病院での診察のあと、薬をもらいに調剤薬局へ行くとかならず「おくすり手帳お持ちでしょうか?」と聞かれます。

おくすり手帳とは、どのような手帳なのでしょうか。

持っているとおトクになることや、おくすり手帳アプリについて紹介します。

おくすり手帳とは

おくすり手帳の使い方

おくすり手帳とは、調剤薬局でもらう「薬についての情報を書く」ための手帳です。

一度発行してもらったら、ほかの薬局でも同じ手帳を提出します。

飲み合わせや過去の処方歴を確認してもらうためです。

おくすり手帳には

・ 調剤薬を処方された日
・ 薬の名称
・ 容量(1錠・7日分などの記載)
・ 用法(1日3回食後に服用などの指示)

といった、薬についての必要な情報の記載が義務付けられています。

おくすり手帳のきまり

≪画像元:厚生労働省「保険調剤の理解のために(pdf)」≫

そのほかにも

・ 処方せんを発行した病院の名称
・ 調剤薬局名と連絡先

などの情報も記載されており、見るだけで薬についての問い合わせが可能です。

おくすり手帳で健康管理

おくすり手帳には、薬局に出す以外にもさまざまな活用方法があります。

おくすり手帳で簡単に健康管理する3つの方法を紹介します。

1. おくすり手帳に、自分の健康歴を詳しく記入して携帯する

2. 身体情報をメモして現状を把握する

3. 市販薬やサプリメントを記録して飲み合わせを診てもらう

日頃の健康管理がうまくいっていると、医療費の節約になります。

健康が維持できれば病院に行かなくても済むからです。

健康管理は大切だと分かっていても、わざわざノートを買って記録するのは面倒です。

そこで役立つのが、おくすり手帳なのです。

1. 自分の健康歴を詳しく記入して携帯する

おくすり手帳には、処方薬以外にも大切な健康についての記録を書く欄が設けられています。

お薬手帳の活用法

≪画像元:厚生労働省「保険調剤の理解のために(pdf)」≫

【おくすり手帳の1ページ目】

この欄に「自分自身のことを詳しく記入して、医療機関に毎回提出する」という流れを徹底するだけで、医師や薬剤師に自分の現状を伝えられ、最適な指導を受けられます

携帯すると、万一事故などで病院にかかった場合に自分の情報を伝えるツールとして活躍します。

血液型や既往歴といった情報を瞬時に伝える手段を持っておくことはとても大切です。

2. 身体情報をメモして現状を把握する

現状を記録し把握すると健康への意識が高まり、実際の健康状態も良くなります。

・ 体重
・ BMI(肥満指数)
・ 血圧

といった、生活習慣病につながる情報を計測のたびにおくすり手帳に記入するだけで完了です。

手帳には患者自身が自由に書き込め、記載欄がなくなれば新しい手帳をもらえます。

【例】愛知県蒲郡市の取り組み

現状の記録だけで健康状態が改善された、愛知県蒲郡市の取り組みを紹介します。

愛知県蒲郡市は、平成23年にメタボリックシンドローム該当者が県内最多を記録しました。

そこで行われた施策が「体重測定100日チャレンジ 目指せ1万人!」という取り組みです。

取り組み終了後のアンケートでは

・ 肥満傾向や痩せすぎ傾向が減少し、適正体重の人が増加

・ 記録により、健康を意識するようになると答えた人:89%

・ 生活習慣を改善する人が増加

といった結果が出ました。

参照:蒲郡市 一緒にやろまい がまごおりいきいき健康トライアル!「体重・体温測定100日チャレンジ!

