機械的に売る

ことです。

「資産が2倍になっていたら」

「500万円超えていたら」

「株価が20%上がっていたら」

など、売りを判断するラインを事前に決めておき、そのラインを超えていたら問答無用で売却するという方法です。

もちろん、少し待てばもっと上がった可能性もありますが、反対に大きく値下がりしてしまうリスクもあるのです。

最もピークのタイミングを見極めるのはプロであっても困難です。

本来は「お金は生活できるだけの分」あればよい

欲をかくほど失敗リスクが高まります。

「老後は1年に◯◯万円は使うから、買っている投資信託が◯◯ × 20年分以上になっていたら売却しよう」

などといったように理由のしっかりした目標設定があれば、売る時に必要以上に悩むこともありません。

もし、一度に現金化することで散財してしまうのが心配であれば、売却した分を値動きの少ない債券などの別の形に変えておく方法が有効です。

近年「つみたてNISA」や「iDeCo」で長期的な資産運用を始めた方は、ぜひ今のうちに目標ラインを決めてみてください

投資信託の定期売却サービス

投資信託の定期売却サービスも

投資信託を毎月定額で自動的に購入できるサービスがあるように、売却も定期的に実行してもらえるサービスが各社で始まっています。

・ 売るタイミングも分散させることで安値で売却してしまうリスクを減らせる

・ 一気に現金化することによる計画以上お金の使いすぎという事態を防ぐ

などの効果もあります。

例えば、老後の生活資金として月に5万円ずつ取り崩したいのであれば、毎月1日に5万円分投資信託を売却して銀行口座に入れるように設定します。

感情を介入させずに機械的に売れるので、相場が上下しても一喜一憂することがありません

ただし、相場が暴落したり右肩下がりだった場合には、売却時期を分散させることで資産がどんどんと少なくなってしまうリスクもあるので注意が必要です。

経済の先行きをある程度見極めておく必要はありますが、

「定期的に受け取る方が生活をイメージしやすいな」

という方はこちらのサービスも検討してみてください。

目標があると「売り時」がブレない

投資の始め方を指南する記事は多くても、売り方を学べる場は意外と少ないかもしれません。

運用している資産を

・ 何のために使うのか

・ いくらあればよいのか

をはっきりさせておくことで売り時も分かりやすくなります。

相場を見ながら決めるのではなく、

・ 生活をベースにして事前に計画

・ 決めたことを機械的に実行

することが重要です。

まだ積み立て始めたばかりだという場合にも、今のうちに売る時のイメージを持っておくことをおすすめします。(執筆者:AFP  島村 妃奈)