私は、医療保険(共済)に入りたいという若い女性には、女性疾病特約を付ける事より入院日額を1万円にする事をおススメします。

その理由は出産への備えです。

女性が必ずしも出産するわけではありませんが、以下、私の考えをご説明します。

出産は保障対象外

出産は病気ではありませんので、医療保険(共済)の保障対象になりません。

しかしそれは自然分娩の場合であって、異常分娩になれば入院給付金も手術給付金も保障対象となります。

増える帝王切開娩出術

異常分娩としてまず思い付くのは帝王切開娩出術(帝王切開による分娩)だと思いますが、医療技術の進歩のみならず出産のリスク回避の高まりもあるでしょう、

分娩全体に対する帝王切開娩出術の割合は増加の一途を辿っています。

厚生労働省が公表した分娩等の状況では、平成29年には5人に1人が帝王切開娩出術で出産しています。

【分娩件数の年次推移】

分娩件数の年次推移
≪画像元:平成 29 年(2017)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況(pdf)p20≫

【図1:帝王切開娩出術の割合の年次推移】

帝王切開娩出術の割合の年次推移
≪画像元:平成 29 年(2017)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況(pdf)p20≫

保障範囲の拡大

かつては保障対象となる異常分娩は帝王切開娩出術のみでしたが、今では吸引器や鉗子を使用して胎児を引出す分娩も、保障対象となりました。

分娩が保障対象になればそれに伴う入院も保障対象になりますので、手術給付金のみならず入院給付金を受取れる確率も高まった事になります。

また分娩以前に、妊娠中は入院が必要になる事も少なくなく、その場合の入院は保障対象です。

入院日額は手術給付金の基礎

医療保険に付加する女性疾病特約には、該当する女性疾病による入院の入院日額を

・ 元の金額の2倍にする

・ 元の金額 + 〇円にする

のタイプがありますが、どちらも入院の備えとしては有意義です。

こちらの方が入院日額を1万円にするより保険料が安いのですが、女性疾病特約付加ではなく「入院日額を1万円にする事」をおススメするのは、手術給付金に大きな差が出るからです。

民間の医療保険や共済の多くは手術給付金を「入院日額の○倍」と規定していますので、入院日額は手術給付金の基になる上に、女性疾病特約によって増えるのは入院給付金だけであって、手術給付金は増えません。

一方で帝王切開娩出術は増え、保障対象となる異常分娩も増えています。

表2は比較的多くみられる医療保険(共済)の給付金を比較したものです。

入院中の手術の手術給付金を入院日額の何倍にするかが選択できる保険もありますが、20倍と定める保険(共済)が多いので、その場合でシミュレーションしました。

【表2:入院日額別、10日間入院した場合の給付金】

入院日額別、10日間入院した場合の給付金

保障を減らす

保障はいつでも500円単位などで減らす事ができます。勿論、審査はありません。

病気やケガの備えを厚くするためにお金をやりくりするより、心身の健康のためにお金を使ったり病気やケガに気を付けて暮らしたいです。

さいわい私は出産以外に入院した事がなく、もう出産はしないと思った時点で、それまで1万円だった入院日額を5,000円にしました。

これから医療保険(共済)に加入する女性は、女性疾病特約の内容を吟味し、私の考えもご参考に比較検討してください。(執筆者:金澤 けい子)