現状を記録し把握するだけで、健康への意識が高まり実際の健康状態も良くなる

という好循環が生まれることがデータで証明されました。

おくすり手帳に記録するのが1番簡単なので、健康について考えるキッカケに最適といえます。

3. 市販薬やサプリメントを記録して飲み合わせを診てもらう

記録により最適な処方や指導を受けられます。

医療機関がおくすりを出す際には、かならず飲み合わせを考えて処方します。

そこで見落とされてしまうのが、市販薬やサプリメントの存在です。

市販薬やサプリメントは一般の人が自己判断で服用できるよう安全性が重視されていますが、飲み合わせは存在します

サプリメント大手のDHCは、薬との飲み合わせについて無料の相談窓口を設置しています。

飲んだ薬や普段飲んでいるサプリメントなどを記載しておいて、処方の際に医療機関に見てもらうと飲み合わせで体調を崩す危険性を避けられます

サプリの効果と同じ役割の薬を処方してもらい節約

サプリメントや市販薬を購入する際には全額自己負担ですが、医療機関におくすり手帳を見てもらった結果、同じ役割のものを処方してもらえたら健康保険の自己負担割合分で済むので、大幅なコストカットになる可能性を秘めいているのです。

節約のカギは「3か月以内」と「おくすり手帳」

おくすり手帳の持参で節約できる場合と、できない場合があります。

おくすり手帳で節約になるのは

6か月から3か月以内に同じ薬局で処方してもらうパターンです。

厚生労働省では、「同一薬局の推進」を掲げています。

そのため、色んな薬局にいくのではなく、同じ薬局を毎回利用すると安くなる仕組みを導入しています。

たとえば

・ 処方してもらってから3か月以内に
・ 再度処方してもらうとき

おくすり手帳を持参すると2回目の処方時に「薬剤服用歴管理手数料」の点数が下がるため、自己負担額も下がるという仕組みです。


おくすり手帳ありとなしでは、14点もの差がでます。

お薬代金の仕組みは複雑

処方薬の代金は、厚生労働省が定める「調剤報酬点数」をもとに算出されます。

1点=10円で計算し、健康保険の自己負担割合分を窓口で支払います。

たとえば、保険点数合計が463点で、3割負担の場合

合計金額:463×10=4,630(円)
自己負担額:4,630×0.3(3割)=1,390(円)
※10円未満は四捨五入

となります。

調剤報酬点数は

調剤技術料+薬学管理料+薬材料+医療材料費

などで構成されており、それぞれさらに細かな費目に分かれています。

(参考:アイセイ薬局 2020年4月改定調剤報酬点数表)
https://www.aisei.co.jp/hubfs/Portals/0/images/pages/user/about_medicine/dispensing_fee/dispensing_fee_points-20200401.pdf?hsLang=en-us

まったく同じ処方せんを持参しても薬局により自己負担額が異なる場合もあります。

たとえば、「薬局の立地条件等によって決まる調剤基本料」も薬局により異なる条件のうちのひとつです。


一般的に、病院や診療所のすぐ隣や近くに薬局があり、「病院に行った流れで、この薬局に行く」という導線ができている薬局は「門前薬局」と呼ばれます。

また、大病院の敷地内に併設された薬局を「門内薬局」と呼びます。

こうした「門前薬局」や「門内薬局」は、調剤基本料2や3に該当することが多いと考えられます。

調剤報酬点数にはほかにも多くの項目があり、指導内容などにより異なるため比較が難しいのが現状です。

「なるべく同じ薬局で処方を受け、おくすり手帳は毎回持参する」

これが、1番お得に薬を処方してもらえる可能性が高い方法だといえます。

3か月以内におくすり手帳を持って行く節約方法はすべての薬局で適用されるためです。

おくすり手帳は毎回持参することが健康管理のためにも大切です。

おくすり手帳で節約にならない

1. 病院や診療所のすぐ近くにある薬局「門前薬局」

2. 大きな病院の中にある「門内薬局」

で処方を受けるパターンは、節約にはなりません。

病院や診療所のすぐ隣や近くに薬局があり、「病院に行った流れで、この薬局に行く」という導線ができている薬局は「門前薬局」と呼ばれます。

また、大病院の敷地内に併設された薬局を「門内薬局」と呼びます。

「門前薬局」や「門内薬局」では、6か月以内におくすり手帳持参で処方を受けても負担額は変わりません(薬学管理料は毎回同じ)。

その代わりに、「門前薬局・門内薬局」は街中の薬局にくらべて、毎回かかる「調剤基本料」が低めに設定されているのです。

調剤基本料の一覧

≪画像元:厚生労働省「調剤報酬(その3)(pdf)」≫

調剤基本料1が街中の薬局で、調剤基本料2から下が門前薬局や門内薬局の点数を示しています。

点数が低いほど、患者の負担金額は少なくて済みます。

同じ処方せんでも、調剤薬局によって患者の負担金額が変わることを知っておくと、少しでもお得になる薬局で薬を出してもらえるので節約につながります。

参照:日本調剤 / メトロファーマシー

1番コスパのよい方法

「病院や診療所のすぐ近くの薬局で処方を受け、おくすり手帳は毎回持参する」

これが、1番お得に薬を処方してもらえる可能性が高い方法だといえます。

理由1:「門前薬局・門内薬局」のほうが調剤基本料は安いが、どこが該当しているかはわからない。

理由2:もしも、そうでない場合(街中の薬局にあたる場合)なら、おくすり手帳持参で少し安くなる可能性がある。

おくすり手帳は毎回持参することが健康管理のためにも大切です。

おくすり手帳アプリのメリット・デメリット・おすすめアプリ

「おくすり手帳がいいのはわかったけれど、面倒だし忘れる」という方も多いと思います。

そこで、思いつくのが「おくすり手帳アプリ」です。

実際におくすり手帳アプリを導入し、使ってみて感じたメリットとデメリットをお伝えします。

メリット1:持ち歩きが簡単、家族分もまとめて管理できる

スマホに入っているので、「しまった!おくすり手帳忘れた」となる心配がありません。

家族分も登録できるので、ひとつのアプリで管理できて便利です。

メリット2:処方薬の情報がすぐに調べられる

「この薬、なにに効くんだったかな?」と不意に思ったとき、アプリですぐに確認可能です。

薬名を検索する手間が省けます。

メリット3:薬予約をできる薬局もある

薬予約に対応している薬局が普段利用する薬局であれば、写真を撮って送るだけで予約が完了し、受取日時も指定できるので便利です。

デメリット1:薬予約をできない薬局が多い

おくすり手帳アプリの説明には「薬予約ができて、待ち時間が省ける!」と宣伝されています。

しかし、対応していない薬局も多く、地域差もあるため注意が必要です。

デメリット2:手書きできない

アプリのため、「少しメモしておきたい」ときに手書きできないのが残念です。

メモ欄もなく、体重などを記録したい場合には、身体記録を残せるアプリを選ぶ必要があります。

デメリット3:最初の登録が地味に面倒

病院に行く前の時間に余裕があるときに「ダウンロードと情報登録」をする必要があるので、急には使えません

おすすめアプリ1:EPARKお薬手帳アプリ

EPARKお薬手帳アプリ

≪画像元:EPARKEPARKEPARK≫

お薬手帳を使うだけでEPARKポイントが貯まる「オトク感」が最大のメリットです。

暮らしに関わる施設の予約サイト「EPARK」が提供しています。

おすすめアプリ2:お薬手帳プラス

お薬手帳プラス

≪画像元:日本調剤日本調剤日本調剤≫

全国で調剤薬局を展開する「日本調剤」が提供しています。

体重やBMIなどを記録でき、「アプリでできる健康管理」が最大のメリットです。

家族分を登録するには「日本調剤の薬局」で発行される領収書が必要です。

おすすめアプリ3:お薬ノート

お薬ノート

≪画像元:Google playGoogle playGoogle play≫

ママの子育て向けのアプリを展開している「カラダノート」が提供しています。

シンプルな作りで、誰にでも使いやすいのが最大のメリットです。

アプリストアでの評価も高く、3選にランクインしました。

おくすり手帳を活用してチリツモ節約

おくすり手帳の有効活用と、薬局でのコストが下がる仕組みを紹介しました。

おくすり手帳を賢く活用すると健康への意識が高まり健康になり医療費を節約できるので、おくすり手帳を使うことをおすすめします。(執筆者:安藤 環)